Le Raisin et L‘Ange / Gilles Azzoni

ル・レザン・エ・ランジュ / ジル・アゾーニ

フランス / ローヌ

ジル・アゾーニにより1983年に創立されたワイナリー。パリ生まれのジルは、農業への興味からアルデッシュへと移り住みワイン造りを始めたの。当初は近代醸造技術を駆使してのワイン造りであったが、しかし自身のワイン観を変えるワイン(とあるシラー)に出会い、このような赤ワインを自分も作ってみたいと2000年から亜硫酸無添加醸造へとスタイルを一新した。スタイルを変更してからは、フランス国内では顧客も変わってしまったが、日本ではヴァン・ナチュール市場の初期から人気を博したのだった。ジルは2014年まで責任者としてワインを造り、責任者を息子のアントナンへと譲った。アントナンの代になってからはワイナリーの形態をネゴシアン主体へと変え、アントナン本人は1haのシラー主体の畑を栽培している。買いブドウはアルデッシュの数人のブドウ栽培家達と契約しており、栽培家達の中には、やがてはヴィニュロンになろうという人もいて、アントナン達から醸造を学び、ワイナリーを立ち上げる若手も出ている。

ローヌ北部について

時に斜度60度にも達する、ローヌ河の狭い谷沿いに南北に広がる産地。主要品種はシラーとヴィオニエ。「熟成するとボルドーの卓越したワインに匹敵する、きわめて威厳あるワイン」とされ、高く評価されるコート・ロティ、エルミタージュ、コンドリュウなどを擁する。しかしその3つのAOCの栽培面積はいずれも非常に小さく、濃密・強壮さで知られるエルミタージュは約130ha(シャトー・ラフィットより少しだけ広い)ほど。コンドリュウは赤も生産するが、より高名なのはヴィオニエの白。域内に、わずか3.8haの極小AOCシャトー・グリエを内包する。近年は「高貴なエルミタージュの野性的な従兄弟」とも言われるコルナスにも注目が集まる。この地ではシラーの生産者はブルゴーニュほど石灰岩を追求せず、かわりに花崗岩を重視する。ヴァランスのすぐ南西に広がる丘陵地帯アルデッシュも、ブルゴーニュのルイ・ラトゥールなどのネゴシアンが大規模開発を行い、脚光を浴びている。

ローヌについて

リヨンのわずか35km南の街ヴィエンヌからアヴィニョンまで、南北約200kmにわたるローヌ河両岸に開く南仏の産地。エルミタージュ、コルナスなどを生む北部と、シャトーヌフ・デュ・パプ、ジゴンダスなどを生む南部に分かれる。生産量の面では、ローヌ河沿いの狭い谷の急斜面に畑が続く北部は、比較的なだらかな丘陵が続く南部に対し、わずか1/10ほどである。最もベーシックなAOCであるコート・デュ・ローヌは、北部では50村、南部では113村がその名を許される。のべ4万haの畑から生まれるそのワインの生産量はボジョレの約3倍で、ボルドーの全生産量に次ぐ。そのうち白、及びロゼは、わずか4%以下にとどまる。赤ワインの主要品種はグルナッシュで、赤の総栽培の約40%を占める。この地にブドウ栽培をもたらしたのは、紀元前4世紀頃にマルセイユの港を築いた古代ギリシャ人。その後、紀元前125年ごろ入植したローマ人が、ワイン生産を飛躍的に発展させたと言われる。

VdF – Le Raisin et l’Ange – Nedjma
ル・レザン・エ・ランジュ ネジュマ

品種:ソーヴィニョン・ブラン、グルナッシュ・ブラン、シャルドネ、マルサンヌ、ルーサンヌ、ヴィオニエ等
※買いブドウのセパージュと比率はVTによって異なる。
醸造:ステンレスタンクで醗酵。ステンレスタンクで8ヵ月間熟成。

“Nedjma”は、アラビア語で「星」という意味で、アラビア語圏では女性の名前としてもつかわれる。ヨーロッパが移民に対して、排他的な空気に包まれることを良しとしないジル・アゾーニが、あえてアラビア語の名前をつけた。
¥3850

VdF – Le Raisin et I’Ange – Hommage à Robert
ル・レザン・エ・ランジュ オマージュ・ア・ロベール

品種:メルロ、カベルネ・ソーヴィニョン、グルナッシュ、ガメ、シラー、アリカンテ等
※買いブドウのセパージュと比率はVTによって異なる。
醸造:7-15日間全房マセレーション。ステンレスタンクで8ヵ月以上間熟成。

ル・レザン・エ・ランジュが、自社ブドウでワインを造っていた時代、畑を貸してくれていた、ロベール氏への敬意と賛辞(オマージュ)をこめて造った。全房醗酵で軽快に仕上げた赤ワイン。ボルドー系品種を主体に、ファーブルに比べてフレッシュで果実味のある味筋。
¥3630

VdF – le Raisin et l’Ange – Fable
ル・レザン・エ・ランジュ ファーブル

品種:シラー、グルナッシュ、ヴィオニエ、メルロ、ガメ等
※買いブドウのセパージュと比率はVTによって異なる。
醸造:7-15日間全房マセレーション。ステンレスタンクで8ヵ月以上熟成。

“Fable”とは、子供たちに道徳を説明するための寓話、お話しのこと。全房醗酵で軽快に仕上げた赤ワイン。地中海系品種を主体に、オマージュ・ア・ロベールよりも鉱物感があり、スリムな骨格のある味筋。
¥3740

VdF – Le Raisin et l’Ange – Brân
ル・レザン・エ・ランジュ ブラン

品種:ガメ、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロ、グルナッシュ、シラー、
※買いブドウのセパージュと比率はVTによって異なる。
醸造:7-15日間除梗してマセレーション。ステンレスタンクで醗酵。ステンレスタンクで8ヵ月間熟成。一部樽熟成あり。

ブランはケルト語で”聖なるカラス”の意。果皮の成分の成熟度など、ブドウのポテンシャルが高いと判断したブドウを除梗し、オマージュやファーブルに比べて抽出を強くした、レザン・エ・ランジュの中では長期熟成のキュヴェ。品種はボルドー系品種やガメが主体となることが多い。
¥3850

Related Articles

Philippe Pacalet

フィリップ・パカレ フランス/ブルゴーニュ 自然と生命に最大限の敬意を抱くリアリスト 「マルセル ラピエールの甥であり、プリューレ ロックの醸造長を務めた人物」フィリップ パカレを紹介する際の常套句です。しかし、様々な噂…

Domaine Gramenon

ドメーヌ・グラムノン フランス / ローヌ ドメーヌ・グラムノンはローヌ南部でも北側のエリアにセラーを構え、東に向かえばAOPヴァンソーブルからアルプスの麓へと続くエリアで、ブドウの、特にグルナッシュの栽培に適した地域だ…

Gérard Marula

ジェラール・マリュラ フランス / ロワール シノン近郊、ティゼ村外れに残る、ロワール川沿い西部でよくみられる、岩壁をくり抜いて設けられた原始的な横穴でワイン造りを行う。当主ジェラール・マリュラはロワールの醸造学校創業後…

Maxime-François Laurent

マキシム=フランソワ・ローラン フランス / ローヌ ドメーヌ・グラムノンの元当主、ミシェル=オーベリーの子息マキシム=フランソワがドメーヌで働く傍ら始めたネゴシアン。5年間、ボーヌの醸造学校やワイナリーでの研修を重ねた…

Le Clos du Tue-Boeuf

ル・クロ・デュ・チュ=ブッフ フランス / ロワール 今を遡ること20年以上前、1996年にビオロジック栽培と、醸造時亜硫酸塩無添加を開始し、今や堂々ヴァン・ナチュールの重鎮と畏敬される生産者。ドメー…

Responses

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です