Filippo Costa

フィリッポ・コスタ

イタリア / ヴェネト

ヴェネト州、トレヴィーゾの街から北西、アーゾロの地域でワインを造るフィリッポ・コスタは同地域の出身。高校を卒業するころからワイン造りへの興味が強くなり、農業高専へ進み、その後パドヴァ大学でも栽培と醸造学を修める。その後2017年に、家の一部をセラーとして少量ずつワイン造りを始める。栽培学と醸造学を修め、長らく醸造コンサルタントとしても働いてきたフィリッポだが目指すべきワイン造りはあくまでコンタディーノ、農民の造るワインだと考えている。
 フィリッポは自身がヴェネツィア人であるという自己認識を強く持っており、ヴェネツィア人によって見出されたコッリ・アゾラーニの丘に畑でのワイン造りにこだわっている。品種も全て土着品種のみで、畑のエリアはアーゾロ・プロセッコ(Asolo Prosecco)のエリアにあり、もしスプマンテを造ればDOCGも取得可能だが、フィリッポはあくまで“ヴェネツィア人達の愛した”この地域のスティルワインにこだわっている。

ヴェネトについて

イタリア北東部、ヴェネツィアを州都とする州。イタリアの中では平野部が多く、全面積の56.4%が平地、丘陵地帯が14.5%。ワインの生産量の面でも、常にシチリアやプーリアと共に、同国のトップ3を争う。量の面でも知名度の面でも、この州の三大重要DOCは、イタリア最大の湖、ガルダ湖からの温かい風の影響を受けるヴェローナ周辺の丘陵地帯を中心に生まれるバルドリーノ、ヴァルポリチェッラ、そしてソアヴェとなる。いずれも一時期(極少数の偉大な生産者を除き)、人気に甘えた安易な大量生産で品質が低下したり、低迷した時期もあったが最近ようやく復活しつつある。また近年では生産地を拡大し、辛口化を推し進めたDOCプロセッコの生産と輸出の急伸長も、大きな話題になっている。プロセッコは2013年にはついにシャンパーニュを、輸出量の面では追い越した(ただしDOCプロセッコの生産可能地域は、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州にまたがっている)。

Ca’ Pesaro Bianco
カ・ペーザロ・ビアンコ

品種:ビアンケッタ・トレヴィジャーナ95%、ラッビオーザ5%
植樹:2018年
位置:標高140m、南向き
土壌:石灰質の礫岩を含む粘土砂質土壌
醸造:ステンレスタンクで2日間マセレーションステンレスタンクで8~9ヵ月間熟成

カ・ペーザロとは、16世紀にヴェネツィアのペーザロ一家が住んでいた別荘の名前で、クレスピニャーガのすぐ北、アゾラーニ丘陵の麓に位置する。フィリッポは、この別荘のすぐ目の前にある畑を1ha借りて、栽培している。何世紀にもわたりこの丘陵地帯で生きてきたヴェネツィア人一族を偲んでこの名前をつけた。
¥4290 (2023)

Ca’ Pesaro Rosso (2022)

品種:レカンティーナ主体、ペーコロ・スクーロ
植樹:1960年、2018年
位置:標高140m、南向き
土壌:石灰質の礫岩を含む粘土砂質土壌
醸造:ステンレスタンクで11日間マセレーション。ステンレスタンクで16ヵ月間熟成。

カ・ペーザロとは、16世紀にヴェネツィアのペーザロ一家が住んでいた別荘の名前で、クレスピニャーガのすぐ北、アゾラーニ丘陵の麓に位置する。フィリッポは、この別荘のすぐ目の前にある、一部樹齢60年を超える古木の植わる畑を1ha借りて、栽培している。何世紀にもわたりこの丘陵地帯で生きてきたヴェネツィア人一族を偲んでこの名前をつけた。2022VTはレカンティーナ100%で醸造し、前年に比べマセレーションとタンク熟成期間を長くとった。

抽出感はそこそこあるのに、明るく優しい果実味、自然なテクスチュアで、気難しく考えずに、誰をも受け入れてくれる素朴な美味しさあり。
¥3520

La Franza Bianco
ラ・フランツァ・ビアンコ

品種:グレーラ80%、ビアンケッタ・トレヴィジャーナ15%、ラッビオーザ5%
植樹:1940年、1970年
位置:標高200m、南向き
土壌:火打石を含む赤土粘土壌
醸造:ステンレスタンクで2日間マセレーション。ダミジャーナ(54Lガラス瓶)で8~9ヵ月間熟成。

ラ・フランツァとは、トレヴィーゾの北西、クレスピニャーガという自治体にある丘の名前。1717年のヴェネツィアの登記簿台帳でも確認できる地名で、ヴェネツィア共和国のためにワインを造ってきた歴史ある土地。1980年代までは見渡す限りブドウ畑だったが、産業の発達やフラヴェシェンツァ・ドラータという虫により衰退してしまったブドウ栽培を、フィリッポは復興させようと邁進している。どの品種も、この地で昔から栽培されてきた固有品種である。
¥5720
¥6050 (2023)

San Martin
サン・マルティン

品種:レカルディーナ100%
植樹:2008年
位置:標高300-370m、南向き
土壌:コングロメラート(石灰岩の礫)が特徴の石灰質土壌
醸造:ステンレスタンクで8日間マセレーション。ステンレスタンクで1年間熟成

ラ・フランツァの畑から南西に500mほど行った小高い丘にある、斜面の急な0.6haの畑。ラ・フランツァとは異なるアーゾロ自治体に属す畑で、2022年から借り始めた。ラ・フランツァが粘土質なのに対して、より粒子の荒く、ゴロゴロとした石灰岩が特徴の、コングロメラートと呼ばれる土壌。比較的骨格はやわらかく、塩味の伴う仕上がりになる。
¥4290 (2023)

La Franza Rosso
ラ・フランツァ ロッソ

品種:レカルディーナ100%
植樹:1930年、1955年、2019年
位置:標高220m、南向き
土壌:火打石を含む赤土粘土壌
醸造:ステンレスタンクで9日間マセレーション。ダミジャーナ(54Lガラス瓶)で16ヵ月間熟成

ラ・フランツァとは、トレヴィーゾの北西、クレスピニャーガという自治体にある丘の名前。1717年のヴェネツィアの登記簿台帳でも確認できる地名で、ヴェネツィア共和国のためにワインを造ってきた歴史ある土地。1980年代までは見渡す限りブドウ畑だったが、産業の発達やフラヴェシェンツァ・ドラータという虫により衰退してしまったブドウ栽培を、フィリッポは復興させようと邁進している。自身が現在レカルディーナを栽培している唯一の生産者であると、フィリッポはいう。
¥6600(2023)

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