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  • La Vigna di San Martino ad Argiano

    La Vigna di San Martino ad Argiano

    ラ・ヴィーニャ・ディ・サン・マルティーノ・アダルジャー

    イタリア / トスカーナ

    ラ・ヴィーニャ・ディ・サン・マルティーノ・アダルジャーノは、農学者アンドレア・トッカチェーリと醸造家ジャンパオロ・キエッティーニが手がける小規模ワイナリーだ。2012年、キャンティ・クラッシコ北部サン・カッシアーノ・イン・ヴァル・ディ・ペーザのアルジャーノ地区に1haの畑を取得し、バイオロジック農法による栽培を開始した。ジャンパオロは1985年からワイン造りに携わり、かつてイーゾレ・エ・オレーナでパオロ・デ・マルキ氏のもと、10年間を過ごした経験を持つベテランである。現在もトスカーナの複数の生産者へのコンサルタント業と並行して、自身のワイン造りも続けている。赤ワインはキャンティ・クラッシコ・リゼルヴァのみを生産。白ワイン「イミグラント・ワイン」には、あえて非土着品種のミュラー・トゥルガウを用いるなど、時流に流されない独自の姿勢が光る。教会跡地に隣接する畑への敬意から、ワイナリーの名とかつて教会に飾られていた絵画をラベルに冠しており、この土地と人々への深い思いがそこに込められている。

    キアンティについて

    15世紀以来「キアンティ」という地名は北はフィレンツェから南はシエナまでの広大な地域を指す。標高800mまでの丘陵があるが、ワイン造りは250~500m前後の高度が中心。最初にキアンティの境界を定めたのは、1716年トスカーナ大公・コジモ3世。1932年に、広がり続けるキアンティの呼称に対抗し、9村・計7万haが“伝統的”区域としてクラッシコの呼称を得、その際の境界は現在も不動。キアンティ・クラッシコは長らく白ブドウのブレンドが必須だったが、サンジョヴェーゼ100%の認可は1996年以降。2000年には国際品種のブレンド率を20%まで引き上げた(DOCG初年の1984年は10%)。現在、生産者は約350社。この「キアンティ・クラッシコ」の周辺に広がる形でDOCGキアンティとして、ルフィナ、コッリ・セネージなど7つの地域が認定されている。この地域でも生産者の力量しだいで、高名なクラッシコに勝るとも劣らないワインも生まれている。

    トスカーナについて

    サンジョヴェーゼ品種の最重要生産地であり、その王国。20世紀末の短期間、主に伝統産地外の沿岸部などで、ボルドー品種とバリック新樽を用いた濃厚なワインが“スーパー・タスカン”と称され、世界を席巻したが、近年はよりピュアにサンジョヴェーゼの美点を追求する生産者に再び注目が集まっている。ただし区分したいのは“スーパー・タスカン”の中でもかつては主にキアンティ・クラッシコDOCG法外だった100%サンジョヴェーゼを敢行したゆえのワインたち。それらの生産者の中には、サンジョヴェーゼ100%がDOCG法認可された後も、IGTにとどまり偉大な深みを持つワインを生み続ける生産者が少なくなく、同じ“スーパー・タスカン”の中でもボルドー品種主体のものとは区別して把握・評価するべきだろう。また、この州の人々は歴史的に進取の気性に富み、常に探求と挑戦と共にワイン造りも変化する。その様子を、ヒュー・ジョンソンは「旧世界の中の新世界」とさえ評している。

    IGT Bianco Toscana – Immigrant Wine
    ビアンコ・トスカーナ イミグラント・ワイン

    品種:ミュラー=トゥルガウ100%
    植樹:1970年代
    位置:標高370m
    土壌:石灰岩を含む粘土質ローム
    醸造:ステンレスタンクで醗酵。ステンレスタンクで半年間熟成。

    土着品種もいわば流行に過ぎないのではという独自の視点からミュラー=トゥルガウを白ワイン用ブドウに選んだ。トレンティーノからキアンティ・ルフィナのエリアに移住した農家が1970年代に植えた畑のブドウを使用し、新しい品種を植えるという挑戦的で自由な発想に敬意を表し「イミグラント:移民」と名付けた。芳醇な香りに対して余韻は、締まりのある辛口。
    ¥4840 (2022)

    Chianti Classico Riserva
    キアンティ・クラッシコ・リゼルヴァ

    品種:サンジョヴェーゼ100%
    植樹:2013年
    位置:標高300m
    土壌:礫、砂利を含む粘土石灰質
    醸造:ステンレスタンクで1か月マセレーション。500Lと1000Lの新樽を含む木製樽で18か月熟成。

    樹齢の若いブドウ樹のワインではあるが、スキのないバランス感覚は、長年の経験と技術を感じさせる仕上がり。瓶内熟成期間や抜栓してからの時間をやや要するワイン。
    ¥7260 (2022)

  • Borgo del Tiglio (Nicola Manferrari)

    Borgo del Tiglio (Nicola Manferrari)

    ボルゴ・デル・ティリオ(ニコラ・マンフェッラーリ)

    イタリア / フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア

    ボルゴ・デル・ティリオは、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州コッリオで独自の白ワイン様式を築いた造り手である。薬学を学んだニコラ・マンフェッラーリが1981年、父の急逝を機に家業を継ぎ、科学的思考と実験精神をもとに自らの手で技術を磨いた。完熟果を穏やかに圧搾し、酸の低いフリウラーノに緊張感を与える手法を確立し、1982年に代表作「ロンコ・デッラ・キエーザ」を誕生させた。現在は息子マッティアが加わり、約10haの畑を管理。フリッシュと呼ばれる泥灰・砂岩層の土壌で、7,000本/haの高密植と独自のヴェンタリオ仕立てにより、果実の均整と樹勢の調和を図る。収穫は全て手作業で小箱輸送。セラーは重力移送を原則とし、区画ごとに仕込み、澱と9〜10か月接触させて質感と奥行きを与える。厳密な樽選抜とアッサンブラージュによって一貫した精度を保ち、コッリオの地に知性と静謐を湛えた白ワインの美を追求している。

    フリウリ=ヴェネツィア・ジュリアについて

    イタリア北東部の州で、東はスロベニア、北はオーストリアに国境を接する。特にその東端部の丘陵地帯となるコッリオとコッリ・オリエンターリ地区は、「イタリアの現代白ワインの聖地」とさえ呼ばれる。コッリオ周辺の土壌は古代の海底に由来し、ポンカとよばれる泥灰土と砂岩が混じる柔らかな石灰質。この州は個性ある土着品種の宝庫でもあり、白はフリウラーノ、リボッラ・ジャッラ、ピコリット、ヴィトフスカ、赤はレフォスコ、スキオペッティーノなどが中でも重要。フリウラーノはかつてトカイ・フリウラーノと呼ばれたが、DNA上はトカイとは全く無関係で、南仏のソーヴィニヨン・ヴェールがヴェネト経由で19世紀中期に持ち込まれた、という説が現在は有力。ちなみにコッリオの人々は、1891年に「世界葡萄生産者会議・第1回」がゴリツィアで開かれた史実を誇る(第2回はブルゴーニュ)。「当時からここは偉大なワイン産地としてヨーロッパ中に認識されていたのだ」と彼らは主張する。

    Collio – Friulano
    コッリオ フリウラーノ

    品種:フリウラーノ100%植樹:1960年頃
    位置:南西向き、標高150m
    土壌:泥灰土質
    醸造木樽で醗酵木樽で10ヵ月間熟成
    フリウラーノは、彼が白ワインの造りを学んだと感じている、思い入れの深い品種。たっぷりとしたヴォリュームと、美しい後味を併せ持つ。

    シャルドネと比べるとよりスレンダーで、果実味の印象が少し後退し、ミネラリティ―が増すような感じ。飲み手に、より一層の集中力を要するような印象。それでも肌理が細かくなめらかなテクスチュアは健在で、木樽由来のニュアンスと、しっかりと芯のある果実味が成す一体感も4(シャルドネ)と共通。酸は粒が細かく、垂直的というよりは口中に広がって弾けるような質の心地よい酸。慎ましく品のあるワイン。
    ¥8800 (2023)

    Collio – Chardonnay
    コッリオ シャルドネ

    品種:シャルドネ100%
    植樹:1985年頃
    位置:南東向き、標高150m
    土壌:泥灰土質
    醸造:木樽で醗酵木樽で10ヵ月間熟成

    カ・デッレ・ヴァッラーデの丘にある畑で、赤みがかった泥灰土が特徴。この地方の一般的な気候と比べて冷涼な畑は、北東から吹く風(ボーラBora)にさらされている。1987年から始まった二コラのテロワール研究によって、この土壌と冷涼な気候はシャルドネ特有のアロマと塩味を際立てるとの考えに至った。

    肌理が細かくなめらかで、形としても美しい佇まいのワイン。香りの系統としては、よく熟した黄色&白色果実で、果実由来のしっかりした厚みも感じられる。木樽醗酵、木樽熟成のニュアンスが味わいの中によく溶け込み、綺麗な輪郭を成している。ヴィンテッジは23年とまだ若いが、今開けても充分に楽しめるしなやかさとまとまりがある。年末年始のお祝いごとや、特別な場に相応しい、確かな品を備えるワイン。
    ¥8800

  • Frascole

    Frascole

    フラスコレ

    イタリア / トスカーナ

    フラスコレは、フィレンツェ近郊キアンティ・ルフィナに位置する総面積80haの農園である。中世の建物を活用したセラーや民宿、ローマ時代・エトルリア時代の遺構が残るこの地で、1992年にエンリコ・リッピがワイナリーを継承。90年代からフェデリコ・スタデリーニのコンサルタントを受け、1999年にはバイオロジック認証を取得。2023年からは息子のコジモと共に親子二代で運営されている。キアンティ・ルフィナは標高300〜500mに広がり、アペニン山脈からの冷気により昼夜の寒暖差が大きく、酸のある引き締まった果実に育つとされるエリアだ。収穫は手作業で行われ、セメントタンクでの発酵後、長期間澱と接触させることで厚みと丸みを引き出す。熟成はセメントや木樽をスタイルに応じて使い分け、トップキュヴェ「ヴィーニャ・アッラ・ステーレ」は最大4年、ヴィンサントは9年の樽熟成を経てリリースされる。

    キアンティについて

    15世紀以来「キアンティ」という地名は北はフィレンツェから南はシエナまでの広大な地域を指す。標高800mまでの丘陵があるが、ワイン造りは250~500m前後の高度が中心。最初にキアンティの境界を定めたのは、1716年トスカーナ大公・コジモ3世。1932年に、広がり続けるキアンティの呼称に対抗し、9村・計7万haが“伝統的”区域としてクラッシコの呼称を得、その際の境界は現在も不動。キアンティ・クラッシコは長らく白ブドウのブレンドが必須だったが、サンジョヴェーゼ100%の認可は1996年以降。2000年には国際品種のブレンド率を20%まで引き上げた(DOCG初年の1984年は10%)。現在、生産者は約350社。この「キアンティ・クラッシコ」の周辺に広がる形でDOCGキアンティとして、ルフィナ、コッリ・セネージなど7つの地域が認定されている。この地域でも生産者の力量しだいで、高名なクラッシコに勝るとも劣らないワインも生まれている。

    トスカーナについて

    サンジョヴェーゼ品種の最重要生産地であり、その王国。20世紀末の短期間、主に伝統産地外の沿岸部などで、ボルドー品種とバリック新樽を用いた濃厚なワインが“スーパー・タスカン”と称され、世界を席巻したが、近年はよりピュアにサンジョヴェーゼの美点を追求する生産者に再び注目が集まっている。ただし区分したいのは“スーパー・タスカン”の中でもかつては主にキアンティ・クラッシコDOCG法外だった100%サンジョヴェーゼを敢行したゆえのワインたち。それらの生産者の中には、サンジョヴェーゼ100%がDOCG法認可された後も、IGTにとどまり偉大な深みを持つワインを生み続ける生産者が少なくなく、同じ“スーパー・タスカン”の中でもボルドー品種主体のものとは区別して把握・評価するべきだろう。また、この州の人々は歴史的に進取の気性に富み、常に探求と挑戦と共にワイン造りも変化する。その様子を、ヒュー・ジョンソンは「旧世界の中の新世界」とさえ評している。

    IGT Toscana Bianco – In Albis 2021
    トスカーナ・ビアンコ イン・アルビス 2021

    品種:トレッビアーノ・トスカーノ
    植樹:2008年
    位置:標高250m、北~北東向き
    土壌:マルヌ、砂を含む粘土石灰質
    醸造:12度で数日間スキンコンタクト後プレス、デブルバージュを行う。コンクリートタンクで醗酵。コンクリートタンクで2年間熟成

    Albis=白(ラテン語)。瓶詰後1年間の瓶熟成を行ってからリリースされる。
    ¥4950

    Chianti Rufina
    キアンティ・ルフィーナ

    品種:サンジョヴェーゼ主体、コロリーノ、カナイオーロ
    植樹:1970年、1996年、1998年
    位置:標高400m、南~南西向き
    土壌:マルヌ、砂を含む粘土石灰質
    醸造:ステンレスタンクとコンクリートタンクで25~28日マセレーション。コンクリートタンクと一部木製樽で18~24ヵ月間熟成

    ブドウの成熟度をできるるだけそろえるため、同じ畑でも複数回に分けて収穫が行われる。キアンティ・クラッシコに比べて涼しい気候で知られるルフィナ地区の典型的な個性を備え、サンジョヴェーゼを主体に、高めの酸と引き締まった骨格を特徴としている。

    ややガーネットがかったルビー色、しっとりと落ち着いた印象、心静かにして向き合うことを求められるような、陰影のある複雑精緻な香り。深みがありながらも、押しつけがましいところが皆無。液体はやや硬質的、酸はほどよく引き締まり、よく彫刻され余計なものが削ぎ落されたような印象。内容・厚みが共にありながら、浮遊感さえ漂わせるような力みの無さに表れる品の良さ。タンニンの粗さがまだ少しあるかもしれないが、静かに時間をかけて向き合って頂く価値のあるワイン。
    ¥4510 (2022)

  • VinB

    VinB

    ヴィンビ

    イタリア / シチリア

    シチリア島南東部、キアラモンテ・グルフィ出身の二人が手がけるヴィンビは、隣接するヴィットーリアを含む地域を拠点に2022年に設立された。ロンドンの星付きレストランでヘッドソムリエを務めたビアージョと、トリノでITや飲食業界を経てワインに魅せられたヴィットーリオ、都市でのキャリアに区切りをつけ、シチリアへと戻る。偶然にも2018年にそれぞれがヴィットーリアのアイコニックなワイナリーの元で修業を始めたのだった。
    ヴィットーリオの祖父の古いパルメントを修復し、0.5haの畑から始まったワイナリーは、2025年には5haのブドウ畑と3haのオリーブ園へと拡大。自然酵母による発酵、瓶詰め時のみの亜硫酸添加、デリケートな抽出によって、繊細で柔らかな飲み心地を追求する。リジェネラティブ農業と有機栽培を通じて、土地の個性を静かに引き出すワイン造りを行っている。

    ヴィットーリアについて

    フラッパートとネーロ・ダーヴォラの赤2品種がヴィットーリアのあるラグーザ地方では最重要品種となっている。紀元前3世紀からのブドウ栽培を物語る品が発掘される地域ではあるものの、1970年代までは生産者の元で瓶詰めされることは少なく、多くのシチリアのブドウ栽培地域同様、北部のワイン産地への糖度の高い果汁の提供がブドウ果汁の主な用途だった。1980年代以降、若手を中心に元詰めを行う栽培・醸造家が増え始める。大学の同級生3人が集ってワイン造りを始めたC.O.Sなどはその良い例だろう。2005年にはチェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアはシチリア唯一のDOCGに認定された。 チェラスオーロ・ディ・ヴィットーリアには、イタリアのDOCG赤ワインからイメージされるような色や抽出物の濃さはなく、チェラスオーロ(=サクランボのような)と名付けられているように、赤い軽やかな果実が香り、色合いはロゼではなく薄い赤色。

    シチリアについて

    東西約300km(トリノ~フィレンツェ間とほぼ同距離)、南北約180kmに渡って広がる地中海最大の島。最南端はチュニジアの首都チュニスより緯度が南となり多くの地域は非常に乾燥する。東部に標高3,329mの活火山エトナ山、中南部に真っ白な石灰岩が海岸に露出するカルタニセッタ、赤い酸化鉄を含んだ土壌が散在するラグーザなど極めて多彩なテロワールを持つ。かつてはヨーロッパ最大のバルクワイン供給地の一つだったが、1990年代後半以降は品質志向のワイナリーが出現、2000年以降はいわゆる国際的スタイルからの脱却も少しづづ進んでいる。またこの島は固有品種の宝庫とも言われ、黒ブドウでは重厚なネロ・ダーヴォラ、繊細でフローラル、かつ高い酸のネレッロ・マスカレーゼ、フラッパートほか。白ブドウではグリッロ、カッリカンテ、カタラットなどに世界から特に注目が集まっている。現在はイタリア内外の有名生産者が、シチリアはエトナの山麗に畑を求めるブームが活火山のように燃えさかっている最中である。

    IGT Terre Siciliane Rosso – Viaggio ad Est 2023
    テッレ・シチリアーネ・ロッソ ヴィアッジョ・アデスト

    品種:ネーロ・ダーヴォラ
    樹齢:2000年代
    位置:標高20m、海から2km、北向き
    土壌:粘土質、石灰質
    醸造:半量は除梗、もう半量は全房のまま、グラスファイバータンクで約7日間のマセレーション、その間ピジャージュおよびルモンタージュは行わない。グラスファイバータンクで7ヵ月間熟成。無濾過・無清澄で瓶詰め。

    ヴィンビより東に位置するパキーノ産の買いブドウで醸造したため、Viaggio ad Est(=東への旅)と名付けた。短い期間の軽やかな抽出。果実味は控えめでネーロ・ダーヴォラの還元的な品種特性があり、のびやかな、直線的な後味。
    ¥4620

  • Valdibella

    Valdibella

    ヴァルディベッラ

    イタリア/シチリア

    ヴァルディベッラはもともと1990年に、「地元の生産者を巻きこんで、テロワールを尊重しながら、栽培から瓶詰まですべての段階をフォローする」という考えの元立ち上げられた、トマス&ギーセンという会社が各地で造る協同組合の一つだった。ヴァルディベッラは、ムニールをつくっていたが、徐々に規模が大きくなり、トマス&ギーセンのもとを離れ、自分たちで販売まで管理するようになる。現在は同じ考えを共有する複数の農家が経営しており、「自身の土地から最大限生み出し、最大限与える。そこで働くすべての人と自然をとりまく、現実を認識し、持続可能な農業を行う」をモットーに経営にあたっている。彼らのHPにはビオ栽培や醸造に関するページだけでなく、「倫理」と書かれたページが存在し、2004年にシチリアで広がった、アッディオピッツォと呼ばれるマフィアの存在に反対するムーヴメントへの賛同の意が掲げられている。

    シチリアについて

    東西約300km(トリノ~フィレンツェ間とほぼ同距離)、南北約180kmに渡って広がる地中海最大の島。最南端はチュニジアの首都チュニスより緯度が南となり多くの地域は非常に乾燥する。東部に標高3,329mの活火山エトナ山、中南部に真っ白な石灰岩が海岸に露出するカルタニセッタ、赤い酸化鉄を含んだ土壌が散在するラグーザなど極めて多彩なテロワールを持つ。かつてはヨーロッパ最大のバルクワイン供給地の一つだったが、1990年代後半以降は品質志向のワイナリーが出現、2000年以降はいわゆる国際的スタイルからの脱却も少しづづ進んでいる。またこの島は固有品種の宝庫とも言われ、黒ブドウでは重厚なネロ・ダーヴォラ、繊細でフローラル、かつ高い酸のネレッロ・マスカレーゼ、フラッパートほか。白ブドウではグリッロ、カッリカンテ、カタラットなどに世界から特に注目が集まっている。現在はイタリア内外の有名生産者が、シチリアはエトナの山麗に畑を求めるブームが活火山のように燃えさかっている最中である。

    Sicilia – Munir
    シチリア ムニール

    品種:カタラット100%
    植樹:2005年、 1995年、1980年
    位置:標高500m、北・東
    土壌:褐色土、粘土、石灰質
    醸造:ステンレスタンク醗酵。ステンレスタンクで6~8ヵ月間熟成

    ムニールとは、827年から約200年に渡りシチリアを支配したアラブの言葉で「光」を意味する。光は彼らの土地を最も特徴づける要素であり、自分たちのワインも光で溢れたものであって欲しいとの願いが込められている。エチケットには、イタリアを代表する楽器であるタンバリンが描かれている。北イタリアのアーティストが手掛けた。

    Sicilia – Isolano
    シチリア イゾラーノ

    品種:カタラット・エクストラ・ルチド100%
    位置:標高400m、北向き
    土壌:粘土石灰質
    醸造:ステンレスタンクで10日間マセレーション。ステンレスタンクで熟成

    アルベレッロに仕立てられた、カタラット。標高も高く、北向きのより冷涼な環境で育ったブドウを、軽くマセレーションすることで、味わいに厚みを与える。エクストラ・ルチドとは、正式なクローン名。

    IGP Terre Siciliane – Zibibò
    テッレ・シチリアーネ ジビボ

    品種:ジビッボ100%
    位置:標高400~600m
    土壌:粘土石灰質
    醸造:一晩のコールドマセレーション。ステンレスタンクで醗酵。ステンレスタンクで熟成

    モスカート・ダレッサンドリアのシチリア西部での呼び名はジビッボとして有名だが、さらに彼らの地元であるカンポレアーレではZi bi Bòと呼ばれる。豊かな果実味の味わいで、満たされる。

    IGP Terre Siciliane – Libera 2021
    テッレ・シチリアーネ リベラ

    品種:カタラット100%
    位置:標高400~600m
    土壌:粘土石灰質
    醸造:除梗後、低温(8℃)のタンクで保管。翌日、発酵中のモスト(前週に収穫された同じ畑のブドウのもの)が加えられる。約12日間続くアルコール発酵が終わる少し前に、果皮を分離する澱とともにステンレスタンクで5ヵ月間熟成。

    アルベレッロに仕立てられたカタラットを、亜硫酸無添加で瓶詰めした。
    口当たりがよく、落ち着きのある味筋。エチケットには、「sosteniamo l’agricoltura libera(=わたしたちは自由な農業を支持します)」と記載され、土地への敬意を払った持続可能な栽培への意識がエチケットのデザインにも表現されている。
    ¥2860

    Sicilia – Kerasos
    シチリア ケラソス

    品種:ネーロ・ダーヴォラ100%
    位置:海辺の畑と、標高の高い畑
    土壌:粘土石灰質
    醸造:ステンレスタンクで10日間マセレーション。ステンレスタンクと木製樽で8ヵ月間熟成

    海抜0mに位置し、石灰成分の多い白い畑。より標高が高く、表土の粘土層の厚い畑。2つの異なった特徴の畑のブドウをブレンドし、酸と果実味のバランスを取る。ケラソスとはギリシャ語で、さくらんぼを意味する。よく熟した赤系の果実味と、ハツラツとした酸味。

    Sicilia – Fleurs 2022
    シチリア フルール

    品種:グリッロ100%
    土壌:粘土石灰質
    醸造:収穫翌日、ブドウは圧搾され、同じ畑のブドウから前日に仕込まれた自然発酵のモストが加えられる。発酵は15℃で約20日間続く。ステンレスタンクで6ヵ月間熟成。

    しっかりと熟した果実の甘味を感じられる。
    エチケットのテーマは、「Tutto l’universo obbedisce all’amore(=宇宙は愛に従う)」と記載され、カターニア出身のシンガーソングライター、フランコ・バッティアートの歌の一節から引用した。
    ¥2420