Salvatore Molettieri
サルヴァトーレ・モレッティエーリ
イタリア / カンパーニャ

敬意と共に「南のバローロ」と称賛される、カンパーニャ州DOCGの帝王格、タウラージの生産者。ナポリから東に約50kmの内陸で、人を拒絶するかのような急峻な山岳地帯、アヴェリーノ県に広がるタウラージDOCG。その中でも歴史的に最上と畏敬される2つの区画のうちの一つ、モンテマラーノの土壌が育むアリアニコが生産の中心。火山性土壌と、石灰質土壌の混在する地域で、区画やブドウの樹齢の違いによる、根の張り方によって、ワインの性格は大きく変わる。サルヴァトーレ・モレッティエーリがこの地を取得したのは1983年。生産する赤ワインは全て同区画(チンクエ・クエルチェ)のアリアニコ100%だが、樹齢の差によりタウラージ・リセルヴァからIGTイルピーニャ・アリアニコまでを区分する。タウラージは、イタリア南部随一の高貴品種アリアニコの傑作であるが、高い酸と多量のフェノール類、エキス分を持ち、リリース直後は近寄りがたいほどの厳格さを持つ。しかし10年近くの熟成により、バラのドライフラワーなど、華麗で官能的なアロマと、深遠かつ長大な余韻という、古典的アリアニコの偉大な特性を見事に表現する。
カンパーニャについて
南イタリアの中心州。州都は活火山ヴェスヴィウス山を臨むナポリ。このヴェスヴィウス山などがもたらした火山性土壌が古来より卓越したワインを育む要素とされた。特に古代ローマ人はファレルヌム、アッヴェリーノといったこの地のワインを讃えていた。1993年、南イタリアで最初のDOCGとなったワイン、タウラージも州内陸の急峻な山地、アッヴェリーノ県の産。同県は、際立って格調高い酸とミネラルを持つ二種の白のDOCG、フィアーノ・ディ・アッヴェリーノ、グレーコ・ディ・トゥーフォも産し、こちらも見逃せない。またこの州は、明快な個性を持つ固有品種のヴァリエーションでも注目すべき州。南イタリア・赤品種の王様格で、タウラージを生むアリアニコ以外にもビアンコレッラ(Biancolella)、ファランギーナ、ピエーディロッソ(Piedirosso)、パラグレッロ・ネーロ、グラニャーノなど。多彩で特徴的な品種への着眼と研究が進み、さらなる活況を州のワインに加えている。
Greco di Tufo
グレコ・ディ・トゥーフォ
品種:グレコ100%
植樹:2000年代
位置:標高550-600m、南西向き
土壌:火山性粘土質
醸造 マセレーションなし ステンレスタンクで醗酵 ステンレスタンクで12ヵ月間熟成
杏を思わせるグレコ種の香り。火山性 土壌由来のややスモーキーなニュアン ス。複雑で、味わいもしっかりとして いるが、モレッティエーリは限りなく エレガントに仕上げる。
¥3850 (2023)
¥3740 (2022)
Irpinia Aglianico – Cinque Querce 2020
イルピーニア・アリアニコ チンクエ・クエルチェ
品種:アリアニコ100%
植樹:2000年
位置:標高500-600m、南東向き
土壌:粘土石灰質
醸造 ステンレスタンクで醗酵 バリックと大樽で24ヵ月間熟成
透明感のあるルビー。チェリーのよう な可愛らしさを持ちつつも深い果実 香、豊富なタンニン、充実した酸を連 想する、重層性ある香り。香り通りの どっしり構えた味筋なのに非常に重心 が高く、冷ややかさすらも感じる事が できるのは、標高500mを超える畑の 環境のおかげか。
¥3740
Fiano di Avellino Apianum 2023
フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ アピアヌム 2023
品種:フィアーノ100%
植樹:2000年代
位置:標高500-550m、南東向き
土壌:粘土石灰質
醸造:マセレーションなし。ステンレスタンクで醗酵。ステンレスタンクで12ヵ月間熟成。
アピアヌムの区画に植えられるフィアーノ。光沢のあるイエロー。アロマティックで青リンゴや生のアーモンドが香る。新鮮な果実味をストレートに出しており、酸は高くレモンのようなシャープが特徴だが、抜栓後には美しく変化(調和)していく。
¥3850
Taurasi Riserva – Vigna Cinque Querce 2016
タウラージ ヴィーニャ・チンクエ・クエルチェ
品種:アリアニコ100%
植樹:1997年
位置:標高550-600m、南東向き
土壌:粘土石灰質
醸造:ステンレスタンクで醗酵。バリックと大樽で48ヵ月間熟成。
熟成ポテンシャルの非常に高いワイン。威風堂々と言った様子で、派手過ぎない樽香も、長期の樽熟成と瓶熟成により、リリース前にはブドウの香りと一体になっている。
¥10340
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