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  • Luís Gomes

    Luís Gomes

    ルイシュ・ゴメシュ

    ポルトガル / バイラーダ

    「giz(ジース)」はポルトガル語で「チョーク」を意味し、バイラーダ南部に卓越する石灰質土壌を象徴する名である。ブサコ山と大西洋の間に広がるこの地で、ルイシュ・ゴメシュは2015年に自身のプロジェクトを立ち上げた。もともとバイオテクノロジーを専門とし、MBA取得後に栽培学と醸造学を修めた彼は、科学的な知見と現場の経験を併せ持ち、特に伐採の危機にあった古樹バガやマリア・ゴメシュ、ビカルの保存に力を注ぐ。畑は総計6ha、樹齢100年を超える在来品種が残され、収穫は熟度に応じて3段階に分けられる。初回はスパークリング、次にロゼ、最後に赤ワインと段階的に収穫し、それぞれの熟成を高める設計だ。醸造は借り受けたセラーで行い、低温下で野生酵母発酵を行うことでミネラルと繊細な香りを引き出す。熟成にはフレンチオークに加え、ガルベロット製の大樽も導入し、樽の個性を見極めながら最終的にブレンド。力強さと精緻さの両立を目指し、土着品種の古樹と石灰岩の豊富な土壌から色とりどりのタイプのワインを生み出す。

    ポルトガルについて

    ポルトガルは大西洋、山脈や河川により地理的に隣国スペインから隔てられ、1986年にEUに加盟するまでは政治的にも孤立していた。そのため長い間イギリス向きに出荷されてきた、ポートワインやマデイラ酒を除くと、ポルトガルワインへの関心は市場でも高いとは言えなかった。しかしそれゆえ隠れたブドウ栽培地域や地品種の古樹が数多く残り、それらの要素への関心が世界的に高まる中で、2010年代頃からダイナミックな変化が起こっている。 ポルトガルが広くない国土にもかかわらず、多様な地形と土壌、ワイン文化を持つことは、ポートワインとヴィーニョ・ヴェルデという性質が相反するまったく別種のワインが、しかも隣接する地域から生産されることからも、良くわかる。それらの下地と、海外などで経験を積んだ若い造り手たちの熱意が、現在のポルトガルワインの原動力となっていると言えるだろう。 とかく情報過多に陥りがちな現在、ポルトガルには魚介類を使った素朴な料理が多く、その料理と合わせて飲まれてきたポルトガルワインは、一般に気取った味わいを感じさせないので、難しく考えずに飲んでいただきたい。

    Bairrada – Giz – Espmante Cuvée de Noirs Brut Nature
    バイラーダ ジース エスプマンテ・キュヴェ・ド・ノワール・ブリュット・ナチュール

    品種:バガ
    植樹:1930年以前
    位置:海面近く(大西洋から約24km)、主に南西向き
    土壌:チョーク質石灰岩
    醸造:全房でプレスし、ステンレスタンクで醗酵、マセレーションはしない。冬(2~3月頃)にティラージュし、低い温度で瓶内二次醗酵を促す。瓶内で36ヵ月間熟成した後、デゴルジュマン。

    ブドウの樹は、畑が1930年にDOCバイラーダに登録されるより前から植えられていたもの。古木、地品種、瓶内二次発酵、長期熟成の高品質スパークリングワイン。
    ¥6600 (2021)

  • Luis Lopes

    Luis Lopes

    ルイシュ・ロペシュ

    ポルトガル / バイラーダ

    醸造家ルイシュ・ロペシュはポルトガルで醸造学を修めたのち、ブルゴーニュ、ニュージーランド、ドイツで醸造家として働き、2006年にポルトガルへ帰国しました。帰国後はダォン地方のキンタ・ダ・ペラーダで醸造責任者として働き(2006~2017年)、アントニオ・マデイラ氏の元でも醸造コンサルタントとして勤務している。
    ルイシュは伝統と先進技術の共存するブルゴーニュや、世界のワイン市場でクオリティーワインとして認知の広がるニューワールドでも醸造経験を積んだ。クラシック/モダン/ナチュラルなどワインのスタイルによらず、こよなくワインを愛するルイシュだが、フランスにいた頃の忘れられない経験の一つはピエール・オヴェルノワとのディスカッションだった。醸造中の亜硫酸の是非について、とことんまで質問を投げかけたという。
    2022年現在、ダン地方のアントニオ・マデイラ氏の元で醸造コンサルタントとして働きつつ、買いブドウで、自身のワイン造りをしている。友人のワイナリーを間借りして、コンサルタント業の合間を縫ってのワイン造りなので、初VTから2021年VTまでの毎年の生産量は1000本以下。そんな彼の2013年のワインを、2019年にパリのポルトガルワインバーでラシーヌの開発ティームが飲み、彼にメッセージを送ったことから、ルイシュとのやり取りが始まったのだが、彼にとってはあまりにも思いがけず、嬉しいことだったそうで、彼自身の生産が本格的に始まるまでは、ほとんどの生産ワインを日本に向けて出す、とまで言ってくれた。
    人柄もさることながら、醸造センスとワインへの見識の深さから、他の生産者からも「彼はナショナルスターだ」と高く評価されていて、これからのポルトガルワインシーンにおいて重要人物になることは、間違いない。

    Moreish Tinto 2021
    モーリッシュ・ティント

    品種:カシュテラォン・ナシオナル80%、トリンカデイラ・プレタ20%

    よく抽出され内容豊富な果汁の味わい、テクスチュアも自然に口に溶け込むようなやわらかさ。赤系果実と乳系の印象も少し感じられた。

    Moreish Branco
    モーリッシュ・ブランコ

    品種:ビカル、マリア・ゴメシュ
    植樹:1980年代
    位置:東・西向き斜面
    土壌:粘土質、石灰質
    醸造:ステンレスタンクで約3週間醗酵、マセレーションはしない。ステンレスタンクで約8ヵ月間熟成。

    モーリッシュとは英語でMore+ish、「つぎつぎと杯が進む、もっとほしくなる」といった意味。本人は自分のワインをglou glou(仏語で“ごくごく”と喉の鳴る音)なワインだというが、上品な果実味と、白い花、アーモンドの余韻が長く続く、品位を感じるワイン。
    ペリクラール(マリア・ゴメシュ)を単一醸造する年は、ビカルのみで醸造、そのほかの年はビカルとマリア・ゴメシュをブレンドしてリリースされる。

    芯のある果実味と、自然な果汁の甘さに伴う旨味・酸・ミネラリティ―が一体となって弾けるような快さあり(2021)。

    Moreish Común 2019
    モーリッシュ・コムン

    品種:ガルナッチャ・コムン
    植樹:2016年~2017年
    土壌:粘土質、石灰質
    醸造:コンクリートタンクで醗酵。600Lのフレンチオーク樽で熟成。

    ルイシュがスペイン・エストレマドゥーラ州で手掛けるプロジェクト。ボデガス・パラシオ・ケマードの所有する畑に新しく植えたガルナッチャ・コムンでの醸造。以前このプロジェクトを担っていたエンビナーテから、ルイシュが引き継いで醸造した。エチケットのデザインはVTにより異なる。

    シンプルだが雑味なく澄み渡り、喜びの感覚をもたらしてくれる、素直で良い果実味が香りからも味わいからも感じられる。

    ¥5720