月: 2025年9月

  • Domaine Landron

    Domaine Landron

    ドメーヌ・ランドロン

    フランス / ロワール

    1940年代以来、ナント近郊ラ・エ・フアスィエール村で栽培家としての歴史を持つランドロン家が、1980年にドメーヌでの元詰めを開始。1999年に、創業者の子息ジョセフ(愛称ジョー)が栽培をビオロジックに移行させ、さらなる栽培への探求を続け、2011年にはビオディナミ認証も獲得した。ワインと、ナントの土地への深い愛情がまばゆく輝くその作品は、低い収穫量と僅かな亜硫酸添加で、土地の特性を見事にとらえるジョゼフの真摯な職人肌の賜物。アンフィボリット – ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌは7ヵ月間澱とコンタクトさせ、この地方特有の海洋性角閃岩のテロワールを映す凜々しいミネラルと酸、ほどよい塩気が心地よい。またフォル・ブランシュ主体の、しっかりとしたガス圧のある辛口ヴァン・ムスーも、杏子とアーモンドのニュアンスと、活力あるミネラル感で非常に人気が高い。2021年よりジョーは徐々に引退、娘夫婦へとワイナリーの運営を引継ぎしていく。エレーヌとニコラの2人はこれまで羊を飼いチーズを造ってきたが、羊たちと一緒にワイナリーへと戻ってきた。

    ペイ・ナンテ地区について

    ロワール河の河口から約50km上流で、ローマ時代から交通の要衝だったナント市周辺に広がる地域。片麻岩と花崗岩豊富なミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ(約8,200ha)など、ミュスカデ関連の4つのAOCで知られるエリア。ミュスカデとはワインの名前であり、場所やブドウ品種の名前ではない。品種はシャルドネの従兄弟、ムロン・ド・ブルゴーニュ100%が義務づけられるが、通称としてこの品種をミュスカデ種と呼ぶことも、地元ではある。ムロン・ド・ブルゴーニュの名の由来は、樹の葉がメロンに似ているからだと言われる。ミュスカデは伝統的に大半がシュール・リー製法をとり、発酵槽の中で一定の期間澱と共に熟成を経て、風味と肌理を深める。その方法は、シャンパーニュが瓶内二次発酵時の澱とのコンタクトで風味を深めるのと同じ原理である。ワインは緑を帯びた淡い色調、白い花の香りや火打ち石の香りがあふれる極辛口で、わずかな塩味、そして堅固とも思える酸とミネラルは、小エビ、牡蠣、ムール貝などのシーフードとは、卓越した相性となる。

    ロワールについて

    大西洋岸に注ぐフランス最長の河(1,000km)の両岸に続く産地。「フランスの庭園」と呼ばれ、河沿いにかつての王侯貴族の壮麗な古城が多数点在する景観は、世界遺産にも登録されている。この地方はブドウ栽培の北限に近く、ワインは比較的酸が高い。ワインの名称と、それに含まれるワインの関係はかなり込み入っており、例えばソーミュール、アンジュなどの呼称は赤、白、ロゼのどれにも適応され、同じ呼称の中でブドウの品種も甘さの度合いも様々であることが、消費者を戸惑わせることが多い。ともあれ「このエリアはフランスで最も多様で、かつ軽んじられてきた産地。軽く、爽快で、はっきりとした酸味を持ち、昔から魅力的と言われているエリアなのに、現代のワイン消費者は、重さと強さに取り憑かれているため、ロワールは、正当な評価を受けていない」とジャンシス・ロビンソンは喝破する。ロワール河河口から上流に向かって、ペイ・ナンテ地区、アンジュー・ソーミュール地区、トゥーレーヌ地区、ロワール上流地区の、大きく4つのエリアに区分される。

    Muscadet – Amphibolite 2023
    ミュスカデ アンフィボリット

    品種:ムロン・ド・ブルゴーニュ100%
    植樹:1970年代後半~1994年
    位置:標高60~70m、北・東・西向き
    土壌:海洋消滅の際に変成した角閃石
    醸造:18日間アルコール発酵。セメントタンクで4~12ヵ月間のシュール・リー熟成

    アンフィボリットとは角閃石のこと。緑色グラデーションのアンフィボリットは柔らかいミネラル分をワインに与える。フレッシュな味わいを楽しむため、春からその年の終わりまでに飲むとよい。暑い日にテラスなど屋外で飲むには最高のワイン。

    肩の力がほぐれるような優しいテクスチュアと、涼しい柑橘系の果実味や爽快な酸のニュアンスを併せ持つ、夏には特にオススメの白。
    ¥3960

    Muscadet Nouveau 2023
    ミュスカデ・ヌーヴォー

    品種:ムロン・ド・ブルゴーニュ
    位置:標高60~70m
    土壌:粘土・石灰質
    醸造:セメントタンク醗酵。ステンレスタンクで1ヵ月ほど落ち着かせる。11月に瓶詰め。

    2024VT:「非常に降雨が多い年でベト病が蔓延する年であった。それでも少量のミュスカデ・ヌーヴォーを造ることにした。24VTのミュスカデ・ヌーヴォーはビオ転換中の区画のブドウから造られるので、ビオ認証はない。」
    ¥3080

    Vin Mousseux – ATMOSPHERES
    ヴァン・ムスー アトモスフェール

    品種:フォル・ブランシュ主体、ピノ・ノワール、シャルドネ
    植樹:1980年代~2000年代
    位置:標高60~70m、平地
    土壌:粘土砂質(フォル・ブランシュ)、砂礫土壌(ピノ・ノワール)
    醸造:セメントタンクで10ヵ月間熟成。12ヵ月間の瓶内二次醗酵ドザージュあり。

    ミュスカデ地区で、ビオディナミ栽培で収量を抑え、酵母添加も補糖もせずに優れたワインを造る。このキュヴェは、繊細な泡をもつ辛口のヴァン・ムスーで、フォル・ブランシュの酸が通り、アペリティフにも適している。

    ラベルは、ワインの詩情を漂わせるパリの画家、ミシェル・トルメーの作品。

    杏子とアーモンドのニュアンスと、活力あるミネラル感。温暖化により、果実の糖度が上がりがちなので、近年は成熟の遅く酸の高いフォル・ブランシュ種の割合を増やしている。
    ¥4620

  • Laherte Frères

    Laherte Frères

    ラエルト・フレール

    フランス / シャンパーニュ

    1889年、ドメーヌとして創業。現在7代目のオーレリアンとその父のティエリーが、エペルネの南西シャヴォ村周辺の11haの自社畑を管理する。父ティエリーの代からビオロジック栽培に取り組み、近年はアルザスの気鋭ジュリアン・メイエなどでも経験を積んだオーレリアンが、その経験を生かしビオディナミ栽培に転換した。数多いキュヴェの中でも「レ・ヴィーニュ・ドートルフォワ」は1948~60年植樹の木のみ、「レ・ロング・ヴォワ」は1965年と70年植樹の木のみから醸造するなど、古木へのこだわりも並外れたもの。さらなる試みは、古代品種プティ・メリエ、アルバンヌの他、ピノ・グリ、ピノ・ブランにシャンパーニュの基本3品種を加え醸造する「レ・セット・セパージュ」。栽培が困難でかつ低収量の2つの古代品種の素晴らしさを、情熱と忍耐で見事に表現・開花させたこのキュヴェは、今後のシャンパーニュのさらなる可能性を鮮やかに示唆する偉大な1本とさえ言えるだろう。

    コトー・シュッド・デペルネについて

    コトー・シュッド・デペルネはサブリージョン名ではなく、1996年に地域振興と同地域のシャンパーニュの認知拡大を目的に設立された生産者協会の名前。エペルネの街の南にある13の村により設立され、原産地呼称制度により定められた名称ではない。

    シャンパーニュについて

    パリの北東約150km、北緯49~50度で、近年のイギリスなどの例外的な地域を除くブドウ栽培の北限とされる寒冷な地方。年間平均気温約10.5℃。約32,900haにおよぶAOC圏は319の村、240,000の区画にまたがり、栽培農家は約19,000軒。自社瓶詰め生産者も約2,000に達するが、全生産量の約3/4は、モエ・エ・シャンドンなど大手6社が占める。地質的には中生代白亜紀後期の白亜質石灰、およびジュラ紀キメリジアン階の泥灰岩、石灰岩が中心となる。1600年代末までは非発泡ワインの産地で、現在の瓶内二次発酵、およびデゴルジュマンを経る通称“シャンパーニュ方式”での製法を発見・定着させたのは19世紀、ヴーヴ・クリコの功績である。よく俗説に出るドン・ペリニオンは、実際は存命時の17世紀には邪魔ものとされた泡を、いかに抑制するかに腐心したとされている。またこの地は、寒冷地ながら、ブルゴーニュよりさらに多い10.4t/haもの法定上限収量が認められている。

    Brut Nature – Blanc de Blancs
    ブリュット・ナチュール ブラン・ド・ブラン

    品種:シャルドネ100%
    植樹:1980年代
    土壌:粘土石灰質、地中は石灰質
    醸造:バリックで保管(熟成)したリザーヴ。ワインを毎年50%の比率でアッサンブラージュ。
    最良の区画のシャルドネ(樹齢約35年)によるブラン・ド・ブラン。シャルドネのミネラルとピュアな味わいを特徴とするキュヴェ。
    ¥10560

  • José Michel & Fils

    José Michel & Fils

    ジョゼ・ミシェル・エ・フィス

    フランス / シャンパーニュ

    ミシェル家はエペルネ南部のムースィ村で1847年から続くブドウ農家で、1955年から5代目にあたるジョゼ・ミシェルが責任者となり、以来、伝統手法と古典原理を堅守して長命なシャンパーニュを生産してきた。レコルタン・マニュピュランの先駆者でもあり、ピノ・ムニエの価値を世に知らしめたことは、忘れてはならない彼の功績だ。2019年11月にジョゼが亡くなり、孫のアントナン・ミシェルへと世代交代した。祖父から受け継いだ伝統を敬意を払いつつも、同世代のグローワー・シャンパーニュの生産者達から多くの影響を受けているアントナンは、バイオロジック栽培の転換や醸造設備への投資を行い、2021年の収穫をベースとするシャンパーニュからエチケットを一新。エチケットの変更はメゾンのイメージも大きく変えてしまう変化ではあるがアントナンにとっては、どうしても必要なことで、新たなジョゼ・ミシェルのシャンパーニュ造りに直往邁進する。

    コトー・シュッド・デペルネについて

    コトー・シュッド・デペルネはサブリージョン名ではなく、1996年に地域振興と同地域のシャンパーニュの認知拡大を目的に設立された生産者協会の名前。エペルネの街の南にある13の村により設立され、原産地呼称制度により定められた名称ではない。

    シャンパーニュについて

    パリの北東約150km、北緯49~50度で、近年のイギリスなどの例外的な地域を除くブドウ栽培の北限とされる寒冷な地方。年間平均気温約10.5℃。約32,900haにおよぶAOC圏は319の村、240,000の区画にまたがり、栽培農家は約19,000軒。自社瓶詰め生産者も約2,000に達するが、全生産量の約3/4は、モエ・エ・シャンドンなど大手6社が占める。地質的には中生代白亜紀後期の白亜質石灰、およびジュラ紀キメリジアン階の泥灰岩、石灰岩が中心となる。1600年代末までは非発泡ワインの産地で、現在の瓶内二次発酵、およびデゴルジュマンを経る通称“シャンパーニュ方式”での製法を発見・定着させたのは19世紀、ヴーヴ・クリコの功績である。よく俗説に出るドン・ペリニオンは、実際は存命時の17世紀には邪魔ものとされた泡を、いかに抑制するかに腐心したとされている。またこの地は、寒冷地ながら、ブルゴーニュよりさらに多い10.4t/haもの法定上限収量が認められている。

    Prémices
    プレミス

    品種:ピノ・ムニエ70%、シャルドネ30%
    植樹:1970~2000年代
    土壌:粘土・石灰質
    醸造:ステンレスタンクと木製樽で発酵。ステンレスタンクと木製樽で8ヵ月間熟成しアッサンブラージュして瓶詰。15か月以上瓶内シュール・リー熟成。リザーヴ・ワイン:30-50%

    旧ブリュット・トラディションと同格である、メゾンのエントリーレベルのシャンパーニュ。エペルネ近郊、ヴァレ・ド・ラ・マルヌからの畑のブドウを使用。細身で伸びやかな、新生シャンパーニュ・ジョゼ・ミシェルの名刺代わりのシャンパーニュ。世代交代とともに、新しいキュヴェ名とエチケットに変更。
    ¥7590

  • Guy Breton

    Guy Breton

    ギィ・ブルトン

    フランス / ブルゴーニュ

    ギィ・ブルトンは、マルセル・ラピエールに次ぎ、ボジョレで最も古くからヴァン・ナチュレルの栽培・醸造を敢行した先駆的生産者の一人。マコン近郊の醸造学校を卒業後、1985年から87年までマルセル・ラピエールの醸造アシスタントを務める。その後1988年から、祖父の畑を受け継ぎ自らの名で瓶詰めを開始。ボジョレ北部で、最も力強く長命なワインを生むと評されるモルゴン村を中心とする、計6.3haの畑でのビオロジック栽培は、1988年まで遡る。醸造時も可能な限り亜硫酸は使わない。発酵は50hlのセメントタンクが主軸。熟成はDRCの2、3年もののバリックの中で半年から1年。以後、ポリエステルタンクで6ヶ月を経る。畑で瞠目させられるのは古木の多さ。特にモルゴン・ヴィエイユ・ヴィーニュは1934年植樹の古木の区画。さらに、自らのニックネームを冠したモルゴン・プティ・マックスは、1893年から1957年植樹の古木のみから産し、26日間もの長期マセレーションも手伝って、ワインは傑出した深遠さと奥行きをたたえる。

    ブルゴーニュについて

    北端のシャブリとその周縁、偉大なグランクリュの数々を含むコート・ドール、その南に続くコート・シャロネーズ、マコネ、ボジョレまでを含む地域の総称。大規模農園が多いボルドーと異なり、ここでは農園は相続を繰り返すごとに細分化され、農家の畑の平均は約6ha。通常一つのアペラシオン名を有する区画が多くの生産者に分割所有され、その最たる例のクロ・ヴージョは約50haが90の農家に分割所有される。ラ・ターシュなどのように一つのクリュの一生産者単独所有(モノポール)は稀有な例外である。それゆえ同じアペラシオンのワインでさえ、生産者によって「悲惨な代物から、素晴らしい逸品まで」と言われるほど品質のバラツキ、不確実性が顕著。ワインの生産形態も三つに大分され、1.ネゴシアン(買いブドウ/ワイン)を集めてブレンド。2.ネゴシアン自社畑栽培・自社醸造。3.ドメーヌ(農家の自社栽培・醸造がある)。なかには、まさに魂をゆさぶる、人知を越えた名品があるとさえ思わされるが、それにたどり着くのは至難である。

    ボジョレについて

    マコンのすぐ南からリヨンまで約50km間の細長い丘陵地帯に広がる生産地。ガメイによる、一般的には新鮮でフルーティ、かつ軽やかな赤が多い。土壌は南部の粘土がちな平地と、北部の標高450m前後に達する花崗岩の丘陵に大きく分かれる。特に北部のサンタムールからブルイイにかけて広がる10村が認定された<クリュ・ボジョレワイン>と、その周縁の<ボジョレ・ヴィラージュ>は、最上の年には花崗岩とガメイとの相性を見事に表現する濃密な味わい。特に卓越した醸造家によるクリュ・ボジョレは、強烈な風味が熟成するまで数年を要し、頭のくらくらする芳醇なものもある。またこの地はフランスで最も早く亜硫酸無添加でのワイン造りを志したジュール・ショヴェと、その教え子として1980年代初頭からヴァン・ナチュレルを手がけた偉大な先駆者、マルセル・ラピエールの本拠地として、畏敬される土地でもある。

    Beaujolais Villages – Marylou
    ボジョレ・ヴィラージュ マリルー

    品種:ガメ100%
    植樹:1970年
    位置:標高350m、南東向き
    土壌:シスト、石灰質
    醸造:セメントタンクで10日間のマセレーション。セメントタンクで3ヵ月間の熟成

    愛娘マリルーの名を付けた、飲み口のとても軽やかなボジョレ。彼の所有する畑の中では、樹齢は若いほうだが、平均樹齢40年を超えている畑のブレンド。
    ¥4510
    ¥4840 (2024)

    Morgon – Vieilles Vignes
    モルゴン ヴィエイユ・ヴィーニュ

    品種:ガメ100%
    植樹:1934年
    位置:標高350m、南東向き
    土壌:岩石、シストを含む砂質
    醸造:セメントタンクで20日間マセレーション。古樽で8ヵ月間熟成

    樹齢の高いぶどうならではの複雑な味わい。タンニンはきめ細かく液体に溶け込み、長い余韻をもたらす。鴨のローストにスパイスを効かせたソースなど、黒コショウ、クローブ、ナツメグ、シナモンなどの冬らしいスパイスとの相性が良い。
    ¥6380 (2022)
    ¥6930 (2023)

    Chirouble – Cuvée Léa 2020
    シルーブル キュヴェ・レア

    品種:ガメ100%
    植樹:1950年代
    位置:標高400m
    土壌:岩石、シストを含む砂質
    醸造:セメントタンクでマセレーション。228Lと400Lの古樽で8~10ヵ月間熟成

    ボジョレのクリュの中でも最も標高の高いシルーブルの区画。近年、多くのボジョレ生産者が冷涼さを求め、この区画でのワイン造りを始めている。キュヴェ名のレア(Léa)はギィの孫娘の名前から。
    ¥6160

  • Champagne Pascal Mazet

    Champagne Pascal Mazet

    シャンパーニュ・パスカル・マゼ

    フランス / シャンパーニュ

    アンボネ地区のグランクリュと、シニ=レ・ローズ地区のプルミエ・クリュなど、計わずか2haのみの自社畑で徹底したビオロジック栽培を敢行する生産者。2013年にビオ認証を得たが、実質的なビオロジック栽培の実施は、そのはるか以前に遡る。栽培農家から自社瓶詰めへの転向は1976年。ピノ・ノワール(樹齢40年以上)、シャルドネ(樹齢50年以上)は、ともに樽発酵、樽熟成。更に、大量のリザーヴワインを、地下セラーの大樽(50hl)に保存しており、複数のヴィンテッジのブレンドによる奥行きと高貴な余韻の妙にも、天賦のアッサンブラージュ・センスが感じられる。二次発酵にはフルーリーが選別したシャンパーニュ酵母「クォーツ」を使用。右顧左眄せずに独自の深みをそなえるシャンパーニュは、現在に生きる伝統ともいうべきもの。価格高騰中のアンボネ産ブドウによるシャンパーニュとしては、例外的に慎ましい価格を維持。グランクリュの畑で真摯にビオロジック栽培を行う数少ない生産者としても、貴重な存在である。

    モンターニュ・ド・ランスについて

    シャンパーニュの中心都市ランスの、主に南側の丘陵地帯に広がるエリア。「モンターニュ」は山の意味だが、最も標高の高い場所でも海抜300m以下。土壌は白亜の石灰質土壌、およびマグネシウム豊富な褐色石灰岩が中心。シャンパーニュ地方で最も多い、9つのグラン・クリュ格の村を擁し、なかでもアンボネイとブジィは南向き斜面が中心で、豊満なピノ・ノワールの産地とされる。一方、ヴェルズネイ、ヴェルジー、マイイ・シャンパーニュなどのグラン・クリュは北向き斜面も多く、酸が多く洗練されたピノ・ノワールを生むとされる。いずれの斜面も、起伏は基本的にはなだらかで、平地に近い土地も多い。プルミエ・クリュも22地区を擁する。

    シャンパーニュについて

    パリの北東約150km、北緯49~50度で、近年のイギリスなどの例外的な地域を除くブドウ栽培の北限とされる寒冷な地方。年間平均気温約10.5℃。約32,900haにおよぶAOC圏は319の村、240,000の区画にまたがり、栽培農家は約19,000軒。自社瓶詰め生産者も約2,000に達するが、全生産量の約3/4は、モエ・エ・シャンドンなど大手6社が占める。地質的には中生代白亜紀後期の白亜質石灰、およびジュラ紀キメリジアン階の泥灰岩、石灰岩が中心となる。1600年代末までは非発泡ワインの産地で、現在の瓶内二次発酵、およびデゴルジュマンを経る通称“シャンパーニュ方式”での製法を発見・定着させたのは19世紀、ヴーヴ・クリコの功績である。よく俗説に出るドン・ペリニオンは、実際は存命時の17世紀には邪魔ものとされた泡を、いかに抑制するかに腐心したとされている。またこの地は、寒冷地ながら、ブルゴーニュよりさらに多い10.4t/haもの法定上限収量が認められている。

    Brut – Tradition Premier Cru
    ブリュット トラディション プルミエ・クリュ

    品種:ピノ・ムニエ、シャルドネ、ピノ・ノワール
    植樹:1960年代~1980年代
    醸造:プヌマティックでプレス、キュヴェの果汁のみを使う。琺瑯タンクとステンレスタンクで醸造、マロラクティック醗酵を行うシャルドネはオーク樽で澱とともに熟成。

    バランスの取れた味わいは長く続く。薄赤色の色調。リンゴや赤い果実のフルーティーな香りが際立つ。花やハチミツのようなアロマも感じる。アペリティフ、白身の肉、クリーミーな柔らかいチーズ、赤い果実に合わせて。

    Extra Brut – Unique Premier Cru (旧 Brut-Tradition)
    エクストラ・ブリュット ユニーク・プルミエ・クリュ

    品種:ピノ・ムニエ、シャルドネ、ピノ・ノワール
    植樹:1980年ごろ
    醸造:プヌマティックでプレス、キュヴェの果汁のみを使う。琺瑯タンクとステンレスタンクで醸造、マロラクティック醗酵を行う。シャルドネはオーク樽で澱とともに熟成

    畑はBrut Traditionと一緒だが、2018年以降リリースのBrut Uniqueには、2013年以降のビオロジック栽培のブドウのみを使用。ユニークとは風変わりなという意味ではなく、唯一という意味が込められている。メゾンのエントリレベルのワインではあるが、ベースとなるVTに沿った栽培と醸造、1981年のメゾン創設以来、パスカル・マゼが培ってきた経験が映し出されている。透明感のある色調。洋梨の果肉のように食欲のそそられる香り。
    ¥9460