月: 2025年9月

  • Marco Petterino

    Marco Petterino

    マルコ・ペッテリーノ

    イタリア / ピエモンテ

    マルコとジャンカルロの兄弟が2.5haの畑から至上のネッビオーロ酒を造り出す。齢80を超えなお生み出されるワインは、香り高くエレガントで味覚的においしいこと以上に、これからの時代にはこういうワインが造られることはもうないのだろうと、少し寂しく思わせるような古き良きイタリアワインの美しさを備えている。樽熟成後もステンレスタンクに移し更に数年熟成させてから瓶詰をしており、少量生産で時間をかけることのみが出せる味わい。大樽熟成の間、定期的に樽の移し替えを行い、味わいを洗練させ、通常リゼルヴァを名乗るには47ヶ月の瓶詰前の熟成が要求されるが、マルコ・ペッテリーノでは熟成期間が60ヶ月、72ヶ月以上になることもある。

    アルト・ピエモンテについて

     ネッビオーロを主体とする上質な赤ワインの産地として名高いアルト・ピエモンテはピエモンテ州北部の生産エリアで、2億8千年前に大噴火を起こしたとされる火山とアルプス山脈を形成した造山運動により、土壌には火山岩や火成岩を多く含む。アルプスのモンテ・ローザ(最高地点4634m)を源流とするセージア川上流域のDOCGガッティナーラ、DOCGゲンメでは多くのイタリアのワイン生産地と同様に、ローマ時代以前からブドウが栽培されてきた。モンテ・ローザからの冷風が吹き下ろすため、昼夜の寒暖差は大きくまた、イタリアでも随一の降雨量の多さでも知られる。ランゲからは100kmほど北の生産地域でその分平均気温も低く、上記の気候条件により気候変動による気温の上昇や降雨量の減少などの影響も穏やかなことからも、関心の高まっているワイン生産エリア。ちなみにミラノ・マルペンサ空港からは車で一時間たらずの距離である 。

    ピエモンテについて

     イタリア北西部、アルプス山脈の南麓で、フランスと国境を接する州。面積はシチリアに続いてイタリア第2位。ワイン生産量は7位だが、その品質、多様性、独創性についてイタリアの首座にあると自負する州。DOCGは16、DOCは42にも達する。その心臓部は、州南部のバローロとバルバレスコ以外にも多くの地域で多彩なワインを生む。その筆頭は北部で繊細なネッビオーロを生むガッティナーラとゲンメの両DOCG。南東部アスティ地方では広く知られるバルベーラ、モスカート・ビアンコのスパークリング以外にも、ドルチェットやグリニョリーノも重要品種。南部のガーヴィ/コルテーゼ・ディ・ガーヴィDOCGの優美な白も、近年は本来の輝きを取り戻している。白では、バローロの北隣、ロエーロ地区のロエーロ・アルネイスも安定した人気を確立した。さらに近年では、アスティ県周辺の高標高地区、アルタ・ランガDOCGでの瓶内二次発酵ワインの生産も活況を呈し始めている。

    Gattinara Riserva 2016
    ガッティナーラ・リゼルヴァ

    品種:ネッビオーロ100%
    位置:標高300~400m、南西向き
    土壌:花崗岩、石英、典型的な赤味を帯びた色調の鉄鉱物を豊富に含む火山性土壌
    醸造:ステンレスタンクで15日間発酵、毎日ルモンタージュを行う大樽(20~25年の古樽)で36ヵ月間以上熟成ステンレスタンクに移し数年間休ませたのち瓶詰め。

    ガッティナーラのうち、ペルモローネ、カステッレ、グアルディエの3つの南西向きのクリュに畑をもつ。この地域ではネッビオーロのことをスパンナと呼ぶ。大樽熟成の間、定期的に樽の移し替えを行い、味わいを洗練させていく。
    ¥7810

  • Lalù

    Lalù

    ラルー

    イタリア / ピエモンテ

    トリノ出身のラーラとルイーザは、ランゲの丘陵にほど近い、食科学大学(スローフード大学とも呼ばれる)に通う同級生として出会いました。授業の後にワイン生産者を訪ねて回り、そのたびに彼らの苦労と愛の物語に魅了されるうち、いつしか自分たちもワイン造りを志します。卒業後、2015年にラ・モッラではじめて畑を購入し、2019年にワイナリー「Lalù」を設立。ブドウは、何よりもまず、自分たちが生きるこの大地の果実であり、ワインはブドウが栽培された畑を表現するものである、という信念のもと、それぞれの畑を個別に醸造しています。
    農家の出身ではなくピエモンテの州都トリノ出身の2人には、外からの影響への抵抗力の強いイタリアにおいて、慣行に囚われない感性でのワイン造りのアプローチをしやすい土壌があるようです。気候変動により、栽培と醸造において対応/調節の必要性が今までになく迫られる中で、ラルーの2人や彼女達と集う造り手たちには、既存の系譜にはないものがあります。

    ピエモンテについて

    イタリア北西部、アルプス山脈の南麓で、フランスと国境を接する州。面積はシチリアに続いてイタリア第2位。ワイン生産量は7位だが、その品質、多様性、独創性についてイタリアの首座にあると自負する州。DOCGは16、DOCは42にも達する。その心臓部は、州南部のバローロとバルバレスコ以外にも多くの地域で多彩なワインを生む。その筆頭は北部で繊細なネッビオーロを生むガッティナーラとゲンメの両DOCG。南東部アスティ地方では広く知られるバルベーラ、モスカート・ビアンコのスパークリング以外にも、ドルチェットやグリニョリーノも重要品種。南部のガーヴィ/コルテーゼ・ディ・ガーヴィDOCGの優美な白も、近年は本来の輝きを取り戻している。白では、バローロの北隣、ロエーロ地区のロエーロ・アルネイスも安定した人気を確立した。さらに近年では、アスティ県周辺の高標高地区、アルタ・ランガDOCGでの瓶内二次発酵ワインの生産も活況を呈し始めている。

    Barbera d’Alba 2022
    バルベーラ・ダルバ

    品種:バルベーラ100%
    位置:320m、西から南西向き
    土壌:粘土石灰質
    醸造:果梗とともにセメントタンクで醸造。オーストリア製オークと、古樽のバリックで約8ヵ月間熟成。
    モンフォルテの畑のバルベーラを使用。砂の含有量が多く、もともとは潮流の激しい海底だった。色はしっかり出ているが、抽出は穏やかで、口当たりがよい。
    ¥5170

    Laghe Nebbiolo
    ランゲ・ネッビオーロ

    品種:ネッビオーロ100%
    植樹:2015年植樹
    位置:400m、東向き
    土壌:粘土石灰質
    醸造:2つの畑のブドウを別々のセメントタンクで醸造。オーストリア製オークで約8ヵ月間熟成。
    モンフォルテと、ラ・モッラの区画から、バローロにするにはまだ若すぎる畑のネッビオーロを使用。海洋由来の地層で、もともとは潮流のない静かな海底で、貝の化石が多く見つかる。

    Barolo – Le Coste di Monforte
    バローロ レ・コステ・ディ・モンフォルテ

    品種:ネッビオーロ100%
    樹齢:1994年植樹
    位置:420m、南向き
    土壌:砂質サンタガタ化石泥灰岩地層、シルト・粘土石灰質
    醸造:木桶で1ヵ月間のマセレーション。15HLのオーストリア製オークとバ リックで20ヵ月間熟成。
    トルトニアン時代(約1000万年前)に形成された、ほかのサンタガタ地区よりも砂質の多い海洋由来の地層からなる。もともとは潮流の激しい海底だった。保温性が高い一方、保湿性は低い土壌。これらの要因によって高いレベルのポリフェノールとタンニンのあるブドウが得られる。モンフォルテの中でも最南端かつ標高の高い位置にある畑は、風通しがよくブドウがゆっくりと時間をかけて熟すのに適している。2019VT初醸造

  • Christian Tschida

    Christian Tschida

    クリスチャン・チダ

    オーストリア / ライタベルク / ノイジードラーゼー

    オーナー醸造家のクリスチャン・チダは、実験的な醸造に積極的なオーストリアの醸造界の中でも異端児と呼びたくなる存在。醸造学校へ通ったこともなく、ワイン造りは祖父と父、そしてロワールとブルゴーニュの生産者達から独学で学んだというが、モットーは「レッセ・フェール」。放置して、自ずから調和に至らせる自由放任主義だ。2013年産から亜硫酸は添加していない。そしてノンフィルターで瓶詰めする。14haのブドウ畑をライタベルクの斜面に所有している。30近い点在する区画では栽培しているのは白はショイレーベ、ヴァイスブルグンダー、グリューナー・ヴェルトリーナー、ムスカート、赤はツヴァイゲルト、ブラウフレンキッシュ、カベルネ・フラン、シラー。ウィーンに住んでいた頃親交のあった画家アルフレート・フリドリチカ(2009年に他界)のエッチング作品『地上の楽園』Himmel auf Erdenをエチケットにした同名のワインの自由奔放さ、グリューナー・ヴェルトリーナーをマセレーションした「ノン・トラディション」の底知れないスケールの大きさ、「ドームカピテル」のカベルネフランの端正で繊細な深み。彼の造るワインは、いずれもが独自の世界を構築している。

    ライタベルク / ノイジードラーゼーについて

    ノイジードラー湖の北西部から湖の東岸のハンガリーとの国境までを含めたブルゲンラント最大のワイン生産地域。大きく三つに分かれ、①ライタベルクの北端にあたり、粘板岩や石灰質混じりの粘土、礫、砂があり冷涼な北西部。②湖北部のパンドルファー台地の裾野に帯状に連なる、高低差30mあまりの南西向きの、石灰質を含む砂利や粘土質土壌の斜面。③湖東岸のゼーヴィンケルと称される平野。年間日照時間は約2000時間でパンノニア平原からの熱風をもろに受け、遮るものがないので風が年間を通して吹くため風力発電用の風車が林立している。湖の周囲以外は黴が繁殖しにくいので有機栽培に向く。土壌は黒土と砂利と砂で池が多数あり、自然保護区となっている。③のゼーヴィンケルは1914年の運河開通で入植がはじまった地域で、かつてはとても貧しかった。1970年代から1985年までは貴腐ワインで潤ったが、1990年代には世界的な赤ワインブームの影響もあって赤ワイン用品種への植え替えが進んだ。1994年には高品質な赤ワインを目指す生産者団体パンノービレが結成され、高貴な甘口とともに優れた赤ワインの地域としても知られるようになる。現在は赤ワイン用品種が48.4%を占め、ツヴァイゲルトの栽培が最も盛んで24.0%(2017年)。次いでグリューナー・ヴェルトリーナーの10.4%、ヴェルシュリースリングの11.1%、ブラウフレンキッシュ9.3%、ザンクト・ラウレント4.2%と続く。

    オーストリアについて

    オーストリアのワイン生産地域は国土の東側周縁部に分布し、緯度はブルゴーニュのコート・ドールからアルザスのオー・ランに相当する。ワイン生産地域は大きく三つに分けることが出来る。①北部のアルプスの森林に囲まれドナウ川が横断するニーダーエスタライヒ。②パンノニア平原に接して大陸性気候の影響を強く受けるブルゲンラント。③スロヴェニアの山地と同様に起伏に富んだ地形で、地中海からの暖気とアルプスの冷気がぶつかるシュタイヤーマルク。いずれも暖気と寒気がぶつかりやすい立地条件のため、近年は遅霜や雹で深刻な被害を受けることが増えている。この国は歴史的にはハプスブルク家が君臨したオーストリア・ハンガリー帝国の中心地であったことがワインとそれをとりまく文化を育んできた。1985年にノイジードラーゼーの生産者による不凍液混入事件で甘口ワイン市場が壊滅するという逆境が、かえってオーストリアを、伝統に縛られずに高品質を目指す好奇心旺盛で個性的なワイン生産国へと変えた。ビオロジックで栽培されるブドウ畑も約12%とヨーロッパで最も普及し、生産量は世界の1%にも満たないが、ビオディナミや亜硫酸無添加醸造、オレンジワインなどに積極的に取り組む生産者も少なくない。

    A・E・I・O・U
    アエイオウ

    品種:シャルドネ
    植樹:1960年、2016年 
    標高:200~250m、南東向き
    土壌:石灰岩、珪岩、粘板岩
    醸造 マセレーションなし、野生酵母で発酵 。容量1200Lの木樽で澱とともに7ヵ月 間熟成 亜硫酸無添加、ノンフィルターで瓶詰め

    A.E.I.O.U.はハプスブルク家の神聖ローマ皇帝フリー ドリヒ3世が好んで用いた略語句で、ウィーンのノイシュタット城やグラーツ大聖堂などの建物や、自身の食器などあらゆるものにこの文字列を刻んだ。だが、 その意味は長い間不明で、様々な解釈がなされてきた。2023年に歴史学者がその意味を解明したと発表し た以下の説に、チダが惹かれ、ワイン名に選んだ: Amor Electis Iniustis Ordinor Ultor 選ばれし者達に愛され、無法者達から恐らるる/嫌わる る。「ワインが好きな人は分かるし、そうでない人はわからない」という意味。ブドウ畑はライタ山地にあるノイジードラーゼーに面した急斜面にある。丘の上部で土壌はシスト。ブドウ 樹を2本ならべて植えることで互いを競わせ、深く伸びた根が水、ミネラル、養分を取り込むようにしている。
    ¥17,600

    Kapitel Ⅰ
    カピテル 1 [アインス]

    品種:カベルネ・フラン主体、ブラウ フレンキッシュ少々
    植樹:1960~1998, 2007年
    位置:標高130-240m、南東向き
    土壌:Tenauの畑 (石灰質、礫) 
    醸造 手作業で収穫後、除梗し、開放桶で足で破砕、野生酵母で6週間マセレーション発酵 圧搾後、大樽(2600L)に入れて、澱とともに熟成 ノンフィルター、清澄なし、亜硫酸無 添加で瓶詰め。

    “KAPITEL”カピテルは昔ブドウ畑が、区画を番号で分割させられていたときの呼称。このワインのブドウが収穫されるのはKapitel Iと呼ばれる区画だった。 2016VTはカベルネ・フランのみ、ブラウフレンキッシュの割合は年によって異なる。(2019VT、2020VT は10%)
    ¥4,600

  • Ernst Triebaumer

    Ernst Triebaumer

    エルンスト・トリーバウマー

    オーストリア / ブルゲンラント

    トリーバウマー家の初代はルター派の宗教難民として1691年にルストに移住し、代々農業を営んできた。世間に知られるようになったきっかけは1988年、雑誌ヴィナリアVinariaが世界の赤ワインをテーマにした品評会で、エルンスト・トリーバウマーの父が1960年代に植樹し、エルンストが醸造した1986年産ブラウフレンキッシュ「リート・マリエンタール」の優勝だった。このワインは現在もオーストリアでは伝説のワインとして語り継がれている。ルスト周辺は本来貴腐ワインのルスター・アウスブルッフの名産地として知られているが、トリーバウマーは約20haのブドウ畑のうち75%を赤ワイン用品種(50%ブラウフレンキッシュ、残りはカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロなど)と辛口の白(シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、ヴェルシュリースリング、グリューナー・ヴェルトリーナー)を栽培。環境に対する意識が高く、土壌を健康に保つ為には労を厭わない。CO2排出量を抑えるためトラクターの使用を出来るだけ避けて、耕耘の回数を減らし、ブドウ畑に羊を放し飼いにして除草と除葉と堆肥を与え、ミツバチを養い、鳥の巣箱を設置し、野菜を育て、豚も飼い、農地全体の調和とバランスを考えて経営している。ノイジードラー湖に近い畑では甘口の貴腐ワイン用を、ルストの南西の珪岩、粘板岩、片麻岩、結晶片岩に粘土が混じる畑では辛口白用のブドウを、ルストの北の貝殻石灰質が多く含まれる畑では赤ワイン用品種を栽培。手作業で選び抜いた収穫を、バリック樽を多用して必要なだけ十分な時間をかけて醸造する。現在はエルンストの二人の息子達がワイン造りの伝統を継いでいる。

    ブルゲンラントについて

    ハンガリーと国境を接するノイジードラー湖の東側一帯は、かつてワイン生産地域ノイジードラーゼー・ヒューゲルラントと称していたが、2016年7月のワイン法改正で廃止された。それに代わり、同地域内で栽培された産地の個性を表現する規定の品種と規約に基づいて醸造されたワインをDAC(Distictus Austriae Controllatus)ライタベルクと称し、それ以外は単にブルゲンラントと称することになったが、旧ノイジードラーゼー・ヒューゲルラントの中心的都市ルストの生産者達には苦渋の選択だったことだろう。というのも、ルストには16世紀以来の貴腐ワインの伝統があり、自分達こそこの地域の代表という自負があるからだ。一方、1985年の不凍液混入事件で世界中の甘口ワインを危機的状況に陥れたのもルストの生産者だった。苦境からの脱出は1980年代後半、フレンチスタイルの国際品種で樽を効かせた濃厚な赤ワインの成功から始まったが、その担い手はノイジードラー湖を北西から囲むように延びるライタベルク山地の麓と、その西のアイゼンシュタットの生産者達だった。ライタベルクは粘板岩や片岩の上に石灰質が堆積した土壌から成る。その頂から冷気が吹き下ろし、南からはパンノニア平原の乾燥した熱風が吹き込み、湖は湿気と暖気を供給する。湖に近い畑は当然ながら貴腐ワイン用で、そこから離れながら標高が上がるとともに辛口白、赤ワイン用の品種が栽培されている。

    オーストリアについて

    オーストリアのワイン生産地域は国土の東側周縁部に分布し、緯度はブルゴーニュのコート・ドールからアルザスのオー・ランに相当する。ワイン生産地域は大きく三つに分けることが出来る。①北部のアルプスの森林に囲まれドナウ川が横断するニーダーエスタライヒ。②パンノニア平原に接して大陸性気候の影響を強く受けるブルゲンラント。③スロヴェニアの山地と同様に起伏に富んだ地形で、地中海からの暖気とアルプスの冷気がぶつかるシュタイヤーマルク。いずれも暖気と寒気がぶつかりやすい立地条件のため、近年は遅霜や雹で深刻な被害を受けることが増えている。この国は歴史的にはハプスブルク家が君臨したオーストリア・ハンガリー帝国の中心地であったことがワインとそれをとりまく文化を育んできた。1985年にノイジードラーゼーの生産者による不凍液混入事件で甘口ワイン市場が壊滅するという逆境が、かえってオーストリアを、伝統に縛られずに高品質を目指す好奇心旺盛で個性的なワイン生産国へと変えた。ビオロジックで栽培されるブドウ畑も約12%とヨーロッパで最も普及し、生産量は世界の1%にも満たないが、ビオディナミや亜硫酸無添加醸造、オレンジワインなどに積極的に取り組む生産者も少なくない。

    Grüner Veltliner
    グリューナー・ヴェルトリーナー

    品種:グリューナー・ヴェルトリーナー
    植樹:1995年頃
    土壌:標高120m、石灰岩、石英、片麻石、粘板岩、粘土などから成る土壌
    醸造:果梗についたまま破砕して圧搾。50%木樽、50%ステンレスタンクで野生酵母とともに醗酵。澱引きせずに半年から1年間熟成。

    2021年産は甘口Lieblich(Alc. 14.4%, 残糖26.3g/L, 総酸度5.2g/L)。収穫後野生酵母で発酵、残糖26.3g/Lで自然に発酵が止まった。甘味はあきらかに感じられ、素直で親しみやすい味わい。
    2016, 2017年産は halbtrocken(オフドライ), 2018年産は trocken(辛口)。

    Blaufränkisch – Ried Gemärk
    ブラウフレンキッシュ リート・ゲメルク

    品種:ブラウフレンキッシュ100%
    位置:湖にむかってなだらかに傾斜する畑。湖面に近く、背後に森がある。
    土壌:石灰を含む粘土質土壌
    醸造:野生酵母で発酵。容量300Lと500Lの木樽(一部新樽)で熟成。ノンフィルターで瓶詰め。

    サワーチェリー、ジュニパーベリー(西洋ネズ)、スターアニスのアロマ。さわやかさと、しっかりした果実味を備えている、説得力のある味わい。
    ¥3850 (2020)
    ¥3960(2021)

    Tridendron 2020
    トリデンドロン

    品種:メルロ主体、ブラウフレンキッシュ、カベルネ・ソーヴィニョン
    植樹:2000年頃、1985年頃
    土壌:レス土、石英、石灰岩などから成る土壌
    醸造:除梗後容量8500Lのステンレスタンクで発酵。容量300Lの木樽で16ヵ月間熟成、新樽比率30%。瓶詰めの1ヵ月前にアサンブラージュ。

    「トリ」Triは三つ、「デンドロン」Dendronはギリシア語で「木」の意味。ルスト村の司祭がこの名前の発案者だそう。メルロベースにブラウフレンキッシュとカベルネ・ソーヴィニヨンをブレンドした、三位一体の味わい。
    ¥4620

    Rosé 2022
    ロゼ

    品種:ピノ・ノワール、ブラウフレンキッシュ、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ
    植樹:2000年頃
    位置:南東向き
    土壌:レス土、石灰岩土壌他
    醸造:ダイレクトプレス。ステンレスタンクで野生酵母で発酵。発酵後、澱引きして、ステンレスタンクで約6ヵ月間熟成。

    特に樹勢の強い畑の早摘みのブドウから造っている。甘みのある味わいだが、伸びやかな酸味がすっきりと洗い流す。
    ¥2750

    Blaufränkisch – Ried Mariental 2018
    ブラウフレンキッシュ リート・マリーエンタール

    品種:ブラウフレンキッシュ100%
    植樹:1975年頃、1945年頃
    土壌:石灰質土壌
    醸造:野生酵母で発酵。容量300Lの木樽(新樽70%)で22ヵ月間熟成。ノンフィルターで瓶詰め。

    石灰質を含む痩せた土壌、特別なミクロクリマと樹齢のとても高い葡萄樹。1976年にトリーバウマー家が購入。1988年に1986年産のブラウフレンキッシュが世に出て注目を集めた。
    ¥11,000

    Blaufraenkisch Rusterberg trocken NV
    ブラウフレンキッシュ ルスターベルク トロッケン NV

    品種:ブラウフレンキッシュ100%
    植樹:1985年頃、2000年頃  
    位置:標高140~200m、南東向き
    土壌:レス土、石英、片麻石などから成る土壌
    醸造:ステンレスタンクで20日間マセレーション。容量1100~3000ℓの木樽(一部新樽)で約6カ月熟成。

    最近までRusterberの畑名は、マジックで黒塗されていた。公的審査機関からの指摘で、ルスターベルクの畑名が集合畑(グロースラーゲ)として公認されていないので、使用しないように指導されため、畑名を黒マジックで塗りつぶして抗議の意思を表明していた。
    2016年に集合畑名が公認され、黒塗りをやめた。
    ¥3190

  • Weingut Soellner

    Weingut Soellner

    ヴァイングート・スールナー

    オーストリア / ヴァーグラム

    生産地域ヴァグラムの北西部で、隣接する生産地域カンプタールを縦断するマンハーツ山脈の南端に位置するゲーシングGösing村にある。ドナウ川に向かって開けた高台に位置し、スールナーが所有する16haのブドウ畑は、標高250~350mの南向きの河岸段丘にあって見晴らしが良い。オーナー醸造家のトーニ・スールナーは、16歳の時に初めてブドウを圧搾した。スールナー家はワイン造りだけでなく、1haの果樹園でリンゴや梨を、16haの農地で様々な穀物を栽培し、豚、羊なども飼育する複合農家で、森林も約5ha所有している。トーニは1995年にダニエラ・ヴィーニュさんとの結婚を機にビオロジックへの転換を決意。1997年にはそれを完了し、2004年にはビオディナミへと移行した。「自然と共に働いて生きる」ことをモットーに、「魂と個性とエネルギーがこもった、飲んで美味しく体に良いワイン」を目指している。ビオディナミで活性化した土壌にはマンハーツ山脈の花崗岩が混じり、砂、砂利、それにレス土が厚く堆積。昼にはパンノニア気候の乾いた熱風が吹き、夜は山から冷気が降りてブドウの成熟とアロマの蓄積を助ける。品種の大半はグリューナー・ヴェルトリーナーで、他にリースリング、ツヴァイゲルト、ザンクト・ラウレント、カベルネを栽培し、ステンレスタンク、大樽、小樽で野生酵母で発酵する。中でもヴァグラムが発祥の地と言われているローター・ヴェルトリーナーを、1930年代に作られた炻器(ストーンウェア)のタンクで醸し発酵した「イルデン」irdenは、トーニとダニエラの好奇心と志を象徴している。

    ヴァーグラムについて

    クレムスタールからウィーンまでドナウ川の両岸広がる生産地域だが、大半のブドウ畑と主な生産者は西隣のカンプタール寄りの高台に集中している。かつてはドナウタールという名の生産地域だったが2007年にヴァグラムに改名。それ以来若手生産者が注目されるなど、イメージアップに成功している。ちなみにヴァグラムは中世高地ドイツ語の”wac”(水の流れ、川)と”rain”(耕地の境界、草原、斜面)を意味し、恐らくドナウ川沿いの斜面に由来する。その名の通り北から南のドナウ川に向かってひらけたレス土の緩斜面に、階段状に畑が造成されている。北側の山から冷気が、ドナウ川から暖気が吹き込んでブドウの成熟とアロマの蓄積を助けるのはヴァッハウ、クレムスタールと同じだが、地形が開けていて常に風が吹いているので黴が繁殖しにくく、ビオロジックに向いている。また石灰質成分を多く含むレス土は、ミネラル分に富んで保水力に優れ渇水に強い。産地を代表する品種はグリューナー・ヴェルトリーナーで栽培面積の48.9%(2015年)、次いでツヴァイゲルトが13.7%を占める。

    オーストリアについて

    オーストリアのワイン生産地域は国土の東側周縁部に分布し、緯度はブルゴーニュのコート・ドールからアルザスのオー・ランに相当する。ワイン生産地域は大きく三つに分けることが出来る。①北部のアルプスの森林に囲まれドナウ川が横断するニーダーエスタライヒ。②パンノニア平原に接して大陸性気候の影響を強く受けるブルゲンラント。③スロヴェニアの山地と同様に起伏に富んだ地形で、地中海からの暖気とアルプスの冷気がぶつかるシュタイヤーマルク。いずれも暖気と寒気がぶつかりやすい立地条件のため、近年は遅霜や雹で深刻な被害を受けることが増えている。この国は歴史的にはハプスブルク家が君臨したオーストリア・ハンガリー帝国の中心地であったことがワインとそれをとりまく文化を育んできた。1985年にノイジードラーゼーの生産者による不凍液混入事件で甘口ワイン市場が壊滅するという逆境が、かえってオーストリアを、伝統に縛られずに高品質を目指す好奇心旺盛で個性的なワイン生産国へと変えた。ビオロジックで栽培されるブドウ畑も約12%とヨーロッパで最も普及し、生産量は世界の1%にも満たないが、ビオディナミや亜硫酸無添加醸造、オレンジワインなどに積極的に取り組む生産者も少なくない。

    TONI – Grüner Veltliner
    トーニ グリューナー・ヴェルトリーナー

    品種:グリューナー・ヴェルトリーナー
    植樹:1995年頃
    位置:標高290~320m。南・東・西向き
    土壌:石灰分の多い砂質レス土壌
    醸造:ステンレスタンクで野生酵母により醗酵。ステンレスタンクで5ヵ月間熟成
    トーニTONIは現当主のファーストネームであり、T:tasty(おいしい)、O: original(独自の)、 N:natural(自然の)、I:individual(個性的な)、の4つ単語にもかけられたネーミング。フレッシュでみずみずしく、軽やかでバランスの取れたグリューナー・ヴェルトリーナー。
    ¥3520 (2024)

    DANI – Rose 2022
    ダーニ ロゼ

    品種:ブラウアー・ツヴァイゲルト、メルロ、カベルネ・ソーヴニョン
    植樹:1990年頃
    位置:標高290~320m、南・東・西向き
    土壌:砂質及び粘土質レス土壌
    醸造:ステンレスタンクでゆっくりと野生酵母により発酵、ステンレスタンクで熟成。
    ダーニDANIは造り手Toniの妻ダニエラの愛称であり、D: delicious(おいしい)、A: animated(活き活きとした)、N:natural(自然の)、I:individual(個性的な)、の4つ意味にもかけられたネーミング。軽やかでフレッシュ、イチゴやラズベリーの香る、飲み心地の良い夏向きワイン。
    ¥2860

    Ried Hengstberg – Grüner Veltliner 2022
    リート・ヘングストベルク グリューナー・ヴェルトリーナー

    品種:グリューナー・ヴェルトリーナー
    植樹:2003, 2009年
    位置:標高371mのヘングストベルクの斜面上方、南向き
    土壌:貝殻石灰質
    醸造:健全に完熟したブドウを慎重に圧搾、ステンレスタンクで野生酵母により発
    酵。澱の上で約2ヵ月熟成後、収穫翌年1月に珪藻土のフィルターにかけるその後ステンレスタンクで瓶詰めまで熟成

    ヴァグラムで最も標高の高いヘングストベルクの山の南向き斜面の畑。繊細でエキゾチックな香りが飲み手を誘い、華やかで調和のとれたおだやかな果実味が特徴。品のある味わい。
    ¥3740