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    Kir-Yianni

    キリ・ヤーニ

    ギリシャ / ノーザン・グリース

    伝統とモダンが見事に融合!北ギリシャ、西マケドニア地方で生まれる高貴なブドウ「クシノマヴロ」

    世界のTOPソムリエや評論家、マスター・オブ・ワイン達がギリシャ最高峰の造り手として認める「キリ・ヤーニ」。そのルーツは1879年からワイン造りを行ってきた老舗ワイナリー「ブタリ・ワイン」にあります。


    「ブタリ・ワイン」は、当時アンフォラを使用しワインが保管されていたギリシャにおいて、最初にガラス製の瓶で瓶詰めを行い、現代ギリシャワインの幕開けともいえる功績を残した名門ワイナリーです。


    キリ・ヤーニの創設者であるヤーニス・ブタリス氏はこの「ブタリ・ワイン」を経営するブタリス家の4代目として生まれ、ギリシャの多彩なテロワールに早くから目を向けた先駆者でもありました。ブタリ・ワインでは、ブドウ栽培農家からブドウを購入しワイン造りを行ってきましたが、ヤーニス氏は“テロワールを重視した高品質なワインを造りたい”という確固たるビジョンと熱い情熱を抱き、新たな道に進みます。そして、1997年に北ギリシャ、ナウサの森の中に土地を購入しブドウ畑を一から開墾。地ブドウである固有品種のクシノマヴロや国際品種の試験栽培も行い、その地に最も適したブドウ品種を選びブドウ畑を展開していきました。そして、母体である「ブタリ・ワイン」から独立、今日ではギリシャを代表するブランドまでに成長した「キリ・ヤーニ」を設立しました。


    ◆高貴な黒ブドウ「クシノマヴロ」とキリ・ヤーニ
    ギリシャ随一と言われる高貴な黒ブドウ“クシノマヴロ”。その銘醸地として名高いのが北ギリシャに位置する銘醸地、ナウサ地区とアミンデオン地区です。両地区はヴェルミオン山を挟み隣接し、ヴェルミオン山の南東海抜150-300mの産地がナウサ地区。そして山を挟み南西部の海抜700mの地点にアミンデオン地区が広がります。ナウサ地区のクシノマヴロは濃厚でボリューム感に優れたワインを生み、アミンデオン地区では自根で育つ古木のクシノマヴロから透明感のあるエレガントなスタイルのワインが生み出されています。キリ・ヤーニはこの「クシンマヴロ」を中心に、この地で伝統を守り、且つ革新的なワイン造りを行い高い評価を集めるようになりました。


    ◆成長を続ける
    2000年代に入り、創設者ヤーニス・ブタリス氏の2人の息子(ステリオス氏とミハリス氏)がワイン造りに参画、ワイナリーに新しい風を吹き込みます。そしてよりテロワールを反映した上質なワインを追求すべく専門家と共に、ナウサ地区でのクシノマブロや固有品種、土壌、テロワールと言った新たな分野での研究が始まりました。ナウサ地区では畑を細かく40の区画に分けブドウを栽培。単一区画で育つクシノマヴロからアイコニックなワイン「ディアポロス」を生み出します。またアミンデオン地区では冷涼な気候に合ったアロマティックな国際品種も栽培、ソーヴィニヨンに至ってはギリシャで最初に栽培を始めた蔵でもあり、特別な単一区画から「ドールモ」が造られています。この地区のソーヴィニヨン・ブランはジャンシス・ロビンソンMWも一目置き、世界的にも注目が高まっています。
    2人は「良いワインは醸造所でうまれ、卓越したワインは畑で誕生する」というキリ・ヤーニの哲学を基軸とし、伝統を重んじると同時に改革・革新を恐れず新たなプロジェクトクトを推し進めてきました。
    また、畑から消費者に至るあらゆる分野での専門知識を深める事で、北ギリシャに点在する素晴らしいテロワールを世に広め、ギリシャワインの国際的認知度を高めることも大きな責務として取り組んでいます。
    そして今日、「キリ・ヤーニ」がうみ出す唯一無二の味わいは、ギリシャを代表するアイコンワインとして高く評価されています。

    世界のワイン評論家やマスター・オブ・ワインが大絶賛

    ジャンシス・ロビンソン(MW)氏をはじめ、ギリシャ人MWであるKonstantinos Lazarakis氏や、日本在住の日本人としてはただ一人のMWである大橋健一氏をはじめ、多くのMWがその品質を高く認め最も推薦する、ギリシャ最高峰のワイナリーの一つとして知られています。
    ※マスター・オブ・ワイン(MW)
    現在、有資格者は世界で僅か340名程。ロンドンに本部を置く、ワイン業界最高峰の資格制度です。大橋氏は2015年にMWに認定されました。

    創設者:ヤーニス・ブタリス氏

    ◆現代ギリシャワインの父ヤーニス・ブタリス氏
    ヤーニス氏は自身のワイナリーだけでなく、ギリシャワイン協会の立ち上げや、研究機関設立に自らの資金を投じ、その多大なる貢献により現代ギリシャワインの父として象的な存在となっています。
    また、地元の政治や環境問題にも取り組み、現在ギリシャで2番目の大都市「テッサロニキ市」の市長も勤めています。

    ◆動物保護 「ヨーロッパ熊の保護」
    環境問題の取り組みの一つが、現在ヨーロッパで絶滅の危機に瀕する熊の保護です。日本の月輪熊ほどのサイズの野生熊ですが、ギリシャのアミンデオン、ナウサでの生息数は他のヨーロッパ地域よりも随分多くなり、彼らの活動は野生熊の保護に役立っています。ワインの売り上げによる利益の一部は野生動物保護に還元されています。

    醸造家:ステリオス・ブタリス氏

    ヤーニス氏の息子で、醸造家でもある長男のステリオス氏。1999年よりキリ・ヤーニの舵を握ります。
    学歴:
    ・ビジネススクールINSEADでMBAを取得
    ・アメリカのウェズレー大学にて数学の学士を取得
    ・LSEにて経済学の修士号を取得
    アメリカの輸入業者Paternoにて、ブランド・マネージャーとして活躍。中でもブタリ・ブランドの北アメリカでの販売に注力してきました。90年代後半に母国ギリシャへ戻り、母体であるブタリ・グループでビールブランドの立ち上げに関わり、その後キリ・ヤーニの事業を引き継ぎ、弟のミハリスと共にキリ・ヤーニを運営します。

    ハロウラ・スピンシロポウォウ氏

    2005年よりプロジェクトに参加。
    経歴:
    ・2005年アテネ農業大学校にてPh.D終了
    ・1995年モンペリエのENSAにて農耕学の修士号を取得
    ・ギリシャ、テッサロンンギのアリストトル大学にてブドウ栽培学の学位を取得
    専門分野はカバークロップやクローンのセレクション、更には仕立て方法(様々な要因といかに関係し、ブドウ樹の幹力にどのような影響を与えているか)等多義に亘ります。また、ギリシャのブドウ樹について多くの書籍・記事を執筆するなど、ギリシャブドウのスペシャリストの一人として知られています。

    醸造家:ミハリス・ブタリス氏

    ヤーニス氏の次男で醸造家のミハリス氏。
    学歴:
    ・ハーバード大学にて心理学の学位を取得
    ・USデイヴィスにてブドウ栽培学と醸造学で修士号を取得
    キリ・ヤーニの新たな挑戦が始まった2002年よりワイナリーの事業に参画。畑の増築や醸造設備の設備拡大に尽力してきました。現在は中国、甘粛省(かんしゅくしょう)天水(ティエンシュイ)で、キリ・ヤーニが手がけるブドウ栽培のプロジェクトにも参加し、活動の拠点を中国にも広げ新プロジェクトの指揮・監督を行っています。

    新旧の融合がうみ出す、ギリシャワイン

    現在、新たな進化を遂げることを目標にブタリス家の5代目を中心に醸造・栽培チームが一丸となり邁進しています。キリ・ヤーニのプリンンシパル、それは「改革が伝統」を築くと言う考えに基づきます。地場伝統品種に目を向け、テロワールの研究を進める事でギリシャ固有品種の可能性を広げる事ができます。更には最新の醸造技術も用いることで、現代のワイン愛好家、消費者に求められる「高い品質のプロフェショナルなワイン」をうみ出すことも大きな目標に掲げ、ワイン造りに取り組んでいます。
    例えば、クシノマヴロ。
    クシノマヴロは皮が薄いですが一粒の種の割合が多く(3つほど)、酸が高い。この結果ワインのスタイルは「ネッビオーロに似た特徴を持つ品種」として良く例に出されます。トータルフェノール(タンニン量を計測)では、1本のワインあたりネッビオーロが約3g有るのに対して、クシノマヴロも3.8gとどちらもタンニンが強いことがわかります。
    ネッビオーロもクシノマヴロも皮が薄い品種ですが共に種の比率が多く、タンニン成分が強い。
    この特徴を更に協調させる醸造がとぢらの産地でも伝統的に行われてきました。これは抽出度合(マセレーション)の長さです。伝統的な造りだとマセレーション期間が40日間ほどにもなるそうです。このような醸造由来のタンニンが伝統的なクシノマヴロの特徴にもなっています。
    現代ギリシャでは、この伝統的な醸造を土台により洗練されたワインを目指し、2012年『バーガンディ・プロトコール』なる取り組みがギリシャ北部で始まりました。
    これは、渋く乾いたタンニンでは無く、ピノ・ノワールのようなソフトで綺麗なワインに仕上げてはどうかという考えから始められたプロジェクトです。
    キリ・ヤーニでも、この新しい取り組みが用いられ、ワイン醸造にいかされています。
    (一例)
    ①コールドマセレーション ➠ 20日間ほど低い温度でゆっくりと優しく抽出し、エレガントなタンニンを目指す。
    ②醗酵温度➠ 最高26度と低い温度で醗酵
    新旧の技術の融合は、醸造方法だけでなく栽培する品種にも見られます。
    キリ・ヤーニは現在プレミアムラインのワインをクシノマヴロ100%で醸造し、ナウサとPアミンデオン地区からの二つの異なるPDOワインを生み出しています。
    また、固有品種100%のワイン以外にも、固有品種 x 固有品種、固有品種 x 国際品種のブレンドを産出し、そのスタイルは白、ロゼ、泡、赤ワインと多種に亘ります。
    こうして、固有品種という伝統に現代的なブドウや、醸造技術を用いることで、素朴さとクリーンな要素を合わせ持った上質なワインを造り出しているのです。

    固有品種「クシノマヴロ」に息を吹き込んだ

    ギリシャ語で「酸と黒」の意味を持つ、ギリシャ固有の品種「クシノマヴロ」。北ギリシャ原産で世界で最も珍しい“高貴な黒ブドウ品種”の一つとして知られています。北ギリシャは地中海性気候から大陸性気候まで多様な気候帯を持ち、土壌や標高、地形も異なることからミクロクリマが存在します。「キリ・ヤーニ」では多彩なテロワールの中でも特に標高の高い地区を中心に、長年の研究により選び抜かれたクローンやフィロキセラ前の古木を栽培。これらの貴重なブドウ樹は、区画毎に栽培管理がなされ、全て手作業で収穫。更には区画毎に醸造を行います。また、伝統的な固有品種のワインだけでなく、国際品種をブレンドしたものなど、バラエティに富んだワイン造りも「キリ・ヤーニ」の大きな魅力となっており、新旧を融合させたワイン造りによって、多くのワイン愛好家から高い指示を集めています。

    環境保全型農業を行う北ギリシャの名門

    キリ・ヤーニでは可能な限り農薬を使わない減農薬による自然農法と予防農業の複合農法を取り入れています。畑内に気象観測器を設置することで、水分量や樹勢のモニタリングを行い灌漑や栽培、生態系の維持に活かしています。2019年には敷地内に10エーカーのオリーブとオークの樹を植えることで、ブドウ畑とワイナリー施設全体の二酸化炭素排出量をゼロにすることが出来ました。2020年には持続可能な開発戦略として、新たに37枚のソーラーパネルを設置。エネルギー資源の確保に努めています。この他、乱獲され絶滅の危機に瀕したヨーロッパ熊の保護施設を環境団体と共にワイナリー近くに創設し、現在も売上の一部を運営基金として寄付し続けています。この活動に対して2003年、タイムズ誌がキリ・ヤーニの創設者であり現オーナーの父、ヤニス・ブタリス氏にヨーロピアン・ヒーローを授与しました。

    コミットメント

    ての畑の収穫は手作業で個別に行われ、必要に応じて2-3回ブドウの成熟度を見ながら収穫されます。その後ワイナリーへ持ち込まれ、選果台にて2工程の選果が行われます。
    収穫、醸造を個別に行うことで、異なるテロワールで育つ個性溢れるテロワールを表現したワインをうみ出すことができます。
    ワインの熟成に使用されるオーク材も、その原産地や大きさ、焼き具合などワインに合わせて慎重に厳選され、それぞれの区画の味わいを最大限に引き出す事を可能にしています。そして、最終工程がブレンドです。細心の注意を払い行われるブレンド作業により、異なる畑が持つ特別でユニークなキャラクターを捉えていきます。
    キリ・ヤーニのコミットメントは、異なる素材が織り成すバランスを作り上げ、ワインに一貫性を持たせ、更には蔵にとって最も重要な品種である「クシノマヴロ」の美しい熟成を可能にさせることです。

    冷涼な銘醸地北ギリシャ地方

    北ギリシャ地方の気候は多種多様で、畑の位置や方向によっても異なる特徴を持ち合わせまたワインが生まれます。ナウサやアミンデオンを含むマケドニア地域は山々に囲まれ、気候は冷涼な地中海性気候から冷涼な大陸性気候にまで及び、石灰岩質、砂質、粘土な様々な土壌環境、また畑の肥沃度も多様です。更には畑の立地も平坦な地や丘陵地、或いは川べりや湖の近くなど、多種多様なテロワールの中でブドウが長期にわたり栽培されてきました。中でもアミンデオン地区にはフィロキセラ前、約1世紀以上も古い畑も存在します。これら2地区はクシノマヴロの最高の環境が備わることから、クシノマヴロの銘醸地として注目されクシノマヴロ100%で醸造されるワインはPDOを名乗ることが許されています。

    PDOクシノマグロがうまれる銘醸ナウサ

    1968年、ヤーニス・ブタリス氏がナウサにあるヤナコホリ村に50haの区画を購入。1970年代に初めてクシノマヴロの栽培を始めました。彼らの登場は古代から続くナウサのブドウ畑の復興の光となり、テロワールワイン生産の礎となりました。そして後年、近代のギリシャワインに革命をもたらしました。

    ・気候: クール・メディテレーニアン(冷涼な地中海性気候)でエーゲ海から50kmの距離にあり温暖なエーゲ海の影響も受けるが、ヴェルミオン山の影響で地域は穏やかに冷やされている。また昼・夜の寒暖差が大きいことも特徴。
    ・土壌: 粘土質(重い粘土質が表土で、その下は石灰岩質土壌)で礫を多く有する。
    ナウサは非常に多様な土壌環境を持つことから、現在10の特級地区が選ばれている。
    キリ・ヤーニはこの特級地区でブドウを栽培しており、畑を更に細かく40ブロックに分けて管理、区画ごとの醸造を行っている。
    ・ブドウ樹:第二次大戦後フィロキセラの被害を受け、全て植え替えされ台木を用いて栽培。
    ・ 平均樹齢: 30年
    ・ 仕立て方法:ダブルVSP

    <ナウサの歴史>
    ナウサ地区のワイン造りの歴史は何世紀にも前に遡ります。少なくとも16世紀にはブドウ栽培とワイン造りが行われていたとの記録があります。
    トルコの統治下にあった時代から19世紀末、そして20世紀初頭の間にナウサ産ワインは中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ、更にはエジプトのアレキサンドリアにまで広がりました。その時代、ブドウはナウサの主要作物で、輸出によってこの地は繁栄を呈しました。主な品種はクシノマヴロで、ゴブレ仕立てで高密度での栽培が行われていました。その後フィロキセラの発生と二度の世界大戦により、ナウサのブドウ畑は大きな損害を被りました。畑が復興されたのは1970年以降になってからのことです。近代になってからナウサのワイン造りにおける変革期は、1971年のVDQS認証です。(ナウサOPAP、現在のナウサPDO) クシノマヴロ100%のワインが認定された2地区のうちの1つです。今日、ナウサは500haのブドウ畑と20ワイナリーがあり、ギリシャで最も重要なワイン産地の一つに数え上げられます。

    PDOクシノマグロがうまれるアミンデオン- プロフィロキセラ-

    標高が700mと高く、ギリシャの中で最も寒い産地として知られるアミンデオン。
    土壌は痩せた砂が表土となっており、栄養が乏しいことや気候的条件により今日もフィロキセラの被害はありません。結果、この地区には樹齢80年を超える古木がブッシュバインの状態で栽培維持されています。このユニークなテロワールは、ワインにエレガンスを与え、同じクシノマヴロを栽培しても全く異なる個性のワインが生まれます。
    <キリ・ヤーニの畑>
    アミンデオンにあるキリ・ヤーニの畑とワイナリーはヴェゴリティ湖の畔、カイマッカラン山とヴィッツィ山の麓に位置します。
    キリ・ヤーニのワイナリーは当時ブドウ栽培地としてまだ十分に開発されていなかったアミンデオン地区の発展も目指して設立されました。創設者ヤーニス・ブタリス氏の継続的な努力により、後に高品質ワインがうまれる地区として名声を得ることになります。アミンデオンは長い伝統を誇りながらも今日に至るまでブドウ栽培地区としては軽んじられてきましたが、今ではギリシャで最も期待されるワイン産地の一つです。

    ・気候: クール・コンチネンタル (冷涼な大陸性気候)
    もともと、大きな湖があった地区。この湖は現在4つに分かれており、湖に取り囲まれる形で畑が広がっている。本来、非常に寒い気候帯に位置するが、この湖の温熱効果で気温が穏やかに保たれている。
    ・土壌: 砂質(軽い砂質が表土で、その下は石灰岩質土壌)
    栄養が少ない砂質の山岳地ということもあり、フィロキセラの被害が無く、古い畑の樹齢は80年以上。
    ・ブドウ樹: 台木無しの自根で立つブッシュバイン (灌漑無し)
    ※新しい畑はダブルVSP(灌漑在り)
    クシノマヴロの他、アロマティックな白ブドウ「ロディティス、マラグジア、マルヴァージア、ソーヴィニヨン・ブランなどが栽培されている。

    <アミンデオンの歴史>
    アミンデオン大地の北西部に広がるブドウ栽培地域は、ギリシャで最も歴史のある産地の一つです。最古の文献には紀元前3世紀に古都ケラで非常に上質なワインが生産されていたと記されています。その後、ワイン造りはオスマントルコ帝国の支配下でも続き、20世紀初頭にはアミンデオン産ワインは高品質ワインとして高く評価され、バルカン諸国や中央ヨーロッパ各国に輸出されました。
    しかしフィロキセラの発生と第二次世界大戦の勃発により、ブドウ畑は衰退に追い込まれます。1959年にアミンデオン地区生産者協同組合(Union of Agricultural Cooperatives of Amyndeon)が発足したものの、ワイン産地としては注目を集めることはなく、後にPDOの認定が復興の鍵となりました。
    最高級ワインの生産に適したユニークなミクロクリマと土壌のおかげで、今日アミンデオンはギリシャのワイン造りにおいて最も期待される産地の一つに数え上げられます。この地からはPDOの辛口赤ワインとロゼスパークリング、そしてギリシャのPDOとしては唯一スティルのロゼワインを生産しています。

    雷によって倒された樫の木

    キリ・ヤーニが手掛ける人気の赤ワイン「キティマ・キリ・ヤーニ ヤナコホリ・ヒルズ」が2019年ヴィンテージより名称を『ザ・フォーレン・オーク キティマ キリ・ヤーニ』へ変更しました。
    実はこの名称変更の背景には、自然災害がありました。
    2019年6月10日、ナウサ、ヤナコホリ・ヒルズにあるキリ・ヤーニ農園は激しい雷雨に見舞われていました。そして1本の樫の木が雷により倒されてしまう被害がありました。
    キリ・ヤーニにとって、あまりにも衝撃的で悲しい出来事でした。
    1世紀以上もの間、この地で生き抜いたこの木はキリ・ヤーニにとって大変意味があり、オスマン帝国時代に立てられ1980年代に創設者ヤニス・キリヤーニ氏によって改築された白い塔(キリ・ヤーニ タワー)と共にワイナリーのシンボルとして、ロゴにも使用されてきました。
    樫の木は既に腐食している部分が多い状態でしたが、蔵のシンボルとして後世にも記憶に残してもらえる方法が無いか、災害の翌日に皆で知恵を出し合い考えました。
    そして人々がワインや食事、会話を楽しめる一つのテーブルが生み出されました。
    この時、「キティマ キリ・ヤーニ ヤナコホリ・ヒルズ」としてリリースしていたワインの名前もこの木をオマージュし2019年ヴィンテージより、『ザ・フォーレン・オーク キティマ キリ・ヤーニ』に変更することになりました。(意味:キリ・ヤーニ農園の倒れた樫の木)

    高貴なブドウ「クシノマヴロ」

    ギリシャ語で「酸と黒」の意味を持つ、ギリシャ固有のブドウ品種「クシノマヴロ」は北ギリシャ生まれの黒ブドウで、世界でも最も珍しい高貴なブドウ品種の一つとされています。(言語:Xinomavro)栽培環境に敏感で、病気にかかり易い点から栽培の難しさはありますが、忘れることのできないような神秘的なワインをうみます。
    (特徴)しっかりとしたストラクチャーや複雑なアロマの要素は、イタリアのバローロ地区で有名なネッビオーロ種や、フランスのブルゴーニュ地方で知られるピノ・ノワール種と比較されることが多くありますが、この2品種に負けず劣らずの独自のユニークさを持ち合わせています。
    そして、キリ・ヤーニでは、このギリシャ特有の高貴な品種から世界最高水準のワインをうみだすべく、その変化し易い特性を理解するため、研究を続けてきました。

    高い酸度(Xnio=酸)、芳醇なフェノール、深さ、濃い色(Mavro=黒)、そして力強いタンニンを持つクシノマブロはバローロ同様、非常に熟成ポテンシャルの高いブドウ品種です。また、独自性とパワーを秘めたその個性は、赤果実やトマト、オリーブのような野菜のアロマも持ち合わせます。

    (食とのお勧めマリアージュ)
    現在、クシノマヴロからブランド・ノワール、ロゼ、赤ワイン、スパークリングワイン等多彩なスタイルのワインが醸造されています。味わいも甘口からドライなスタイルまでコンセプトに合わせて使い分けられる万能品種です。
    現地では上品な肉料理やロースト料理。或いは赤ワインソースで煮込んだ、またはドライフルーツと一緒に料理したラム肉、子牛やジビエ料理ともよく食されています。
    熟成が進むとドライフルーツのアロマを持つ素晴らしい複雑味をうみ出し、トッフルやタバコの香りも立ち上がるようになります。熟成されたクシノマヴロには、大地を感じるようなキノコを使用したリゾットやチーズ(イエロー系)が合います。
    ロゼにはトマトソースを使ったシーフードやフェタチーズ、ドライトマトをあしらったサラダがとても良い相性を見せます。
    やや甘口のスパークリングワインとは、食後のデザートとしてイチゴのタルトがお勧めです。

    Kali Riza

    カリ・リーザ

    クシノマヴロ 100%

    自根で育つ樹齢60年を超えるクシノマヴロが生み出す優美な世界。軽やかで、トマトやハーバル且つアーシーな要素もあり、エキゾチックなアロマと鮮やかでエレガントな質感を持ちます。

    ミディアムボディ

    ¥4730

    Ramnista

    ラミニスタ

    クシノマヴロ 100%

    固有品種クシノマヴロの魅力を余すところなく捕らえた1本。プラムやブラックオリーブ、生姜、スパイス、オーク、タンニン、酸。全ての要素が最高のバランスでまとまります。

    フルボディ

    ¥4950

  • Domaine Thymiopoulos

    Domaine Thymiopoulos

    ドメーヌ・ティミオプロス

    ギリシャ / マケドニア / ナウサ

    アポストロス・ティミオプロスが父から引き継いだ4haの畑から2003年にスタートしたワイナリー。20年が経ちナウサの南のエリア一帯のブドウからワインを生産する大ワイナリーへとなった。国内外の評価も高く、生産規模は自社畑分からは10万本、買いブドウからは100万本を超えるワイン(別銘柄でリリース)を造っているが、地域の古樹、ブドウ畑のある景観を残したいと考え地域の栽培家達に農業指導をし、ブドウを購入するうちに、現在の規模となった。しかし畑でもセラーでも説明と実際に行われている作業には、一貫性がありアポストロスの考えが十分に行き届いたチームワークの良さがうかがえる。
    「地域全体の様々な特性の畑を所有していることで、多様な経験をすることができている。バイオロジックやバイオダイナミック農法もそれだけでは十分ではない。見てくれこの畑の環境を。森に囲まれ、海側と山側から常に風が吹いている。よく考えて畑ごとに適切な栽培を行えば、農薬の散布量は格段に減らせるのだ」と、アポストロスは自信を見せ、一次醗酵前の亜硫酸無添加と野生酵母での醗酵の重要性を説く。クラシックなワイン造りをモダンな感性で、そして自身の生産規模を自覚したうえでその利点を最大限に生かしたワインを生産する。

    Macedonia – Rosé de Xinomavro 2021
    マケドニア ロゼ・ド・クシノマヴロ

    品種:クシノマヴロ100%
    位置:標高450~650m、灌漑なし
    土壌:シスト、花崗岩
    醸造:除梗してステンレスタンクで12時間マセレーション。ステンレスタンクと木製樽で半年間熟成。マロラクティック醗酵はステンレスタンク熟成(60%)のワインではせず、樽熟成(40%)の方ではしている。

    クシノ=酸、マヴロ=黒い、とギリシャ語で意味する通り、果皮の成分も濃く、酸っぱい品種であるクシノマヴロの若木を、半日間マセレーションしたロゼ。ブドウ畑はあえて標高の高いものを選んでいる。軽やかでチャーミングなスタイルよりも、骨格と複雑味があり、熟成もするシリアスなスタイルのロゼを目指している。提供温度は冷やしすぎない方がよい。
    ¥2970

  • Domaine Dalamara

    Domaine Dalamara

    ドメーヌ・ダラマラ

    ギリシャ / マケドニア / ナウサ

    ダラマラス家が現ワイナリーのある場所に住み始めたのは1840年からとされ、現在は6代目のコスティス・ダラマラスが運営を行う(2011年から)。コスティスはボーヌの醸造学校を卒業後、ブルゴーニュや南仏のワイナリーで経験を積み、ワインにもそのバックグラウンドがよく表れている。国際的な評価も高く、地域の若手生産者からの信頼も厚い。古くからの農家であるダラマラス家は小さな畑をいくつも持っており、樹齢40年を超える古い樹や、1930年代植樹の自根のクシノマヴロも残っており、ワイナリーを囲むブドウ畑は庭園のように管理が行き届いている。栽培品種のほとんどはクシノマヴロで白品種も少量、ギリシャ最北端の地域といえど、温暖化の影響により気候は暑くなってはいるが、ヴェルミオ山(2601m)とその裾野に多く残る森のおかげで冷涼さは保たれている。クシノマヴロは酸と強いタンニンが特徴の品種だが、コスティスはモダンな感性と丁寧な醸造により、地域の冷涼さを活かしたエレガントなワインを生み出す。

    ナウサについて

    1971年にギリシャ初の原産地呼称(PDO)を獲得したワイン生産地。ギリシャという言葉からイメージする島々の風景とは違い、ヴェルミオ山(2061m)の東側の麓のこの地域は、森の木々も豊富な地下水や川のおかげで大きく成長し、現地に行くと緑の濃さに驚かされる。ブドウの栽培面積は500haでワイナリーの数は20~25軒とワイン産業に支配される土地ではなく、桃、サクランボ、オリーブなども地域の重要な特産品だった。ギリシャの最重要赤品種の一つであるクシノマヴロ酒のネッビオーロ酒との近似性により、地域自体もピエモンテ州と比較されることもしばしばあるが、ナウサはまさしく山の足元の生産地域で、ピエモンテ州はその名の由来であるアルプス山脈からは遠い。また両者のブドウ栽培環境を見るとナウサの方は圧倒的に森が多く残っている。ナウサではフィロキセラ禍後のブドウ畑の回復は1970年代に入りようやく計画され、山間部の湖周辺の砂地土壌のおかげでフィロキセラ禍を免れたクシノマヴロからクローンが選抜されアメリカ台木に接木の上、植え付けがされていった。ブドウ畑は標高150-450m、そのほとんどは標高150-250mに分布していている。クシノマヴロは”黒い酸”というその名が示す通り、酸と強いタンニンが特徴の品種だが、モダンなスタイルでは妖艶な果実味も魅力の一つで、生産者により大きくスタイルは異なる。

    ギリシャについて

    15世紀から数百年続いた、ギリシャのオスマン帝国による支配は、ギリシャのブドウ栽培とワイン造りを衰退させた。20世紀に入ってもその状況はすぐには変わらず、キリスト教徒はワイン造りを禁じられてはいなかったが、トルコの支配者にとっては、増税手段の一つでしかなかった。 1937年にワインの品質向上を目的とした《アテネ・ブドウ研究所》が創設されたが、ほとんどのワインがバルクワインとして販売されてきた。1970年代になって近代醸造設備と、教育を受けたギリシャ人の醸造技術者によるワイナリーから高品質のワインが生まれるようになっていく。 前述のとおり長期間の技術的空白はあるが、ギリシャにはそれを補って余りある可能性が眠っている。数々の島々を初めとする、固有のミクロクリマと、テロワール。またギリシャ本土北部やバルカン半島南部では、その風景は一変する。そしてそれらの地域に順応した300種を超えるとされるブドウ品種からは、ユニークな個性を持ったワインが生まれる。

    Imathia – Thoos 2022
    イマスィア ソース

    品種:アシルティコ、プレクナディ
    位置:標高280~300m
    土壌:石灰質
    醸造 ステンレスタンクで醸造。ステンレスタンクで半年間熟成。

    桃や梨、乾燥ハーブ。温暖化により以前より果実味のしっかりとしたワインができるようになったので、近年はプレクナディ種(グリーンアップルのさわやかな酸味、アルコール度数の低い品種)をブレンドし、バランスをとっている。
    ¥2860

    Naoussa – Dalamara
    ナウサ ダラマラ

    品種:クシノマヴロ100%
    植樹:1999年、2005年、2009年
    位置:標高220~250m、南東
    土壌:石灰岩土壌、石灰岩、粘土質土壌(複数の畑)
    醸造:ステンレスタンクで20日間マセレーション。木樽にて7ヵ月間熟成。

    パリオカリアス畑に植わる若樹産ブドウと、ガストラとポッラ・ネラの両畑産とから造られる。エントリーレベルのワインではあるが、熟成の大部分は樽熟成で、ドメーヌ・ダラマラの目指す集中力と複雑味を備えた堂々たるクシノマヴロ酒。収穫年より3年は果実味の落ち着き、柔らかくなるタンニン、開けるたびの変化に驚くだろう。