Tiberio
ティベリオ
イタリア / アブルッツォ

ティベリオはペスカーラから内陸の山岳部に30km、クリスティアーナとアントニオの姉弟が運営するワイナリーです。樹齢60年を超えるトレッビアーノやモンテプルチアーノの畑を彼らの父が購入し、そこからセレクション・マサルで畑を植えていき、合計30haの畑を所有しています。醸造を担当するクリスティアーナは明確な方向性をもってワインを造っており、特徴的であるのは、プレスを全く行わずフリーランジュースのみで醸造し、生産ワインの大部分をステンレスタンクのみで行うことでしょう。
化学を専攻し、話し方からも強い意志と澄んだ知性の持ち主であることを感じさせるクリスティアーナですが、「ブドウやテロワールができないことを無理強いしない醸造を心がけている」そして「ステンレスタンクによる醸造はブドウがそれを望んでいるからだ」と話します。洗練された味わいは、丁寧な畑の手入れの賜物ではありますが、2人は常に現代的な、あるいは既存の視点とは別の視点を持つことを心がけています。ティベリオ姉弟の目標はただひとつ、品種と産地を明確に語るワインを造ることです。
アブルッツォについて
アドリア海に面したイタリア半島中部に位置するアブルッツォ州。西はラツィオ州に隣接するが約65%は山岳地帯で、州内にはアペニン山脈の最高峰コルノ・グランデ(2,912m)などの高山を擁する。ワインは全体の約34%となる丘陵地帯を中心に生産され、赤はモンテプルチアーノ・ダブルッツォ、白はトレッビアーノ・ダブルッツォが、この州の最重要かつ支配的品種である。このモンテプルチアーノ・ダブルッツォ品種は「しっかりとした果実味を持つ濃厚な赤ワインで、かなりの量を生産しても薄いワインにはならない」。また、トスカーナの高名なヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ(サンジョヴェーゼ主体)とは全く無関係である。通常、コストパフォーマンスの高い優良デイリーワイン産地とのイメージが強い州だが、極々一握り(多くて2、3社)が手がけるワインは赤、白、ロゼともイタリア全土でも屈指の偉大なワインとなることも知っておきたい。
Montepulciano d’Abruzzo
モンテプルチアーノ・ダブルッツォ
品種:モンテプルチアーノ100%
植樹:1960年代
位置:標高350m
土壌:粘土石灰土壌、砂質の下層土
醸造:ステンレスタンクで20日間マセレーション、プレスをせずフリーランジュースのみで醸造。ステンレスタンクで8ヵ月間熟成
ティベリオの華やかで軽快なスタイルの白とチェラスオーロとは打って変わって、バランスが取れ落ち着いた雰囲気のモンテプルチアーノ。抽出はしっかりと感じるが、タンニンのざらつきは感じず、ゆっくりと味わいが出てくる。
Trebbiano d’Abruzzo
トレッビアーノ・ダブルッツォ
品種:トレッビアーノ100%
植樹:1960年代
位置:標高380m
土壌:粘土石灰土壌、砂岩の下層土
醸造:ブドウを破砕し、5~6度で6時間マセレーション、プレスをせずフリーラン
ジュースのみを醸造。ステンレスタンクで醗酵。ステンレスタンクで8ヵ月間熟成。マロラクティック醗酵なし。
造り手のクリスティアーナは、彼女らの栽培する品種のクローンが、トレッビアーノ・”アブルッツェーゼ”であることの重要。性を繰り返す。アブルッツォ州に植わる多くのトレッビアーノ・アブルッツェーゼと混同された品種にはない。
Cerasuolo d’Abruzzo 2023
チェラスオーロ・ダブルッツォ
品種:モンテプルチアーノ100%
植樹:1960年代
位置:標高350m、南向き
土壌:粘土石灰土壌、砂岩の下層土
醸造:ブドウを破砕し、10度で2,3時間マセレーション、プレスをせずフリーランジュースのみを醸造。ステンレスタンクで醗酵。ステンレスタンクで8ヵ月間熟成。マロラクティック醗酵なし。
軽やかな果実味と生き生きとした酸味が特徴のチェラスオーロ。抽出は色づく程度だが、わずかなグリップを舌に感じる。
¥3960
IGP Colline Pescaresi – Pecorino 2024
コッリーネ・ぺスカレーズィ ペコリーノ
品種:ペコリーノ100%
植樹:2000年代
位置:標高350m
土壌:粘土石灰土壌、砂岩の下層土
醸造:ブドウを破砕し、7~8度で5,6時間マセレーション、プレスをせずフリーランジュースのみを醸造。ステンレスタンクで醗酵。ステンレスタンクで8ヵ月間熟成。マロラクティック醗酵なし。
ぺコリーノは早熟なので、海辺では成熟が早すぎ、山に近い涼しい環境が適していると、造り手のクリスティアーナは考えている。トレッビアーノよりも骨格がある。
¥5060
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