Le Clos de la Bruyère

ル・クロ・ド・ラ・ブリュイエール

フランス / ロワール

クロード・クルトワの息子、ジュリアン・クルトワが1998年、20歳の時に立ち上げたドメーヌ。ジュリアンは幼少時から父と共に動物の世話をし、栽培・醸造を学び続けた。所有する畑は、ソローニュ村でシレックスに富む粘土と、珪土土壌の5ha。ガメ、ムニュ・ピノなどは1968年植樹の古木で、収量は周囲の生産者の畑の1/4にまで抑え、ムニュ・ピノの一部は4年以上熟成後にリリースするという頑固なまでの職人気質は、しっかりと父親ゆずり。畑のほとんどが、自宅から半径300m以内にあり、極一部の離れた畑もわずか1kmほどの近さで、農作業の徹底、収穫直後のセラーへのブドウ搬入ともに理想的な環境を持つ。ガメの一部は、ヴィーニュ・フランセーズ(アメリカ産台木に接ぎ木していない樹)。醸造は、白の多くを全房でプレス、赤は除梗し木樽または樹脂製タンクで発酵。熟成は全てブルゴーニュ・タイプの古樽で行う。大原則として醸造、瓶詰めとも亜硫酸塩無添加。年産わずか8,000本前後。

トゥーレーヌについて

「ロワール全体の中で最上の赤ワインを生む」と、ジャンシス・ロビンソンが言い切る地域シノン、ブルグイユ、サン・ニコラ・ド・ブルグイユ、軽やかながら驚異的な長命さで知られる白のヴーヴレなどの重要AOCが含まれる地域。シノンのカベルネ・フランは「その品質はばかばかしいほど過小評価されている。100年ほど前、シノンのワインはマルゴーと同じように高評価を受けていた。現在は、力強さや構成力はともかく、魅力という点では驚くほどマルゴーと近似している」とさえ、ジャンシスは述べている。ヴーヴレは、辛口、中辛口、半辛口、甘口、発泡性の5つのタイプに分かれる。トゥール市を中心に、東西5,000haに迫る広大なAOCであるトゥーレーヌは、粘土石灰岩、粘土燧石(すいせき)、ファルン(中新世の化石と砂)、粘土などがモザイクを成す多彩な土壌を持つ。この地方は16世紀のラブレー、19世紀の文豪バルザックや、近代哲学の父、ルネ・デカルトの生誕地としても知られる。

ロワールについて

大西洋岸に注ぐフランス最長の河(1,000km)の両岸に続く産地。「フランスの庭園」と呼ばれ、河沿いにかつての王侯貴族の壮麗な古城が多数点在する景観は、世界遺産にも登録されている。この地方はブドウ栽培の北限に近く、ワインは比較的酸が高い。ワインの名称と、それに含まれるワインの関係はかなり込み入っており、例えばソーミュール、アンジュなどの呼称は赤、白、ロゼのどれにも適応され、同じ呼称の中でブドウの品種も甘さの度合いも様々であることが、消費者を戸惑わせることが多い。ともあれ「このエリアはフランスで最も多様で、かつ軽んじられてきた産地。軽く、爽快で、はっきりとした酸味を持ち、昔から魅力的と言われているエリアなのに、現代のワイン消費者は、重さと強さに取り憑かれているため、ロワールは、正当な評価を受けていない」とジャンシス・ロビンソンは喝破する。ロワール河河口から上流に向かって、ペイ・ナンテ地区、アンジュー・ソーミュール地区、トゥーレーヌ地区、ロワール上流地区の、大きく4つのエリアに区分される。

VdF – Originel 2020
オリジネル

品種:ムニュ・ピノ100%
植樹:1968年
位置:標高130m、ほぼ平地
土壌:粘土質、シレックス、珪土
醸造::マセレーションなし。古樽のバリックで18ヵ月間熟成

Originel:起源。
ムニュ・ピノはジュリアンの代名詞ともいえる品種で、高い酸と控えめな果実味の品種の個性が良く出ている。土壌由来の骨格しっかりとでている。
¥8580

VdF – Autochtone 2018
オトクトンヌ

品種:ロモランタン100%
位置:標高130m、ほぼ平地
土壌:粘土質、シレックス、珪土
醸造:マセレーションなし。古樽のバリックで18ヵ月間熟成。

Autochtone:先住の、大地からの。
収量の多い品種とされるが、収穫量を抑えじっくりと果実の成熟を待つジュリアンのスタイルでは、果皮の成分を感じ、白品種には珍しく、しばしば紫色の花を連想させる甘い香りも出る。
¥9680
¥8580(2020)

VdF – Résonance
レゾナンス

品種:シュナン・ブラン100%
植樹:2011年
位置:標高120m、平地
土壌:シリカ、シレックス、フリント粘土
醸造:マセレーションなし。古樽のバリックで18ヵ月間熟成。

Résonance:共振、共鳴。
比較的若木にもかかわらず、ジュリアンの手にかかると非常にエキスの詰まった、しかし飲み疲れないデリケートの味わいになる。香りと味わいに共通する若干の塩味も感じ、非常に複雑。
¥8800

VdF – Sava. Sol
サヴァ・ソル

品種:ムニュ・ピノ100%
植樹:1968年
位置:標高130m、ほぼ平地
土壌:粘土質、シレックス、珪土
醸造:マセレーションなし。ブルゴーニュタイプの古樽で42ヵ月間熟成。

名前の由来は”Savagnin de Sologne”。
ソローニュの土地で獲れたムニュ・ピノを、ジュラのサヴァニャンのように長期間の酸化熟成をしていることから、このように名付けた。遅摘みされたブドウだが、残糖がなくなるまで長期熟成をし、辛口に仕上げている。

VdF – Esquiss
エスキス

品種:ムニュ・ピノ100%
植樹:1968年
位置:標高130m、ほぼ平地
土壌:粘土質、シレックス、珪土
醸造:マセレーションなし。ブルゴーニュタイプの古樽で50ヵ月間熟成。

Esquiss:下絵、草稿。
数年に一度しか造られない。サヴァ・ソル同様に遅積みだが、更に収穫までの果実の成熟をぎりぎりまでひっぱれるかどうかが鍵。その分樽熟成も長めで、同様に酸化熟成させている。糖度の高い果汁が、完全発酵するまでじっくりと待つので、糖分の甘さはないが、酸化的な甘みやうま味に富む。このような熟成が出来るのも、ムニュ・ピノの高い酸あってこそ。
¥11000

VdF – Colère de Zeus Blanc 2021
コレール・ド・ズース・ブラン

品種:ロモランタン、ムニュ・ピノ
位置:標高130m、ほぼ平地
土壌:粘土質、シレックス、珪土
醸造: 古樽のバリックで15ヵ月間熟成

2021年、遅霜に見舞われて収穫の8割を失ったことで、本来は畑ごとに醸造するブドウをまとめて醸造:した、特別なキュヴェ。2021年の無情な天からの仕打ちに対してジュリアンはユーモアをまじえて「コレール・ド・ズース(ゼウスの怒り)」と名づけた。
¥9790

VdF – Rosé
ロゼ

品種:ガメ100%
植樹:1968年
位置:標高120m、平地
土壌:シリカ、シレックス、フリント粘土
醸造:マセレーションなし。古樽のバリックで18ヵ月間熟成。

ガメをマセレーションをせず、プレス。色合いは非常に淡いサーモンピンク。ガメという品種の個性よりもミネラル感や骨格などの、シレックスの豊富なソローニュの土壌を強く感じる。

VdF – Ancestral 2020
アンセストラル

品種:コ、ガメ(自根)、ガスコン
植樹:コ 2003年、ガメ 1978年、ガスコン 2006年
位置:標高130m、ほぼ平地
土壌:粘土質、シレックス、珪土
醸造: 一週間マセレーション。古樽のバリックで18ヵ月間熟成

Ancestral:先祖から受け継いできた。
比較的早いうちから楽しみやすいのは、品種がブレンドされているからか。しかし単純ではなく、紫色の花が優雅に香り、洗練された豊かな果実味。
¥8800

VdF – 100% 2020
サン・プル・サン

品種:ガメ100%
植樹:1968年
位置:標高130m、ほぼ平地
土壌:粘土質、シレックス、珪土
醸造: 一週間マセレーション。古樽のバリックで18ヵ月間熟成。

明るい花の香りと、果実味も豊か。しっかりと果実を成熟させ、樽熟成も長く、後味も長い。複雑で飲みごたえのあるガメ。
¥8580

VdF – Éléments 2020
エレモン

品種:ガメ・ド・ショードネ100%
植樹:1968年
位置:標高130m、ほぼ平地
土壌:粘土質、シレックス、珪土
醸造: 一週間マセレーション。古樽のバリックで18ヵ月間熟成。

Éléments:要素、元素。
旧エレモン・テール。タンチュリエ種である、ガメ・ド・ショードネらしく、野性的な個性が前面に出ている。果実由来か、土壌由来か、しばしばスモーキーなニュアンスも。色は濃い目。
¥8580

VdF – Libation
リバション

品種:ガメ(自根)、ガメ・ノワール・ジュ・ブラン、ガメ・ド・ショードネ
植樹:1970年代
位置:標高130m
土壌:粘土質、シレックス
醸造: 一週間マセレーション。古樽のバリックで18ヵ月間熟成

Libationとはフランス語で神酒や、ワインを注ぐ動作を意味する。2005年に醸造した際に揮発酸が高くなってしまったので、翌年・翌々年の果汁を足して、再醗酵させた。さらにトノーで長期の熟成をすることでワインを落ち着かせた。2010年瓶詰め。果物を漬け込んだような香りで、酒質は強い。古い辛口のポルトのような味わい。

VdF – Colère de Zeus Rouge 2021
コレール・ド・ズース・ルージュ

品種:ガメ、コ、ガスコンなど
位置:標高130m
土壌:粘土質、シレックス
醸造: 古樽のバリックで15ヵ月間熟成

2021年、遅霜に見舞われて収穫の8割を失ったことで、本来は畑ごとに醸造するブドウをまとめて醸造した、特別なキュヴェ。2021年の無情な天からの仕打ちに対してジュリアンはユーモアをまじえて
「コレール・ド・ズース(ゼウスの怒り)」と名づけた。
¥9790

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