Badalucco de la Iglesia Garcia
バダルッコ・デ・ラ・イグレシア・ガルシア
イタリア / シチリア

パレルモで生まれ育った、ピエルパオロ・バダルッコはマルサラに隣接する、ペトロジーノ村の生まれ。マルサラの工業化の波にさらされ、小規模での生産をあきらめた、ピエルパオロの祖父は、彼の両親に街での生活を勧めた。しかし休みのたびに祖父のもとへ行き、ブドウ畑で作業を手伝っていたことが、ピエルパオロの原風景を形作った。2001年に、ワイナリーを立ち上げ、スティルワインを造りながら、2012年、マルサラの原型(マルサラ・プレ・ブリティッシュ)となる、酒精強化ナシのグリッロの熟成を始める。「ヴィナイオーロが語るべきは歴史、風景、ブドウ畑のみだ。自分を語ってはいけない。」と祖父の遺した言葉を信条にワイン造りをしている。また、祖父と同時代に生き、そして不屈の精神でワインを造り続けたマルコ・デ・バルトリへは、最大限の敬意を抱いている。マルサラという地域、グリッロという稀有な性質を持った品種、その品種の個性を活かした栽培と熟成、それを見いだし受け継いできた人の手によって、マルサラ・プレ・ブリティッシュは生まれる。
《メインラベルについて》
Pipa(ピパ)とはマルサラやペトロジーノで歴史的に使われてきた、416リットル前後の容量の木製樽のことで、ピパで醗酵・熟成され、ピパ単位で売り買いもされてきた。その樽を3/4まで満たした状態が、酸化熟成に最適とされている。
《デカロゴ・ディ・イングハムによる、最良なマルサラ酒を造る方法》
1、古木のグリッロ種の糖度と酸度の最も高い数値でバランスのとれる、皮がオレンジ色のときに収穫する。
2、破砕、圧搾は足でおこなう。
3、マセレーションと醗酵は木樽でおこなう。
4、熟成はピパでおこなうこと。通常5年~6年からそれ以上。
5、熟成中のピパは3/4までしか満たさない。
シチリアについて
東西約300km(トリノ~フィレンツェ間とほぼ同距離)、南北約180kmに渡って広がる地中海最大の島。最南端はチュニジアの首都チュニスより緯度が南となり多くの地域は非常に乾燥する。東部に標高3,329mの活火山エトナ山、中南部に真っ白な石灰岩が海岸に露出するカルタニセッタ、赤い酸化鉄を含んだ土壌が散在するラグーザなど極めて多彩なテロワールを持つ。かつてはヨーロッパ最大のバルクワイン供給地の一つだったが、1990年代後半以降は品質志向のワイナリーが出現、2000年以降はいわゆる国際的スタイルからの脱却も少しづづ進んでいる。またこの島は固有品種の宝庫とも言われ、黒ブドウでは重厚なネロ・ダーヴォラ、繊細でフローラル、かつ高い酸のネレッロ・マスカレーゼ、フラッパートほか。白ブドウではグリッロ、カッリカンテ、カタラットなどに世界から特に注目が集まっている。現在はイタリア内外の有名生産者が、シチリアはエトナの山麗に畑を求めるブームが活火山のように燃えさかっている最中である。
1° Passaggio 2023
プリモ・パッサッジョ
品種:グリッロ主体
植樹:1974~1995年
位置:海抜0m、北東
土壌:土壌成分豊かな赤土
醸造:木製およびステンレスの発酵槽で、約6日間のマセレーションフレンチオーク樽/栗樽で6~24ヵ月間の熟成。
プレ・ブリティッシュ用の歴史的区画でその年最初に収穫したグリッロのブドウ果汁を、ベースとなる収穫年にそれ以前の収穫年(1~5年ほど前)のワインを1割ほどブレンド。カタラットもわずかに入ることがある。ピパの弟分といった立ち位置のワインで、抜栓後放置しておくとグリッロという品種の酸化熟成能力の高さに驚かされる。比較的短いマセレーション期間に比べ、タンニンの抽出はしっかり味わいに感じられ、色も濃い。2022VTベースより、名称を「3/4 di Litro」から「プリモ・パッサッジョ(=1周目)」に変更してリリース。
¥3850
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