月: 2026年1月

  • Iago Bitarishvili

    Iago Bitarishvili

    イアゴ・ビタリシュヴィリ

    ジョージア / カルトゥリ

    イアゴは首都トビリシから北西に車で一時間、カルトゥリ地方、ムツヘタ村にワイナリーを構える。ジョージアで初めてバイオロジック栽培の認証を取得した(2005年)ワイナリーでもあり、2010年には仲間たちとジョージア国内初のワインフェスティバルを開催するなど、伝統的なジョージア・ワインの復興に努めている。当時は数えるほどの小規模生産者しか存在しなかったが、それ以降ジョージアのワイン業界はとてつもない速さで進化してきているそうでこの大きな進化の中でも、イアゴは小規模なワイナリーであることにこだわっている。「ナチュラル・ワインは畑から始まる。自分たちはすべてを手作業で行い、手作業でできる範囲のことしかしない。もしも自分がワイナリーのマネージャーになれば、ビジネスは大きくなるかもしれないが、それでは自分のワインではなくなってしまう。」とイアゴは話し、現在4haの畑から約8000本/年のワインを生産している。

    カルトゥリについて

    ジョージアのほぼ中央に位置する産地。トビリシから南へ広がり、アゼルバイジャンとアルメニアの国境に至る地域をクヴェモ・カルトゥリ(低地カルトゥリ)、トビリシ西部からイメレティ地方へ続くムトゥクヴァリ川(別名クラ川)沿いの渓谷地域をシダ・カルトゥリ(内陸カルトゥリ)という。カヘティ地方に近い東部は大陸性気候、イメレティ地方に近い西部では亜熱帯性気候の影響下にある。主要な地場品種は白がチヌリ、ゴルリ・ムツヴァネ、赤はタフクヴェリ。特にチヌリ(ジョージア古語で『素晴らしい』を意味するチネブリchinebuliもしくは『緑』chiniに由来する)は、果皮が薄く繊細でフレッシュな酸が持ち味で、カヘティ式に果皮・果肉と一緒にクヴェヴリで醸造してもそれほどタニックにはならない。カルトゥリ地方は一大消費地であるトビリシに近いことからスパークリングワインやブランデーの製造で知られるが、近年はワインツーリズムが盛んになりつつある。

    ジョージアについて

    ジョージアは黒海とコーカサス山脈に囲まれた世界最古の伝統的ワイン生産国である。面積は北海道の約83%にすぎないが、400種類以上におよぶ地場品種の宝庫であり、約8000年前からワイン造りが行われて来た。ヨーロッパとアジアの接点に位置し、幾たびも異民族の侵略にさらされてきたが、4世紀にキリスト教国となって以来、ワインは信仰とともに人々の生活に根付き、途切れることなく醸造されている。ソヴィエト連邦の支配下でも、人々は太古と同じやり方で庭の一角に埋めた甕(クヴェヴリ)で自家消費用のワインを作り続けた。1991年の独立後、最大の輸出先であったロシアが2006年にジョージア産ワインの輸入を禁止したことがきっかけとなって、伝統的醸造手法の持つ意味と価値が見直され、2013年にクヴェヴリによるワイン醸造がユネスコ世界無形文化遺産に登録された。クヴェヴリで醸造されたワインは大半が自家消費用のため市場に出回る量は少ないが、工業的な醸造の対極にある自然な手法として世界的に注目を集めている。

    Chinuri 2023 (Maceration 7 month)
    チヌリ(スキンコンタクト有り)

    品種:チヌリ100%
    植樹:1960年代
    位置:550m、南向き
    土壌:礫と小石を多く含む 粘土石灰質
    醸造:クヴェヴリで6ヵ月間スキンコンタクトクヴェヴリで熟成

    Chini:チニとはジョージア語で薄い緑色を意味し、チヌリの名もその果皮の色合いが由来とされている。スキンコンタクトを長くしても、それほど色素やタンニンなどの果皮成分は抽出されない。2016VTから、エチケットを変えた。イアゴ本人が全体重をかけて、ピジャージュをしている様子を収めた写真がモチーフ。
    ¥4840

  • Christian Ducroux

    Christian Ducroux

    クリスチャン・デュクルー

    フランス / ボジョレ

    ティボー・デュクルーは2024年、父クリスチャンの後を継いだ。クリスチャンは1980年代からビオロジック栽培を実践し、栽培や醸造への取り組み方から一目置かれる存在であった。ティボーはボーヌ近郊で栽培・醸造を学んだのちワイナリーに戻り、父と数年働き6haの畑を受け継ぐ。1haあたり10,000本の高密植、果樹の植わるブドウ畑、そして3頭の馬による耕作は、父の代から変わらぬ景色だ。セラーは家族で共有する民家にあり、古い木製の垂直プレスや醗酵槽が今も現役だが、醗酵槽は老朽化に伴い徐々にステンレスタンクへ移行している。ガメは区画ではなく、マセレーション後の果汁の性質で3つのキュヴェに分けるという独自の手法で、フリーランジュースの【プロローグ】、1度目のプレスの【エクスペクタシア】、2度目以降のプレスの【パシアンス】へと振り分けられる。独自のワイン観や農的世界観を持った、稀有な造り手である。

    ボジョレについて

    マコンのすぐ南からリヨンまで約50km間の細長い丘陵地帯に広がる生産地。ガメイによる、一般的には新鮮でフルーティ、かつ軽やかな赤が多い。土壌は南部の粘土がちな平地と、北部の標高450m前後に達する花崗岩の丘陵に大きく分かれる。特に北部のサンタムールからブルイイにかけて広がる10村が認定された<クリュ・ボジョレワイン>と、その周縁の<ボジョレ・ヴィラージュ>は、最上の年には花崗岩とガメイとの相性を見事に表現する濃密な味わい。特に卓越した醸造家によるクリュ・ボジョレは、強烈な風味が熟成するまで数年を要し、頭のくらくらする芳醇なものもある。またこの地はフランスで最も早く亜硫酸無添加でのワイン造りを志したジュール・ショヴェと、その教え子として1980年代初頭からヴァン・ナチュレルを手がけた偉大な先駆者、マルセル・ラピエールの本拠地として、畏敬される土地でもある。

    VdF – Exspectatia
    エクスペクタシア

    品種:ガメ100%
    土壌:ピンク色花崗岩
    醸造:開放醗酵槽で2-3週間マセレーション古樽で9か月醗酵

    “Exspectatia:期待”
    時の第三の相…創造の時間の中に、自由の存在を確かなものにするもの(5C.アウグスティヌス)
    マセレーション後の1度目のプレスで得られた果汁のみを使用。
    ¥4840 (2023)