Defio wine

デフィオ・ワイン

ポルトガル / リシュボア / バイラーダ

デフィオ・ワインはポルトガルでワインのマーケティング会社を経営するアナ・ソフィア・デ・ソウザ・オリヴェイラと、著名生産者の輸出マネージャーだったサラ・ロドリゲシュ・エ・マトシュが立ち上げたワイン・プロジェクト。デフィオはエスペラント語で「挑戦」を意味する。醸造所もブドウ畑も持っていなくても、自分たちのワインを造ることは不可能ではないはずとチャレンジを決め、プロジェクトをデフィオと名付けた。
二人はバイラーダのルイシュ・パトと9年仕事をしていたこともあり、缶ワインだからと言って中身に妥協はせず、自分たち自身が本当に飲みたい高品質でナチュラルなワインを製品にしたかった。プロジェクトを立ち上げる際、ポルトガルの多くの若手醸造家達から尊敬を集めている醸造家ディルク・ニーポートに相談。彼は最初は懐疑的だったが、最後には熱意が伝わり「やりたいようにやりなさい」と言ってくれたそうだ。
アナとサラの最初のワインは、アルコール濃度は11%のクラレット・スタイルの明るい色をしたバガの赤ワイン。それはディルクが提唱するコンセプト「ナット・クール」、つまり低アルコール、低抽出、オーセンティックで気張らず、気軽に飲めるスタイルのワイン。次に造ったのはフェルナォン・ピレシュとアリントを果皮と一緒に発酵して、樽熟成したアルヴァリーニョを少しブレンドしたワイン。ジューシーな辛口で生き生きとしたタンニンの、余韻の長いオレンジワインで、醸造を手掛けたのはどちらもトップクラスの醸造家(赤はニーポートのセルジオ・シルヴァ、白はエシュペラ・ワインズのロドリゴ・マルティンシュ)。

リシュボアについて

このユーラシア大陸最西端のワイン生産地域は、「エストレマドゥーラ」とながらく呼ばれていたが、2010年にワイン生産地域が再編成されて「リシュボア」と改称され、9つのDOCに分かれている。協同組合が大規模にワインを生産する、テーブルワインの生産量も多い地域で、収穫量の多い品種が植えられやすい傾向にある。しかし内陸方面へ20km入れば標高300mに達し、寒暖差が大きく、絶えず風が吹き、キンメリジャンなどの粘土石灰土壌もありと、良いワインが生産される条件が整っていると言える。白品種のアリントとフェルナォン・ピレシュ、赤品種のマルセラン、カシュテラォン、トゥリガ・ナシオナルなど、多くの地品種が栽培されている地域で、伝統的には混植混醸されてきたが、シングルバラエティやシングル・ヴィンヤード産のワインも数多く生まれている。ポルトガルの中でも比較的雨が多い地域のため、白ワインも赤ワインも酸味と鉱物感を基調としたすっきりとした味わいのワインが造られやすく、これからも興味深い造り手の出現が期待できる地域。

ポルトガルについて

ポルトガルは大西洋、山脈や河川により地理的に隣国スペインから隔てられ、1986年にEUに加盟するまでは政治的にも孤立していた。そのため長い間イギリス向きに出荷されてきた、ポートワインやマデイラ酒を除くと、ポルトガルワインへの関心は市場でも高いとは言えなかった。しかしそれゆえ隠れたブドウ栽培地域や地品種の古樹が数多く残り、それらの要素への関心が世界的に高まる中で、2010年代頃からダイナミックな変化が起こっている。  ポルトガルが広くない国土にもかかわらず、多様な地形と土壌、ワイン文化を持つことは、ポートワインとヴィーニョ・ヴェルデという性質が相反するまったく別種のワインが、しかも隣接する地域から生産されることからも、良くわかる。それらの下地と、海外などで経験を積んだ若い造り手たちの熱意が、現在のポルトガルワインの原動力となっていると言えるだろう。
とかく情報過多に陥りがちな現在、ポルトガルには魚介類を使った素朴な料理が多く、その料理と合わせて飲まれてきたポルトガルワインは、一般に気取った味わいを感じさせないので、難しく考えずに飲んでいただきたい。

Defio Pelicula Branco 2021
デフィオ・ペリクラ・ブランコ

品種:フェルナォン・ピレシュ、アリント、アルヴァリーニョ
植樹:2017年頃
土壌:白亜質土壌
醸造:フェルナォン・ピレシュとアリントを合わせて約17日間マセレーション発
酵、その後圧搾フレンチオーク樽で7ヵ月間熟成したアルヴァリーニョを最後に数パーセントブレンドする

エシュペラ・ワインズのロドリゴ・マルティンシュが醸造を担当。畑はリシュボアのサブリージョン、オビドシュに位置している。ペリクラは果皮を意味し、スキンコンタクトを行っていることを示している。10-12℃ほどで飲むのがおすすめ。
250ml
¥1540

Defio Baga Clarete 2021
デフィオ・バガ・クラレテ

品種:バガ100%
植樹:1970年代
位置:標高50m
土壌:石灰岩土壌に粘土が混じる
醸造:除梗後、ステンレスタンクでマセレーション醗酵。ステンレスタンクで熟成。

キンタ・ダ・バイショ(ニーポート傘下のワイナリー)のセルジオ・シルヴァが醸造を担当。畑はバイラーダのコルヂーニャというエリアに位置する。果皮の漬け込みは約1日程で抽出を抑え、色が明るく淡い赤ワイン(Clarete)に仕上げた。
250ml
¥1540

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