La Ferme de La Sansonnière

ラ・フェルム・ド・ラ・サンソニエール

フランス / ロワール

1989年の創業時からビオディナミを敢行。マルク・アンジェリは、ニコラ・ジョリーらと共にビオディナミの最重要啓発グループ「ラ・ルネッサンス・デ・アペラシオン」の中核メンバーとして、世界にビオディナミの力を伝道した使徒の一人である。コトー・デ・レイヨンとボヌゾー、計7haからスタートした畑は、現在10ha。その土は活き活きした精気にあふれ、畑に立つだけで心が落ち着くほどの生命感に包まれる。生産の中心はシュナン・ブランで、フシャルドは1975年植樹、ブランドリは1949年植樹の古木。収穫量はロワールが豊作に沸いた2015年の、比較的若木を含むラ・リュンヌさえ23hl/haに抑制した。そのワインは、無限の多層性あるエキス感と、まるで宙を舞うかのような軽やかさと端正さを併せ持つ。まさにヴァン・ナチュールの精髄であり、神聖さすらたたえている。
 2016年にはアルザスやジュラで責任者の立場でワイン造りに関わり、またマルクとはルネッサンス・デ・ザペラシオンでの活動を共に行う同志でもあるブルーノ・チョフィが加入。しかし2018年にマルクの息子のマルシャルがドメーヌへと戻ってきたことで、親子でのワイン造りへと移行した。2022年にはマルクは公式には引退し、マルシャルが当主となった。

アンジュー・ソーミュールについて

15世紀、ルイ善王時代から「花と芸術の都」と謳われたアンジュ市と、そこからロワール河を48km遡ったソーミュール市周辺に広がるエリア。ともに、白は80%以上シュナン・ブランが義務づけられ、赤はカベルネ・フラン、ガメ、ピノ・ドニスなどが多く栽培される。アンジュの中には、南西向きの孤立した丘のボヌゾー、南向き急斜面となるラ・ロッシュ・オー・モワンヌ、ニコラ・ジョリーの本拠ラ・クーレー・ド・セラン(わずか5ha)などの卓越した小区画が、独立したAOCに認定されている。伝統的にはアンジューは、特にエリア南東部コトー・デュ・レイヨンで知られる貴腐ブドウによる甘口白ワインで有名な産地だったが、近年は本格的な素晴らしい辛口の白を生み出している。AOCアンジュの収量制限は白60hl/ha,ガメ53hl/ha。ソーミュールでは、生産量の点では瓶内二次発酵で生まれるソーミュール・ムスーが多い。カベルネ・フランが最も新鮮に表現されたワインの一つとなる赤ワイン、ソーミュール・シャンピニーも、以前より深みと強さを増している。

ロワールについて

大西洋岸に注ぐフランス最長の河(1,000km)の両岸に続く産地。「フランスの庭園」と呼ばれ、河沿いにかつての王侯貴族の壮麗な古城が多数点在する景観は、世界遺産にも登録されている。この地方はブドウ栽培の北限に近く、ワインは比較的酸が高い。ワインの名称と、それに含まれるワインの関係はかなり込み入っており、例えばソーミュール、アンジュなどの呼称は赤、白、ロゼのどれにも適応され、同じ呼称の中でブドウの品種も甘さの度合いも様々であることが、消費者を戸惑わせることが多い。ともあれ「このエリアはフランスで最も多様で、かつ軽んじられてきた産地。軽く、爽快で、はっきりとした酸味を持ち、昔から魅力的と言われているエリアなのに、現代のワイン消費者は、重さと強さに取り憑かれているため、ロワールは、正当な評価を受けていない」とジャンシス・ロビンソンは喝破する。ロワール河河口から上流に向かって、ペイ・ナンテ地区、アンジュー・ソーミュール地区、トゥーレーヌ地区、ロワール上流地区の、大きく4つのエリアに区分される。

VdF – La Lune
ラ・リュンヌ

品種:シュナン・ブラン100%
植樹:1967年~2012年
位置:標高80m、南南西向き
土壌:砂質
醸造:木樽で醗酵。木樽で15ヵ月間の熟成。

三日月形の細長い畑と、複数の小さな区画のブドウをブレンドしたシュナン・ブラン。サンソニエールの名刺代わりといえる、エントリーレベルのシュナン・ブラン。

VdF – Rosé d’Un Jour 2023
ロゼ・ダン・ジュール

品種:グロロー・グリ
植樹:1972年 醸造 収穫の2週間後に瓶詰め

この畑はクリマの特徴で毎年グロロー・グリに貴腐がつき、香り高いロゼができる。軽やかで上品な甘さがある。亜硫酸を減らしつつ、甘口に仕上げるために、フィルターの回数を増やすことで対応。通常、フィルターをすると、一回につき10%の量のワインが失われる。
¥5280

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