Gérard Marula

ジェラール・マリュラ

フランス / ロワール

シノン近郊、ティゼ村外れに残る、ロワール川沿い西部でよくみられる、岩壁をくり抜いて設けられた原始的な横穴でワイン造りを行う。当主ジェラール・マリュラはロワールの醸造学校創業後、アンジュ自然派の先駆の一人ジョー・ピトンで研修。その後2004~2013年までロワールの老舗メゾン、シャトー・ド・クーレーヌで働く。その仕事と並行して、自身のドメーヌを2005年に立ち上げた。当初0.45haからスタートした畑は、現在は1950年植樹の古木カベルネ・フランの区画を含む3.2haにまで拡張。亜硫酸無添加で醸造しているが、そのワインには、ロワールのカベルネ・フランの格調高さと気品、素朴と野趣がないまぜになり、目覚ましい滋味は感動的。シノンが生んだ偉大な文豪フランソワ・ラブレーがもし口にすれば必ずや絶賛し、巨人ガルガンチュア(ラブレー代表作の主人公)にきっと何本も飲み干させたであろう味わいである。年産10,000本前後。

ロワールについて

大西洋岸に注ぐフランス最長の河(1,000km)の両岸に続く産地。「フランスの庭園」と呼ばれ、河沿いにかつての王侯貴族の壮麗な古城が多数点在する景観は、世界遺産にも登録されている。この地方はブドウ栽培の北限に近く、ワインは比較的酸が高い。ワインの名称と、それに含まれるワインの関係はかなり込み入っており、例えばソーミュール、アンジュなどの呼称は赤、白、ロゼのどれにも適応され、同じ呼称の中でブドウの品種も甘さの度合いも様々であることが、消費者を戸惑わせることが多い。ともあれ「このエリアはフランスで最も多様で、かつ軽んじられてきた産地。軽く、爽快で、はっきりとした酸味を持ち、昔から魅力的と言われているエリアなのに、現代のワイン消費者は、重さと強さに取り憑かれているため、ロワールは、正当な評価を受けていない」とジャンシス・ロビンソンは喝破する。ロワール河河口から上流に向かって、ペイ・ナンテ地区、アンジュー・ソーミュール地区、トゥーレーヌ地区、ロワール上流地区の、大きく4つのエリアに区分される。

VdF – Les Gruches 2021
レ・グリュッシュ

品種:カベルネ・フラン
植樹:1989年
位置:標高70m、南向き
土壌:フリント(火打石) 粘土
醸造:28日間のマセレーション。木樽で15ヵ月間の熟成。

キュヴェ名は畑の区画に由来。
¥5720

VdF – Baconnelle 2021
バッコネル

品種:カベルネ・フラン
植樹:1989年~2002年
位置:標高80m、南向き
土壌:砂質
醸造:21日間のマセレーション

この畑のある区画の、昔からの呼び名をキュヴェ名として付けた。
¥5280

VdF – Allegro 2021
アレグロ

品種:グロロ・ノワール
植樹:1991年
位置:標高50m
土壌:粘土石灰質
醸造:ファイバータンクで3週間マセレーション。木樽で熟成。

買いブドウで醸造。
キュヴェ名の由来:第一にAllegroはgrolleauのほぼ完璧な頭文字で、「U」だけが欠けている。第二に、音楽では軽快でしなやかな演奏を意味し、第三に喜びを意味する。このワインはおそらく喜びを呼び起こすだろうと考えて名付けた。
¥4400

VdF – Ange 2021
アンジュ

品種:シュナン・ブラン
植樹:1989年、1915~1935年
位置:標高60m、北西、南東
土壌:粘土石灰質、粘土・シレックス
醸造:バリックで6ヵ月間アルコール醗酵。バリックで18ヵ月間熟成。

妻、子供たち、そして自分の名前の頭文字を取って名付けた。
¥5500

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