Domaine Dandelion

ドメーヌ・ダンドリオン

フランス / ブルゴーニュ

ブルゴーニュでは貴重な、亜硫酸無添加ピノ・ノワールを生む生産者。オート・コートの農家に生まれ、アニェス・パケのほかオーストラリアのスモール・フライなどのナチュラルワイン生産者で経験を積んだモルガーヌ・スイヨと、オーストラリア人でバス・フィリップの後、シャンドン・ド・ブリアイユで醸造責任者を務めたクリスチャン・ノットの二人組が、2016年にドメーヌをスタート。実作業はモルガーヌが担うが、畑はオート・コート・ド・ボーヌの標高350m前後の南向き斜面で、牡蠣の化石を多く含む石灰粘土質。耕作は馬で行う。セメントタンクでの醸造時、約3週間かけるマセレーション時はできるだけブドウにふれず、軽くバケツでルモンタージュを行うのみ。終盤にのみ、足でピジャージュを行う。また、ラベルは手漉き紙に手書きで一枚一枚ドメーヌ名とワイン名を記入。クロージャーはガラス栓を蝋封するなど、ワインは細部まで美意識が行き届く。冷涼感あるミネラリーなピノ・ノワール以外に、ガメイ、アリゴテも生産するが、販売するほどの収穫量はまだない。

オート・コート・ド・ボーヌについて

コート・ド・ボーヌの丘の、西側の後背地にあたり、少し高地となる標高280~450m間に広がるエリア。日照に恵まれる渓谷の南または西向き斜面を中心にブドウ栽培が行われるため、赤とロゼで約673ha,白で約131haの限られた栽培面積となる。土壌は、特にエリア南部では石灰粘土質。一部はバジョシアン期の崖の崩落による石灰岩に覆われた畑もある。(コート・ド・ボーヌ圏から生まれるコート・ド・ボーヌ=ヴィラージュ、コート・ド・ボーヌ等のアペラシオンとは、畑の場所が別となることに注意)。19世紀の文豪アレクサンドル・デュマは「オート・コート・ド・ボーヌの谷ほど、心に刻まれる風景が広がる地は他にない」と記している。このエリアも、近年の温暖化が追い風となり、優良生産者のワインには、価格に対する品質の卓越性に注目が高まっている。

ブルゴーニュについて

北端のシャブリとその周縁、偉大なグランクリュの数々を含むコート・ドール、その南に続くコート・シャロネーズ、マコネ、ボジョレまでを含む地域の総称。大規模農園が多いボルドーと異なり、ここでは農園は相続を繰り返すごとに細分化され、農家の畑の平均は約6ha。通常一つのアペラシオン名を有する区画が多くの生産者に分割所有され、その最たる例のクロ・ヴージョは約50haが90の農家に分割所有される。ラ・ターシュなどのように一つのクリュの一生産者単独所有(モノポール)は稀有な例外である。それゆえ同じアペラシオンのワインでさえ、生産者によって「悲惨な代物から、素晴らしい逸品まで」と言われるほど品質のバラツキ、不確実性が顕著。ワインの生産形態も三つに大分され、1.ネゴシアン(買いブドウ/ワイン)を集めてブレンド。2.ネゴシアン自社畑栽培・自社醸造。3.ドメーヌ(農家の自社栽培・醸造がある)。なかには、まさに魂をゆさぶる、人知を越えた名品があるとさえ思わされるが、それにたどり着くのは至難である。

Cidre
シードル

品種:20種類以上のリンゴ
醸造:収穫後に追熟のためカーヴで貯蔵。破砕後小さなプヌマティックプレスで搾汁し、樽で発酵。春に適度な糖度になったところで瓶詰めし、瓶内で醗酵を続ける。

全てブルゴーニュ産の買いリンゴで、多くはシャブリの栽培家から購入している。残糖を残すタイプではなく、ややドライなあと味。デゴルジュマンせず、ノンフィルターで瓶詰めするため、少し濁りのあるシードル。

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