Champagne Pascal Mazet

シャンパーニュ・パスカル・マゼ

フランス / シャンパーニュ

アンボネ地区のグランクリュと、シニ=レ・ローズ地区のプルミエ・クリュなど、計わずか2haのみの自社畑で徹底したビオロジック栽培を敢行する生産者。2013年にビオ認証を得たが、実質的なビオロジック栽培の実施は、そのはるか以前に遡る。栽培農家から自社瓶詰めへの転向は1976年。ピノ・ノワール(樹齢40年以上)、シャルドネ(樹齢50年以上)は、ともに樽発酵、樽熟成。更に、大量のリザーヴワインを、地下セラーの大樽(50hl)に保存しており、複数のヴィンテッジのブレンドによる奥行きと高貴な余韻の妙にも、天賦のアッサンブラージュ・センスが感じられる。二次発酵にはフルーリーが選別したシャンパーニュ酵母「クォーツ」を使用。右顧左眄せずに独自の深みをそなえるシャンパーニュは、現在に生きる伝統ともいうべきもの。価格高騰中のアンボネ産ブドウによるシャンパーニュとしては、例外的に慎ましい価格を維持。グランクリュの畑で真摯にビオロジック栽培を行う数少ない生産者としても、貴重な存在である。

モンターニュ・ド・ランスについて

シャンパーニュの中心都市ランスの、主に南側の丘陵地帯に広がるエリア。「モンターニュ」は山の意味だが、最も標高の高い場所でも海抜300m以下。土壌は白亜の石灰質土壌、およびマグネシウム豊富な褐色石灰岩が中心。シャンパーニュ地方で最も多い、9つのグラン・クリュ格の村を擁し、なかでもアンボネイとブジィは南向き斜面が中心で、豊満なピノ・ノワールの産地とされる。一方、ヴェルズネイ、ヴェルジー、マイイ・シャンパーニュなどのグラン・クリュは北向き斜面も多く、酸が多く洗練されたピノ・ノワールを生むとされる。いずれの斜面も、起伏は基本的にはなだらかで、平地に近い土地も多い。プルミエ・クリュも22地区を擁する。

シャンパーニュについて

パリの北東約150km、北緯49~50度で、近年のイギリスなどの例外的な地域を除くブドウ栽培の北限とされる寒冷な地方。年間平均気温約10.5℃。約32,900haにおよぶAOC圏は319の村、240,000の区画にまたがり、栽培農家は約19,000軒。自社瓶詰め生産者も約2,000に達するが、全生産量の約3/4は、モエ・エ・シャンドンなど大手6社が占める。地質的には中生代白亜紀後期の白亜質石灰、およびジュラ紀キメリジアン階の泥灰岩、石灰岩が中心となる。1600年代末までは非発泡ワインの産地で、現在の瓶内二次発酵、およびデゴルジュマンを経る通称“シャンパーニュ方式”での製法を発見・定着させたのは19世紀、ヴーヴ・クリコの功績である。よく俗説に出るドン・ペリニオンは、実際は存命時の17世紀には邪魔ものとされた泡を、いかに抑制するかに腐心したとされている。またこの地は、寒冷地ながら、ブルゴーニュよりさらに多い10.4t/haもの法定上限収量が認められている。

Brut – Tradition Premier Cru
ブリュット トラディション プルミエ・クリュ

品種:ピノ・ムニエ、シャルドネ、ピノ・ノワール
植樹:1960年代~1980年代
醸造:プヌマティックでプレス、キュヴェの果汁のみを使う。琺瑯タンクとステンレスタンクで醸造、マロラクティック醗酵を行うシャルドネはオーク樽で澱とともに熟成。

バランスの取れた味わいは長く続く。薄赤色の色調。リンゴや赤い果実のフルーティーな香りが際立つ。花やハチミツのようなアロマも感じる。アペリティフ、白身の肉、クリーミーな柔らかいチーズ、赤い果実に合わせて。

Extra Brut – Unique Premier Cru (旧 Brut-Tradition)
エクストラ・ブリュット ユニーク・プルミエ・クリュ

品種:ピノ・ムニエ、シャルドネ、ピノ・ノワール
植樹:1980年ごろ
醸造:プヌマティックでプレス、キュヴェの果汁のみを使う。琺瑯タンクとステンレスタンクで醸造、マロラクティック醗酵を行う。シャルドネはオーク樽で澱とともに熟成

畑はBrut Traditionと一緒だが、2018年以降リリースのBrut Uniqueには、2013年以降のビオロジック栽培のブドウのみを使用。ユニークとは風変わりなという意味ではなく、唯一という意味が込められている。メゾンのエントリレベルのワインではあるが、ベースとなるVTに沿った栽培と醸造、1981年のメゾン創設以来、パスカル・マゼが培ってきた経験が映し出されている。透明感のある色調。洋梨の果肉のように食欲のそそられる香り。
¥9460

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