Guy Breton
ギィ・ブルトン
フランス / ブルゴーニュ

ギィ・ブルトンは、マルセル・ラピエールに次ぎ、ボジョレで最も古くからヴァン・ナチュレルの栽培・醸造を敢行した先駆的生産者の一人。マコン近郊の醸造学校を卒業後、1985年から87年までマルセル・ラピエールの醸造アシスタントを務める。その後1988年から、祖父の畑を受け継ぎ自らの名で瓶詰めを開始。ボジョレ北部で、最も力強く長命なワインを生むと評されるモルゴン村を中心とする、計6.3haの畑でのビオロジック栽培は、1988年まで遡る。醸造時も可能な限り亜硫酸は使わない。発酵は50hlのセメントタンクが主軸。熟成はDRCの2、3年もののバリックの中で半年から1年。以後、ポリエステルタンクで6ヶ月を経る。畑で瞠目させられるのは古木の多さ。特にモルゴン・ヴィエイユ・ヴィーニュは1934年植樹の古木の区画。さらに、自らのニックネームを冠したモルゴン・プティ・マックスは、1893年から1957年植樹の古木のみから産し、26日間もの長期マセレーションも手伝って、ワインは傑出した深遠さと奥行きをたたえる。
ブルゴーニュについて
北端のシャブリとその周縁、偉大なグランクリュの数々を含むコート・ドール、その南に続くコート・シャロネーズ、マコネ、ボジョレまでを含む地域の総称。大規模農園が多いボルドーと異なり、ここでは農園は相続を繰り返すごとに細分化され、農家の畑の平均は約6ha。通常一つのアペラシオン名を有する区画が多くの生産者に分割所有され、その最たる例のクロ・ヴージョは約50haが90の農家に分割所有される。ラ・ターシュなどのように一つのクリュの一生産者単独所有(モノポール)は稀有な例外である。それゆえ同じアペラシオンのワインでさえ、生産者によって「悲惨な代物から、素晴らしい逸品まで」と言われるほど品質のバラツキ、不確実性が顕著。ワインの生産形態も三つに大分され、1.ネゴシアン(買いブドウ/ワイン)を集めてブレンド。2.ネゴシアン自社畑栽培・自社醸造。3.ドメーヌ(農家の自社栽培・醸造がある)。なかには、まさに魂をゆさぶる、人知を越えた名品があるとさえ思わされるが、それにたどり着くのは至難である。
ボジョレについて
マコンのすぐ南からリヨンまで約50km間の細長い丘陵地帯に広がる生産地。ガメイによる、一般的には新鮮でフルーティ、かつ軽やかな赤が多い。土壌は南部の粘土がちな平地と、北部の標高450m前後に達する花崗岩の丘陵に大きく分かれる。特に北部のサンタムールからブルイイにかけて広がる10村が認定された<クリュ・ボジョレワイン>と、その周縁の<ボジョレ・ヴィラージュ>は、最上の年には花崗岩とガメイとの相性を見事に表現する濃密な味わい。特に卓越した醸造家によるクリュ・ボジョレは、強烈な風味が熟成するまで数年を要し、頭のくらくらする芳醇なものもある。またこの地はフランスで最も早く亜硫酸無添加でのワイン造りを志したジュール・ショヴェと、その教え子として1980年代初頭からヴァン・ナチュレルを手がけた偉大な先駆者、マルセル・ラピエールの本拠地として、畏敬される土地でもある。
Beaujolais Villages – Marylou
ボジョレ・ヴィラージュ マリルー
品種:ガメ100%
植樹:1970年
位置:標高350m、南東向き
土壌:シスト、石灰質
醸造:セメントタンクで10日間のマセレーション。セメントタンクで3ヵ月間の熟成
愛娘マリルーの名を付けた、飲み口のとても軽やかなボジョレ。彼の所有する畑の中では、樹齢は若いほうだが、平均樹齢40年を超えている畑のブレンド。
¥4510
Morgon – Vieilles Vignes 2022
モルゴン ヴィエイユ・ヴィーニュ
品種:ガメ100%
植樹:1934年
位置:標高350m、南東向き
土壌:岩石、シストを含む砂質
醸造:セメントタンクで20日間マセレーション。古樽で8ヵ月間熟成
樹齢の高いぶどうならではの複雑な味わい。タンニンはきめ細かく液体に溶け込み、長い余韻をもたらす。鴨のローストにスパイスを効かせたソースなど、黒コショウ、クローブ、ナツメグ、シナモンなどの冬らしいスパイスとの相性が良い。
¥6380
Chirouble – Cuvée Léa 2020
シルーブル キュヴェ・レア
品種:ガメ100%
植樹:1950年代
位置:標高400m
土壌:岩石、シストを含む砂質
醸造:セメントタンクでマセレーション。228Lと400Lの古樽で8~10ヵ月間熟成
ボジョレのクリュの中でも最も標高の高いシルーブルの区画。近年、多くのボジョレ生産者が冷涼さを求め、この区画でのワイン造りを始めている。キュヴェ名のレア(Léa)はギィの孫娘の名前から。
¥6160
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