Luis Lopes
ルイシュ・ロペシュ
ポルトガル / バイラーダ

醸造家ルイシュ・ロペシュはポルトガルで醸造学を修めたのち、ブルゴーニュ、ニュージーランド、ドイツで醸造家として働き、2006年にポルトガルへ帰国しました。帰国後はダォン地方のキンタ・ダ・ペラーダで醸造責任者として働き(2006~2017年)、アントニオ・マデイラ氏の元でも醸造コンサルタントとして勤務している。
ルイシュは伝統と先進技術の共存するブルゴーニュや、世界のワイン市場でクオリティーワインとして認知の広がるニューワールドでも醸造経験を積んだ。クラシック/モダン/ナチュラルなどワインのスタイルによらず、こよなくワインを愛するルイシュだが、フランスにいた頃の忘れられない経験の一つはピエール・オヴェルノワとのディスカッションだった。醸造中の亜硫酸の是非について、とことんまで質問を投げかけたという。
2022年現在、ダン地方のアントニオ・マデイラ氏の元で醸造コンサルタントとして働きつつ、買いブドウで、自身のワイン造りをしている。友人のワイナリーを間借りして、コンサルタント業の合間を縫ってのワイン造りなので、初VTから2021年VTまでの毎年の生産量は1000本以下。そんな彼の2013年のワインを、2019年にパリのポルトガルワインバーでラシーヌの開発ティームが飲み、彼にメッセージを送ったことから、ルイシュとのやり取りが始まったのだが、彼にとってはあまりにも思いがけず、嬉しいことだったそうで、彼自身の生産が本格的に始まるまでは、ほとんどの生産ワインを日本に向けて出す、とまで言ってくれた。
人柄もさることながら、醸造センスとワインへの見識の深さから、他の生産者からも「彼はナショナルスターだ」と高く評価されていて、これからのポルトガルワインシーンにおいて重要人物になることは、間違いない。
Moreish Tinto 2021
モーリッシュ・ティント
品種:カシュテラォン・ナシオナル80%、トリンカデイラ・プレタ20%
よく抽出され内容豊富な果汁の味わい、テクスチュアも自然に口に溶け込むようなやわらかさ。赤系果実と乳系の印象も少し感じられた。
Moreish Branco
モーリッシュ・ブランコ
品種:ビカル、マリア・ゴメシュ
植樹:1980年代
位置:東・西向き斜面
土壌:粘土質、石灰質
醸造:ステンレスタンクで約3週間醗酵、マセレーションはしない。ステンレスタンクで約8ヵ月間熟成。
モーリッシュとは英語でMore+ish、「つぎつぎと杯が進む、もっとほしくなる」といった意味。本人は自分のワインをglou glou(仏語で“ごくごく”と喉の鳴る音)なワインだというが、上品な果実味と、白い花、アーモンドの余韻が長く続く、品位を感じるワイン。
ペリクラール(マリア・ゴメシュ)を単一醸造する年は、ビカルのみで醸造、そのほかの年はビカルとマリア・ゴメシュをブレンドしてリリースされる。
芯のある果実味と、自然な果汁の甘さに伴う旨味・酸・ミネラリティ―が一体となって弾けるような快さあり(2021)。
Moreish Común 2019
モーリッシュ・コムン
品種:ガルナッチャ・コムン
植樹:2016年~2017年
土壌:粘土質、石灰質
醸造:コンクリートタンクで醗酵。600Lのフレンチオーク樽で熟成。
ルイシュがスペイン・エストレマドゥーラ州で手掛けるプロジェクト。ボデガス・パラシオ・ケマードの所有する畑に新しく植えたガルナッチャ・コムンでの醸造。以前このプロジェクトを担っていたエンビナーテから、ルイシュが引き継いで醸造した。エチケットのデザインはVTにより異なる。
シンプルだが雑味なく澄み渡り、喜びの感覚をもたらしてくれる、素直で良い果実味が香りからも味わいからも感じられる。
¥5720
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