投稿者: amala

  • Salvatore Molettieri

    Salvatore Molettieri

    サルヴァトーレ・モレッティエーリ

    イタリア / カンパーニャ

    敬意と共に「南のバローロ」と称賛される、カンパーニャ州DOCGの帝王格、タウラージの生産者。ナポリから東に約50kmの内陸で、人を拒絶するかのような急峻な山岳地帯、アヴェリーノ県に広がるタウラージDOCG。その中でも歴史的に最上と畏敬される2つの区画のうちの一つ、モンテマラーノの土壌が育むアリアニコが生産の中心。火山性土壌と、石灰質土壌の混在する地域で、区画やブドウの樹齢の違いによる、根の張り方によって、ワインの性格は大きく変わる。サルヴァトーレ・モレッティエーリがこの地を取得したのは1983年。生産する赤ワインは全て同区画(チンクエ・クエルチェ)のアリアニコ100%だが、樹齢の差によりタウラージ・リセルヴァからIGTイルピーニャ・アリアニコまでを区分する。タウラージは、イタリア南部随一の高貴品種アリアニコの傑作であるが、高い酸と多量のフェノール類、エキス分を持ち、リリース直後は近寄りがたいほどの厳格さを持つ。しかし10年近くの熟成により、バラのドライフラワーなど、華麗で官能的なアロマと、深遠かつ長大な余韻という、古典的アリアニコの偉大な特性を見事に表現する。

    カンパーニャについて

    南イタリアの中心州。州都は活火山ヴェスヴィウス山を臨むナポリ。このヴェスヴィウス山などがもたらした火山性土壌が古来より卓越したワインを育む要素とされた。特に古代ローマ人はファレルヌム、アッヴェリーノといったこの地のワインを讃えていた。1993年、南イタリアで最初のDOCGとなったワイン、タウラージも州内陸の急峻な山地、アッヴェリーノ県の産。同県は、際立って格調高い酸とミネラルを持つ二種の白のDOCG、フィアーノ・ディ・アッヴェリーノ、グレーコ・ディ・トゥーフォも産し、こちらも見逃せない。またこの州は、明快な個性を持つ固有品種のヴァリエーションでも注目すべき州。南イタリア・赤品種の王様格で、タウラージを生むアリアニコ以外にもビアンコレッラ(Biancolella)、ファランギーナ、ピエーディロッソ(Piedirosso)、パラグレッロ・ネーロ、グラニャーノなど。多彩で特徴的な品種への着眼と研究が進み、さらなる活況を州のワインに加えている。

    Greco di Tufo 
    グレコ・ディ・トゥーフォ

    品種:グレコ100%
    植樹:2000年代
    位置:標高550-600m、南西向き
    土壌:火山性粘土質
    醸造 マセレーションなし ステンレスタンクで醗酵 ステンレスタンクで12ヵ月間熟成

    杏を思わせるグレコ種の香り。火山性 土壌由来のややスモーキーなニュアン ス。複雑で、味わいもしっかりとして いるが、モレッティエーリは限りなく エレガントに仕上げる。
    ¥3850 (2023)
    ¥3740 (2022)

    Irpinia Aglianico – Cinque Querce 2020
    イルピーニア・アリアニコ チンクエ・クエルチェ

    品種:アリアニコ100%
    植樹:2000年
    位置:標高500-600m、南東向き
    土壌:粘土石灰質
    醸造 ステンレスタンクで醗酵 バリックと大樽で24ヵ月間熟成

    透明感のあるルビー。チェリーのよう な可愛らしさを持ちつつも深い果実 香、豊富なタンニン、充実した酸を連 想する、重層性ある香り。香り通りの どっしり構えた味筋なのに非常に重心 が高く、冷ややかさすらも感じる事が できるのは、標高500mを超える畑の 環境のおかげか。
    ¥3740

    Fiano di Avellino Apianum 2023
    フィアーノ・ディ・アヴェッリーノ アピアヌム 2023

    品種:フィアーノ100%
    植樹:2000年代
    位置:標高500-550m、南東向き
    土壌:粘土石灰質
    醸造:マセレーションなし。ステンレスタンクで醗酵。ステンレスタンクで12ヵ月間熟成。

    アピアヌムの区画に植えられるフィアーノ。光沢のあるイエロー。アロマティックで青リンゴや生のアーモンドが香る。新鮮な果実味をストレートに出しており、酸は高くレモンのようなシャープが特徴だが、抜栓後には美しく変化(調和)していく。
    ¥3850

    Taurasi Riserva – Vigna Cinque Querce 2016
    タウラージ ヴィーニャ・チンクエ・クエルチェ

    品種:アリアニコ100%
    植樹:1997年
    位置:標高550-600m、南東向き
    土壌:粘土石灰質
    醸造:ステンレスタンクで醗酵。バリックと大樽で48ヵ月間熟成。

    熟成ポテンシャルの非常に高いワイン。威風堂々と言った様子で、派手過ぎない樽香も、長期の樽熟成と瓶熟成により、リリース前にはブドウの香りと一体になっている。
    ¥10340

  • Boscarelli

    Boscarelli

    イタリア / トスカーナ

    ワイナリー創設は1962年のこと、現当主のルーカとニコロ兄弟の祖父に当たるエジディオ・コッラーディが元詰めを始めた。年産2000本の小さなワイナリーから、現在は100000本ほどのワインを造るワイナリーへと成長したが、祖父の代からの精神を忘れずエントリーレベルのワインでも手摘みを行うなど、品質管理へは余念がない。2000年代以前はメルロなどのインターナショナル品種の存在感も強かったが、近年2010年以降は、コロリーノやカナイオーロなどの地品種のポテンシャルへと改めて目を向けている。セラーはブドウ畑の中央にあり、古い牛舎の一部を改装したところから少しずつ増築している。手狭ながら管理の行き届いた醸造を行うための設備は整っており、目指すワインのスタイルはどの時代も優雅さと飲み心地の良さを目指してきた。

    モンテプルチアーノについて

    イタリア全土でも屈指の銘醸地としての歴史と栄誉を誇る町。9世紀のブドウ畑の権利譲渡に関する書類、16世紀ローマ教皇食料番による「教皇が偏愛する完璧なワイン」との記述も今に残る。町はモンタルチーノから東北東に25kmほどの内陸部。一般的には土壌はより粘土がちで固く、平均気温もモンタルチーノよりやや低い。かつてM・クレイマーは「トスカーナの名のあるワインの中でも、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノほど品質の落ちぶれたワインはない」とまで書いた。しかし、2010年前後からの品質指向の徹底と、国際品種ブレンド率の低減で、今やこの地域は“高貴な(=ノービレ)”サンジョヴェーゼの産地として、最も注目すべき産地の一つに生まれ変わったと言っても過言ではない。ゆえM.W.ニコラス・ベルフレージの「モンタルチーノのワインはモンテプルチアーノのそれより値段が2倍高い。だが美味しさも2倍だろうか?」という問題提起は、年ごとに重みを増している。

    トスカーナについて

    サンジョヴェーゼ品種の最重要生産地であり、その王国。20世紀末の短期間、主に伝統産地外の沿岸部などで、ボルドー品種とバリック新樽を用いた濃厚なワインが“スーパー・タスカン”と称され、世界を席巻したが、近年はよりピュアにサンジョヴェーゼの美点を追求する生産者に再び注目が集まっている。ただし区分したいのは“スーパー・タスカン”の中でもかつては主にキアンティ・クラッシコDOCG法外だった100%サンジョヴェーゼを敢行したゆえのワインたち。それらの生産者の中には、サンジョヴェーゼ100%がDOCG法認可された後も、IGTにとどまり偉大な深みを持つワインを生み続ける生産者が少なくなく、同じ“スーパー・タスカン”の中でもボルドー品種主体のものとは区別して把握・評価するべきだろう。また、この州の人々は歴史的に進取の気性に富み、常に探求と挑戦と共にワイン造りも変化する。その様子を、ヒュー・ジョンソンは「旧世界の中の新世界」とさえ評している。

    Vino Nobile di Montepulciano
    ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ

    品種:プルニョーロ・ジェンティーレ85%、コロリーノ、マンモーロ、カナイオーロ
    土壌:砂を含んだ石灰質土壌
    醸造:小さな木製の発酵槽およびステンレスタンクで醗酵。1~2週間のマセレーション。フレンチオーク樽もしくはスラヴォニアンオーク樽で18~24ヵ月間熟成。

    清涼感、優雅さ、複雑さ、そして熟成能力をバランスよく備えた、ワイナリーの生産量の約半分を占める名刺代わりのワイン。

    複雑味と果実の厚みがあり、赤系果実と少しだけ森の下草のようなアーシ―なニュアンス。ジューシーで開いた味わいで且つしっとりとした落ち着きのあるワインで、寒い時期により一層魅力を増すワイン。

    ややガーネットがかったルビー色、中程度の濃さ。開いた果実味の香り、赤系果実、熟成感よりもフレッシュで瑞々しさがよく表れている。タンニンは細かく、しなやかで、果実味は優しくジューシーなテクスチュア。後味にやや腐葉系の風味が残る。ミディアムボディで内容が充実していながら、飲みやすさもある。
    ¥5280 (2022)
    ¥5170 (2021)

    Rosso di Montepulciano “Prugnolo”
    ロッソ・ディ・モンテプルチアーノ “プルニョーロ”

    品種:プルニョーロ・ジェンティーレ主体、マンモーロ
    土壌:石灰質土壌
    醸造:ステンレスタンクで醗酵。セメントタンクで数ヵ月間熟成

    収穫年の翌年3月にはリリースされる、気軽な飲み口の赤ワイン。サンジョヴェーゼ(プルニョーロ・ジェンティーレ)由来の果実味にマンモーロがスパイスのニュアンスを与える。ワイナリーで一番若いブドウが使われるため、骨格よりも明るい香り豊かな、親しみのある味わいに仕上がっている。
    ¥3300 (2023)

  • Cinque Campi

    Cinque Campi

    チンクエ・カンピ

    イタリア / エミリア=ロマーニャ

    ビオロジック栽培や、ビオディナミ調剤の散布だけでなく、一部の畑で不耕起栽培にも挑む情熱的生産者。造り手のヴァンニ・ニッツォリは、レッジョ・エミリア近郊で約200年続く農家の家系。2003年に当主となると同時に自社瓶詰めを開始した。所有する計20haのうち、ブドウ畑は4haで、その他、麦や野菜も栽培。IGPランブルスコ・デッレミリアは、比較的収量の少ないランブルスコ・グラスパロッサ品種を中心に、約10種のランブルスコ品種をブレンドしている。瓶内二次発酵を行っているが、一般的な糖分添加ではなく、同じヴィンテッジのブドウの果汁を冷却してとっておき、一次発酵後にブレンドする。泡は緻密で、ランブルスコ系品種の野性味と酸味をキレイにまとめ上げ、ドライな味わい。アタックからアフターまで、一貫して感じられる味わいの透明感は、赤のスプマンテというスタイルが苦手だった人にも、アピール力が大きいだけでなく、従来のランブルスコ観を覆す革命的な存在である。トレッビアーノによるスプマンテは、自根・樹齢100年以上の古木から生産。ともに醸造時亜硫酸無添加。バルサミコ酢も非常に伝統的な製法で少量生産する。

    エミリア=ロマーニャについて

    トスカーナとロンバルディアに挟まれるよう、東西に細長く広がる州。西部のエミリア地方は、発泡性赤ワイン、ランブルスコの中心地。やや甘口の印象が強いランブルスコだが、実際は全生産量のうち70%以上が辛口となる。またランブルスコ品種は、約70種もの亜種があり、フレッシュでキレの良い酸を持つランブルスコ・ソルバーラ、陰影あるタンニンを持つランブルスコ・グラスパロッサなど、ランブルスコの優良品種を区分する動きが近年高まっている。州東部のロマーニャ地方はサンジョヴェーゼとトレッビアーノが主体。特にロマーニャ南部、トスカーナ州境側の標高200~500m前後の丘陵地帯で、低収量・高品質を目指す生産者の活動が、2010年前後以降活発化。「大量生産で悪名高かった州」というイメージの部分的払拭が始まりつつある。文化レベルの高さでも知られる州で、作曲家のヴェルディ、指揮者のトスカニーニ、オペラ歌手のパヴァロッティ、映画監督のフェリーニがこの州の出身である。

    IGT Trebbiano dell’Emilia Frizzante – Terbianc
    トレッビアーノ・デッレミリア・フリッツァンテ テルビアンク

    品種:トレッビアーノ
    植樹:1900年代
    位置:標高160m、東,南東
    土壌:砂質混じりの粘土石灰土壌
    醸造:約5日間マセレーション。セメントタンクで発酵。瓶詰め時に、同VTの冷蔵保存していた収穫時の果汁を一緒に詰め、瓶内二次発酵。

    テルビアンクとは、方言でトレッビアーノのこと。エミリア・ロマーニャのスパークリングらしく、熟した果実の風味がある。藁色をしており、果汁だけでなく、素直な果皮の味わいも適度に感じられる。

    良く熟した黄色の果実の明るさがありながら、酸は柑橘系、メントールや軽快な苦みを伴うニュアンスがあり、爽快。
    ¥4070 (2022)
    ¥4290 (2023)

    IGT Lambrusco dell’Emilia Frizzante – Cinquecampi Rosso
    ランブルスコ・デッレミリア・フリッツァンテ チンクエカンピ・ロッソ

    品種:ランブルスコ・グラスパロッサ、マルボ・ジェンティーレ、マルツェミーノなど
    植樹:1950年、1985年、2005年
    位置:標高150m、東・西
    土壌:砂質混じりの粘土石灰土壌
    醸造:10日間マセレーション。栗の木樽で醗酵。瓶詰め時に、同VTの冷蔵保存していた収穫時の果汁を一緒に詰め、瓶内二次発酵。1年間瓶内熟成。

    果皮の成分の抽出をしっかりとしているにもかかわらず、泡とタンニンが邪魔し合わないランブルスコ。夏に訪問すると、生ハムメロンとこのランブルスコを飲ませてくれるが、その味わいの鮮烈なことと言ったらない。アペリティブや軽めの食中酒として、大活躍。

    赤のスパークリングというと、華やかで少し甘いワインをイメージするかもしれないが、このランブルスコはアロマティックな主張が控えめで、味わいにも甘さはなく、後味ともにスッキリとしたキャラクター。泡はよく液体に溶け込んでいて、ほどよくタンニンやミネラル感などもあり、赤ワインが苦手な人もこれなら楽しめる軽やかさがある。アペリティフに、あるいは生ハム、シャルキュトリーなどと一緒に、バーや友達との集まりの場など、気軽な場に向いているワイン。
    ¥3740

    IGT Spergola dell’Emilia – Spumante Metodo Classico non dosato “Particella 128”
    スペルゴラ・デッレミリア スプマンテメトード・クラッシコ・ノン・ドザート パルティチェッラ 128

    品種:スペルゴラ100%
    植樹:1900年代
    位置:標高160m
    土壌:砂質混じりの粘土石灰土壌
    醸造:除梗後、約3日間マセレーションセメントタンクで8ヵ月間熟成瓶詰め時に、同VTの冷蔵保存していた収穫時の果汁を一緒に詰め、瓶内二次発酵8ヵ月間以上澱とともに瓶内熟成の後デゴルジュマン

    地域の地品種の中でも、酸度の高いスペルゴラ種のみの、メトード・クラッシコ。古くからこの区画(Particella)にはスペルゴラが植えられており、その区画番号が128だった。しっかりと味わいはのっているが、白い果実を感じさせる後味の長さは、古樹ならでは。
    ¥5060 (2023)

    IGT Lambrusco dell’Emilia Frizzante Rosato – Fuorleggero
    ランブルスコ・デッレミリア・フリッツァンテ・ロザートフオルレッジェーロ

    品種:ランブルスコ・グラスパロッサ100%
    植樹:2014年
    位置:標高200m、東
    土壌:砂質混じりの粘土石灰土壌
    醸造:マセレーションなし。セメントタンクで醗酵。セメントタンクで6ヵ月間熟成。瓶詰め時に、同VTの冷蔵保存していた収穫時の果汁を一緒に詰め、瓶内二次発酵

    ランブルスコ・グラスパロッサ種は、野趣があふれ酸が強い。若木で凝縮感の少ないブドウをダイレクトプレスをし、辛口のフリッツァンテ・ロザートに仕上げた。赤いベリー系の新鮮な果実が香る。
    ¥4400 (2023)

  • Dario Princic

    Dario Princic

    イタリア/フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア

    長期マセラシオンでも飲み難くなく素直な美味しさ。
    香、味わい共に開いていて難しさのないのがダリオ・プリンチッチの個性。
    ピノ・グリージョは古代クローンで圧倒的な力強さ、骨格を持ち唯一無二。

    長期マセラシオンでも軽快

    1993年に設立されたダリオ・プリンチッチ。フリウリのナチュラルワインの中心人物として、今では欠かせない存在ですが、その歴史は短く、平坦なものではありませんでした。
    『グラヴネル、ラディコン、ラ・カステッラーダ等のワインや地元のサラミ等の食材を販売しながら、自宅の1階でバールを経営しながら生活していた』
    グラヴネルやラディコン、ロンコ・セヴェッロ等は代々続いているカンティーナですが、ダリオの実家は貧しい農家で、ワインを造るなんて不可能だったのです。
    『友人である故スタンコ・ラディコンやグラヴネルのワインを飲み、その成功を見ていると自然と自分もワイン造りに興味を持つようになった。スタンコに学び、ワイン造りを開始』

    無名のダリオが造る茶色く濁ったワインは売れるはずもなく、地元の数軒のレストランと自分の経営するバールで販売し、何とか生計を立てていました。
    『10年以上経った頃、マセラシオンした白ワイン、トレベツ(3品種アッサンブラージュ)が人気となり、ようやくワイン造りだけで生活できるようになった』
    90年代、ヴィニタリー会場の通路部分にラディコン達とブースを出し、試飲させますが、その当時のソムリエやバイヤーは理解できず、欠陥ワインと言われ続けていました。
    『当時アンタッチャブルとされていたダリオ・プリンチッチを1番最初に理解し、サポートしてくれているのが日本だった。偏見なく、味覚だけでワインを判断してくれた』
    日本から逆輸入される形で、イタリアのみならず世界中で人気となり、今ではイタリアのナチュラルワインの中心人物にまで成長。畑は10haまで拡張するに至ります。
    『ラディコン、グラヴネルの重く力強いスタイルで人気となった長期マセラシオン。僕達のワインは、それまでの造り手とは違い、華やかな香があり、軽快さがあったので驚かれた』
    武骨で重厚で、少しスノッブ。少し解り難い味わいであったグラヴネルやラディコンのワインと比べて、若い内から華やかで親しみやすい味わいはダリオの人柄そのもの。
    『次男がラディコンの娘と結婚。親戚関係になった。スタンコが亡くなった事もあり、今ではラディコンとプリンチッチは畑仕事も共同で行っている』
    2人の息子とサシャ・ラディコンがお互いの畑の管理を行いながら、ダリオは醸造に専念。30年以上のワイン造りを経験して、ここ最近のダリオのワインは深みを増しています。

    アカシア、オーク、栗の木樽

    土壌は典型的ポンカ。粘土質とシルト(砂岩質)が押し固められ、もろいスレート状になったものが主体で白亜紀~第三紀漸新世の泥灰岩が混じり込んでいます。
    『ミネラルが豊富で痩せている。適度に水分を保持しながら、水はけも良いので収量は減る。凝縮した果汁を得たい造り手にとっては理想的な土壌』
    畑は全て自然農法で管理。極少量の銅、硫黄と自家製のコンポストのみが使われます。収穫1か月前まで下草は伸ばされ、畑の周囲には森が残され、生物多様性を維持しています。
    『この地域は何度も戦争で荒らされ、スロヴェニアによる統治が長かった。だから、イタリアの他の地域と違って昔ながらの農業やワイン造りが残っている』
    果皮のタンニンを使って酸化から守りながら、果皮そのものの要素を、できるだけ抽出するという、この地方で昔行われていた醸造をしながら、バランスの良い美味しさを目指しています。
    『地域性を表現していく為に今の醸造に辿り着いた。より強く地域性を表現する為、裏山の樫の樹を伐採して大樽を制作。地元の木の樽で熟成させている』
    アンフォラが注目されるが、ダリオはコッリオに歴史のないアンフォラに興味はなく、この地域の伝統であるオーク樽、アカシア樽、チェリー樽、栗の木樽での熟成に拘ります。

    ピノ・グリージョの古代クローン

    ピノ・グリージョをマセラシオンしたのはダリオが初めてでした。フルーティーでフレッシュな美味しさが個性とされてきたので、マセラシオンする造り手はいなかったのです。
    『僕達が所有するピノ・グリージョは粒が小さく、果皮が厚い珍しい昔のクローンなので、元々フレッシュ&フルーティーではなく旨味の濃厚なワインだった』
    ヨスコ・グラヴネルにも嘲笑されながら造り始めたピノ・グリージョ。当初は30日間でしたが、現在では8日間の短いマセラシオンでより品種個性を強く感じさせます。

    30年以上の醸造経験を持つダリオですが、今のワインは「まだまだ完成されていない」と言います。毎年、少しずつ新しい挑戦をしながら100歳までワインを造ると意気込んでます。
    『スタンコ・ラディコンとジュラを訪問して産膜酵母を着けたワインの可能性を感じ、一部の樽で補酒をせず、産膜酵母を着けて熟成させたワインも造り始めた』
    古い樹の強い葡萄を使って5樽中3樽に産膜酵母を着けて熟成。その後、産膜酵母なしの通常の熟成を経た2樽とアッサンブラージュしてバランスをとります。
    『セレッツィオーネは特に良い年の良い区画の葡萄のみ収穫を2週間遅らせ、通常より長く40日間マセラシオンする事で軽快さよりも重厚さや複雑味を得ている』
    通常のトレベツは20日間程度のマセラシオンで、明るい果実と人懐っこく華やかな香が特徴ですが、セレッツィオーネはラディコンのような力強く重厚なスタイル。
    年々、個性を強くしながら完成度を上げているダリオ。誰もが美味しいと感じる素直な美味しさ。「ワインは頭で飲むんじゃない。体で楽しむものだ」とダリオ。

    トレベツ
    Trevez 2020

    伝統的アッサンブラージュ
    品種:シャルドネ、フリウラーノ、ソーヴィニヨン・ブラン
    クリアで華やかで強い香り、オレンジの皮やハーブのニュアンス。ほのかに甘くグレープフルーツの様な心地の良い酸味と苦味。
    オスラヴィアの伝統的アッサンブラージュワイン。収穫はヴィンテージにもよるが、大体9月2週目よりスタート。シャルドネ、フリウラーノ、ソーヴィニヨン・ブランの順で3日に分けて収穫。木製の開放桶で別々に発酵。シャルドネとソーヴィニヨン・ブランは約15日間。フリウラーノは約20日間のマセラシオン。その後アッサンブラージュし、オーク、アカシア、チェリー、栗の様々な大きさの樽で2年間熟成。ノン・フィルター。
    ¥8,690

    トレベツ・セレツィオーネ
    Trevez Selezione 2016

    良い年の良い区画の葡萄を遅く収穫し、長くマセラシオン
    品種:シャルドネ、フリウラーノ、ソーヴィニヨン・ブラン
    トレベツの畑の中で、毎年、質の高い葡萄を着ける区画がある事に気付き、その区画の葡萄を通常の収穫よりも2週間遅く収穫。非常に高い熟度の葡萄だけなので通常より長く35~40日マセラシオンした特別キュヴェ。ワインが強いので古いバリックのみで1年長く3年間熟成。葡萄の状態が良い年のみ造る。2011年初ヴィンテージ。通常のトレベツの親しみやすさはなく、力強く濃密で大きな骨格。
    ¥12,980

    リボッラ・ジャッラ
    Ribolla Gialla 2020

    甘みとタンニンのバランスの良さ
    レモンの皮、オレンジ、ドライアプリコットの香り。ほのかに甘くほのかに塩味。存在感のある酸。
    品種:リボッラ・ジャッラ
    リボッラの伝統的な味わい。樹齢60年以上の畑。発酵は開放発酵桶で行い、野性酵母のみ。マセラシオンは20~30日間。発酵終了後は健全な澱を残したまま、色々な大きさの古樽に入れて30ヶ月間熟成。その後、アッサンブラージュしてステンレスタンクで3ヶ月熟成。ノンフィルターでボトリング。2016年から地元の樹(栗、アカシア、オーク)の樽で熟成している。
    ¥8,690

    ファヴォラ
    Favola 2018

    最高の年!ダリオの理想のワイン
    品種:ソーヴィニヨン、フリウラーノ、シャルドネ、リボッラ、マルヴァジア、ピノ・ビアンコの6 種類。
    高樹齢(60~70 年)の葡萄のみを遅摘みで収穫。6種全ての葡萄を、一緒に開放発酵樽で発酵しながらマセラシオン30日間。熟成は健全な澱を残したまま、オスラヴィアの森のオークから作った大樽で36ヶ月間。ダリオが考える最高のワイン。2008年の初ヴィンテージ以降、非常に良年であった2018年に3度目の生産を決定。
    ¥15,400

  • Borgo Antico

    Borgo Antico

    ボルゴ・アンティコ

    イタリア / ヴェネト

    1973年に父親が始めたワイナリーを現当主レオナルド・マルケージンが引き継いだのは1990年代のこと。コネリアーノにはイタリアで一番古いワイン醸造学校があり、レオナルドもそこで醸造学を修めたのち、1995年からワイン造りに本格的に参加する。父親と畑で過ごした時間はこれの大切な原風景であり、学校で学んだことよりも父親から教えられたことも、現在のワイン造りに大いに活かされているという。30haの畑のほとんどはワイナリーの周りにあり、ブドウが摘まれてから素早くセラーに運ばれる。果汁やワインがチューブを通るときは、常に二酸化炭素をタンクやチューブに注入しながら作業をしており、プロセッコにおける果汁を酸化をさせない醸造の重要性だ、とレオナルド。その甲斐あって繊細なアロマは保たれつつ、シュールリー熟成や適切なバトナ―ジュにより、ふくよかな味わいが引き出され、絶妙なバランスのプロセッコ、そのほかのスパークリングワインが生み出される。

    プロセッコについて

    イタリア最大のスパークリング・ワイン産地。2009年以来DOCG地区とDOC地区に分かれる。DOCG地区は最も伝統的な産地で、ヴェネツィアからほぼ真北に50kmのコネリアーノの町と、そこから23km西のヴァルドッビアーデネの町の間に広がる、標高50~500mの丘陵地帯、約6000haが中心。DOCプロセッコに、ヴィツェンツァからトリエステにまで至る平野部、計14,000haが含まれる。DOCプロセッコは18t/haもの非常に高い収量が容認され、2013年にはのべ3億本が生産された。DOCGエリアの法定収量は、地区により12t~13.5t/haが上限。製法は、大半が二次発酵を大型耐圧タンクで行うシャルマー方式だが、「より興味深い」のはコル・フォンド(=澱あり、の意味)と呼ばれる、デゴルジュマンなしの瓶内二次発酵プロセッコ。辛口でほとんどのプロセッコが備えないミネラルを持ち、2年ほどの熟成にも耐える。コネリアーノの町は1876年、イタリア最古のワイン醸造学校が誕生した歴史を誇る。

    ヴェネトについて

    イタリア北東部、ヴェネツィアを州都とする州。イタリアの中では平野部が多く、全面積の56.4%が平地、丘陵地帯が14.5%。ワインの生産量の面でも、常にシチリアやプーリアと共に、同国のトップ3を争う。量の面でも知名度の面でも、この州の三大重要DOCは、イタリア最大の湖、ガルダ湖からの温かい風の影響を受けるヴェローナ周辺の丘陵地帯を中心に生まれるバルドリーノ、ヴァルポリチェッラ、そしてソアヴェとなる。いずれも一時期(極少数の偉大な生産者を除き)、人気に甘えた安易な大量生産で品質が低下したり、低迷した時期もあったが最近ようやく復活しつつある。また近年では生産地を拡大し、辛口化を推し進めたDOCプロセッコの生産と輸出の急伸長も、大きな話題になっている。プロセッコは2013年にはついにシャンパーニュを、輸出量の面では追い越した(ただしDOCプロセッコの生産可能地域は、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州にまたがっている)。

    Conegliano Valdobbiadene Prosecco Superiore –
    Brut Millesimato
    コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ・プロセッコ・スペリオーレ
    ブリュット・ミッレジマート

    品種:グレーラ100%
    土壌:モレーン(氷河が削った、岩石、土砂)由来、分厚い粘土層
    醸造:ブドウの半分は除梗をして、ステンレスタンクで18時間のコールドマセレーション。もう半分は全梗でプレスしたものをステンレス発酵。

    アカシアの白い花、熟れきる前のリンゴ、洋ナシが香る。辛口で明確なフルーツと白い花を思わせる、調和のとれた味わいが長く続く。糖分を残してあるが、甘すぎず、一口飲むと続いて飲みたくなる味わい。
    ¥3300 (2022)
    ¥3080

    Verdì – IGP Colli Trevigiani Vino Frizzante
    ヴェルディ コッリ・トレヴィジャーニ・ヴィーノ・フリッツァンテ

    品種:ヴェルディーゾ100%
    植樹:1996年
    位置:標高120m、北向き・南向き
    土壌:モレーン(氷河が削った、岩石、土砂)由来、分厚い粘土層
    醸造:全房のブドウをソフトプレスし、圧力式ステンレスタンクで果汁を醗酵。瓶詰めし残糖分を更に醗酵させ3~4ヵ月間瓶熟成。メトード・シャルマというよりはメトード・アンセストラルに近い。

    ヴェルディーゾは今では消え去りつつあるトレヴィーゾの地品種。当主のレオナルドは、この品種を後世に残すべく本キュヴェを造り出す。キレの良い酸が特徴だが、熟成中のバトナ―ジュと細かな澱を残した状態で出荷するため、味の載りもよい。裏ラベルにも「澱とよく混ぜることで今までにない感覚が味わえます」とある。
    ¥2860 (2022)