Domaine Richaud

ドメーヌ・リショー

フランス / ローヌ

1974年にドメーヌ創設。当時は周囲のほとんどの農家が協同組合やネゴシアンにブドウを販売していた時代に、ケランヌ地区のドメーヌの先駆となった一軒である。1990年代初頭には既に、南ローヌ最高峰の造り手の一人との評価を確立したが、さらなる品質向上を探求し、1995年前後から亜硫酸添加を抑えたワイン造りを意識。1997年、エノロゴのヤン・ロエルと出合い、以後長らくその助言を受け入れた。2001年には除草剤を完全に停止し、近年は亜硫酸添加も原則、瓶詰め時のみにとどめ、ケランヌ・ルージュについては亜硫酸無添加ver.もリリースしている。畑には1940年代、50年代植樹の貴重な古木も多数現存し、深いエキスと柔らかなテクスチャー、完璧な調和と骨格のある複雑でノーブルな味わいを生む。2009年には息子のトマ、2014年には娘のクレールが加わる。
またマルセルは今なお研究心と、向学心が旺盛で、2008年には娘と共にイタリアの自然派試飲会に出向き、テオパルド・カッペラーノとプレ・フィロキセラの樹からのワインを造りについて熱心な意見交換を行った。
リショー家では、父親のマルセルから次世代(トマとクレール)へとゆるやかに世代交代が行われており、クレールがコンセプトの中心であるキュヴェ
は、【ファミーユ・リショー】、従来のワインは【ドメーヌ・リショー】の名のもとにリリースされる。

ローヌ北部について

時に斜度60度にも達する、ローヌ河の狭い谷沿いに南北に広がる産地。主要品種はシラーとヴィオニエ。「熟成するとボルドーの卓越したワインに匹敵する、きわめて威厳あるワイン」とされ、高く評価されるコート・ロティ、エルミタージュ、コンドリュウなどを擁する。しかしその3つのAOCの栽培面積はいずれも非常に小さく、濃密・強壮さで知られるエルミタージュは約130ha(シャトー・ラフィットより少しだけ広い)ほど。コンドリュウは赤も生産するが、より高名なのはヴィオニエの白。域内に、わずか3.8haの極小AOCシャトー・グリエを内包する。近年は「高貴なエルミタージュの野性的な従兄弟」とも言われるコルナスにも注目が集まる。この地ではシラーの生産者はブルゴーニュほど石灰岩を追求せず、かわりに花崗岩を重視する。ヴァランスのすぐ南西に広がる丘陵地帯アルデッシュも、ブルゴーニュのルイ・ラトゥールなどのネゴシアンが大規模開発を行い、脚光を浴びている。

ローヌについて

リヨンのわずか35km南の街ヴィエンヌからアヴィニョンまで、南北約200kmにわたるローヌ河両岸に開く南仏の産地。エルミタージュ、コルナスなどを生む北部と、シャトーヌフ・デュ・パプ、ジゴンダスなどを生む南部に分かれる。生産量の面では、ローヌ河沿いの狭い谷の急斜面に畑が続く北部は、比較的なだらかな丘陵が続く南部に対し、わずか1/10ほどである。最もベーシックなAOCであるコート・デュ・ローヌは、北部では50村、南部では113村がその名を許される。のべ4万haの畑から生まれるそのワインの生産量はボジョレの約3倍で、ボルドーの全生産量に次ぐ。そのうち白、及びロゼは、わずか4%以下にとどまる。赤ワインの主要品種はグルナッシュで、赤の総栽培の約40%を占める。この地にブドウ栽培をもたらしたのは、紀元前4世紀頃にマルセイユの港を築いた古代ギリシャ人。その後、紀元前125年ごろ入植したローマ人が、ワイン生産を飛躍的に発展させたと言われる。

Cairanne Blanc
ケランヌ・ブラン

品種:グルナッシュ・ブラン、ルーサンヌ、ヴィオニエ、クレレット、ブールブーラン、マルサンヌ等
植樹:1990年
土壌:シレックス混じりの砂質
醸造:90%はセメントタンクで醗酵・熟成。例年約10%ブレンドされるブールブーランは600L木樽で地下カーヴにて醗酵・熟成。

典型的なコート・デュ・ローヌの白品種のブレンド。香り豊かなヴィオニエとマルサンヌ、酸の高いクレレット、複雑味と骨格を与えるグルナッシュ・ブラン、ブールブーラン、マルサンヌ。フレッシュでフローラルなだけでなく、味わい深い一本。2016年にケランヌが村名からクリュへと格上げになった。

VdF – Rosé
ロゼ

品種:サンソー主体、グルナッシュ、カリニャン、シラー、クノワーズ、ムールヴェードル等
植樹:1985年
醸造:セニエ方式(数時間~一晩のマセレーション)。セメントタンクで10ヵ月間16-22℃で低温発酵させる。

典型的なコート・デュ・ローヌの複数の赤品種をセニエで軽く色づく程度に抽出。カリンやブドウの果肉のアロマ。バランスがよくフレッシュな味わい。香りにスパイスのヒントがあるので、スパイスの効いた料理、焼いた肉や魚との相性もよい。冷やしすぎず飲むことで、ブドウの果実味もしっかり感じられる。

Côtes du Rhône – Terre d’Aigles
コート・デュ・ローヌ テール・デーグル

品種:グルナッシュ主体、シラー、ムールヴェードル、カリニャン、クノワーズ等
植樹:1950年
位置:東向き
土壌:沖積土、10000年前の氷河期の後の砂礫と泥土の残留堆積物
醸造:セメントタンク、ステンレスタンクで醗酵。10日間マセレーション。セメントタンクで熟成。

典型的なコート・デュ・ローヌの赤品種のブレンド。グルナッシュとシラーが主体。ケランヌのエリアを通過する、エーグル川(同名の町もある)からキュヴェ名を名付けた。

Cairanne Rouge 2021
ケランヌ・ルージュ

品種:グルナッシュ、ムールヴェードル、シラー、カリニャン、サンソ―、クノワーズ等
樹齢:1940年代~1980年代
土壌:砂利、地中は中新世の土壌
醸造:10日間~2週間マセレーション。グルナッシュ、ムールヴェードルは24hlフードルで、シラー、カリニャンはセメントタンクにて熟成。

複雑さを出し調和を保つため、異なる品種とテロワールをアッサンブラージュ。2016年にケランヌが村名からクリュへと格上げになった。瓶詰め時の亜硫酸添加と無添加(サン・スーフル・アジュテ)の両方のヴァージョンをリリースしている。
¥5280

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