Alain Renardat-Fache

アラン・ルナルダ=ファッシュ

フランス / サヴォワ

ビュジェ・セルドン、すなわちガメとプルサールによる、サヴォワ地方の伝統的ロゼ・スパークリングの名手。通常、40g/L前後糖分を残した、ほのかな甘口となる。現当主、エリー・ルナルダ=ファッシュは、この地方で8世代続くドメーヌを継承。それ以前に1996年、ボーヌの醸造学校を修了し、ブルゴーニュとアルザスで研修。2008年からは所有する約12.8haの畑全てをビオロジックに転換し、エコセールの認証も得た。粘土石灰質豊富な畑には、樹齢50年前後の古木も多数現存。「可能な限り介入しない醸造」を標榜し、補糖や酵母添加は無縁。発泡は、発酵途中で残糖ある果汁を王冠で瓶に密閉するメトード・アンセストラル方式。澱引きも、瓶から瓶へワインを静かに移す方法をとる。亜硫酸総添加量もわずか30~50mg/L。そうして生まれる細やかでクリーミーな泡立ちと、フランボワーズの香り、優しい甘みを引き締める整った酸は6~8℃の温度帯で最も心地よく花開く。

サヴォワについて

スイス、イタリアと国境を接し、ヨーロッパ最高峰のモン・ブラン(標高4,810m)を擁する、オート・サヴォワ県の周辺に広がる産地。ワインは約7割近くが白である。特徴的なのは石灰岩土壌と豊富な固有品種。収量を制限すればスパイシーな赤ワインとなるモンドゥーズ、エトゥレール(Étraire)、白ブドウのアルテス(=ルーセット)、ジャケール、グランジェ(Gringet)などがその個性を開花させる。特にアルテス(「殿下」という意味に、地元のこのブドウへの敬意がにじむ)は、ジャンシス・ロビンソン曰く「エキゾチックな香りと、十分な酸を持ち長熟に耐える、(中略)この地方で最もエキサイティングな白ワインを生む」品種。また、このブドウは、キプロス原産でローヌのルーサンヌと同一であるという学説もあり、未だ論争が続いている。シャルドネ、ガメイ、ピノ・ノワールもトップ生産者の手にかかると目覚ましい表現力を発揮、見逃せない。

Bugey Cerdon methode ancestrale NV (Alain)
ビュジェ・セルドン メトード・アンセストラル

品種:ガメ主体、プールサール
植樹:1995年
位置:南向き
土壌:粘土石灰質
醸造:ステンレスタンクで発酵。木樽(228L)で9ヵ月間熟成。

ビュジェ・セルドンは収穫をしてその年のうちには瓶詰めをし、寒い冬を越すとともに、出来上がるワイン。爽やかな甘みと酸味、鮮やかなピンクの色合いが優しく春を告げる。
¥4290

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