タグ: トスカーナ

  • La Torre alle Tolfe

    La Torre alle Tolfe

    ラ・トッレ・アッレ・トルフェ

    イタリア / トスカーナ

    ラ・トッレ・アッレ・トルフェは8世紀に建てられた塔(Torre)を中心に、できた貴族の郊外の別宅で、現オーナーのマニア・カステッリの曽祖父が二次大戦後に購入し、それ以来、オリーブオイルやワインの生産を行ってきた。古い貴族の別邸ということもあり、スペースは広く、13haの自社畑には十分な醸造設備がある。古い大容量のセメントタンクが多いのもこのワイナリーの特徴だ。2018年、長らくワイン造りを担当してきた醸造家が、トッレ・アッレ・トルフェを去ることが決まった。そこでその醸造家がオーナーのマニアに推薦をしたのが、ジャコモ・マストレッタだった。2016年に惜しまれながらも、閉業したキアンティ・ガイオーレのワイナリー、ラ・ポルタ・ディ・ヴェルティーネの元醸造家だ。ジャコモにとって初めての経験である、砂地でのサンジョヴェーゼの醸造。果実味とタンニンの表現が、石灰質土壌のそれとはまったく違うとジャコモは言う。確かに骨格よりも柔らかなタンニンが、印象的だが、果実味と酸味に彼らしい魅力が出ている。

    キアンティについて

    15世紀以来「キアンティ」という地名は北はフィレンツェから南はシエナまでの広大な地域を指す。標高800mまでの丘陵があるが、ワイン造りは250~500m前後の高度が中心。最初にキアンティの境界を定めたのは、1716年トスカーナ大公・コジモ3世。1932年に、広がり続けるキアンティの呼称に対抗し、9村・計7万haが“伝統的”区域としてクラッシコの呼称を得、その際の境界は現在も不動。キアンティ・クラッシコは長らく白ブドウのブレンドが必須だったが、サンジョヴェーゼ100%の認可は1996年以降。2000年には国際品種のブレンド率を20%まで引き上げた(DOCG初年の1984年は10%)。現在、生産者は約350社。この「キアンティ・クラッシコ」の周辺に広がる形でDOCGキアンティとして、ルフィナ、コッリ・セネージなど7つの地域が認定されている。この地域でも生産者の力量しだいで、高名なクラッシコに勝るとも劣らないワインも生まれている。

    トスカーナについて

    サンジョヴェーゼ品種の最重要生産地であり、その王国。20世紀末の短期間、主に伝統産地外の沿岸部などで、ボルドー品種とバリック新樽を用いた濃厚なワインが“スーパー・タスカン”と称され、世界を席巻したが、近年はよりピュアにサンジョヴェーゼの美点を追求する生産者に再び注目が集まっている。ただし区分したいのは“スーパー・タスカン”の中でもかつては主にキアンティ・クラッシコDOCG法外だった100%サンジョヴェーゼを敢行したゆえのワインたち。それらの生産者の中には、サンジョヴェーゼ100%がDOCG法認可された後も、IGTにとどまり偉大な深みを持つワインを生み続ける生産者が少なくなく、同じ“スーパー・タスカン”の中でもボルドー品種主体のものとは区別して把握・評価するべきだろう。また、この州の人々は歴史的に進取の気性に富み、常に探求と挑戦と共にワイン造りも変化する。その様子を、ヒュー・ジョンソンは「旧世界の中の新世界」とさえ評している。

    Chianti Colli Senesi Riserva 2020
    キアンティ・コッリ・セネージ・リゼルヴァ

    品種:サンジョヴェーゼ100%
    植樹:1960年代、2000年代
    位置:330m、南東~南西向き
    土壌:粘土石灰質
    醸造:セメントタンクで醗酵。木樽で15ヵ月間熟成。一部栗ダルを使用

    砂質土壌の多いコッリ・セネージの中でも、粘土石灰のニュアンスが強い土壌の畑を選び、栗樽での長期の熟成を試みる。栗樽はイタリアで古くから使われてきた樽の素材だが、いまではオークに替わられ一般的にはあまり使われなくなってしまった。ジャコモがラツィオの友人のワイナリーを訪れた際、気に入った栗樽を見つけその職人を訪ね、自分も使い始めた。オークより穏やかに香りを与えるため、ブドウ本来のもつ個性を残したまま熟成ができるとジャコモは考える。
    ¥5170

    Chianti Colli Senesi 2022
    キアンティ・コッリ・セネージ

    品種:サンジョヴェーゼ主体、カナイオーロ、コロリーノ、チリエジョーロ
    植樹:1960年代、2000年代
    位置:標高330m、南東~南西向き
    土壌:粘土石灰、砂質も多い
    醸造:セメントタンクで醗酵。セメントタンクで10ヵ月間熟成

    砂質のサンジョヴェーゼは、木樽で熟成をさせると、タンニンが強くなりすぎることが多いため、活き活きとしたニュアンスを出すためにセメントタンクでの熟成を選んだ。年によって、サンジョヴェーゼ100%で瓶詰めすることもあれば、カナイオーロやコロリーノをごく少量ブレンドすることもある。
    ¥3410

    IGT Toscana Rosso – Canaiolo
    トスカーナ・ロッソ カナイオーロ

    品種:カナイオーロ100%
    位置:標高330m、南東~南西向き
    土壌:粘土石灰、砂質も多い
    醸造:セメントタンクで醗酵。木樽で7ヵ月間熟成

    豊かだが柔らかなタンニンと骨格を備えている。ともすると地味になりがちなカナイオーロだが、酸を意識したワイン造りをすることで、途端に魅力的になる。

    IGT Toscana Rosato – Lunella
    トスカーナ・ロザート ルネッラ

    品種:サンジョヴェーゼ主体
    植樹:1960年代、2000年代
    位置:標高330m、南東~南西向き
    土壌:粘土石灰、砂質も多い
    醸造:ステンレスタンクで醗酵。ステンレスタンクで熟成
    年によって、1/3をバリックで醗酵熟成することもある

    イタリア中部で広く使われる、サラッソ(セニエと同義)と呼ばれる醸造テクニックによる、ロザート。2023VTはダイレクト・プレスで醸造した。ルネッラというキュヴェ名は当主であるマニアの曾祖母の名に由来。飲みやすいだけのロゼではなく、飲みごたえとうまみを備えている。

    IGT Toscana Rosso – Ciliegiolo 2021
    トスカーナ・ロッソ チリエジョーロ

    品種:チリエジョーロ100%
    植樹:1960年代、2000年代
    位置:標高330m、南東~南西向き
    土壌:粘土石灰、砂質も多い
    醸造:セメントタンクで醗酵。木樽で7ヵ月間熟成

    甘くふくよかな果実味と飲み心地の良いワインのできやすいチリエジョーロに、樽熟成で骨格を与えた。暖かい年には存在感と迫力のあるワインが出来る。トスカーナの中でも、比較的暑いマレンマ辺りに古くからある土着品種のため、この先の温暖化にも耐えうるのではないかとジャコモは期待している。
    ¥4290

    IGT Toscana Rosso – Colorino 2021
    トスカーナ・ロッソ コロリーノ

    品種:コロリーノ100%
    位置:標高330m
    土壌:粘土石灰、砂質も多い
    醸造:セメントタンクで醗酵。木樽で18ヵ月間熟成

    名前の通り、色(コローレ)を与える品種としてキアンティエリアではブレンド品種とされてきた品種。果汁も赤いタンチュリエ系の品種で、最後の方に収穫される品種でもあり、濃い果実味と果皮の要素が非常に豊富。長期の熟成をかけることで、高揚感のある香りへと変化する。
    ¥4620

  • Il Palazzino

    Il Palazzino

    イル・パラッツィーノ

    イタリア / トスカーナ

    「キアンティ・クラッシコ、ガイオーレ地区にあり、どこよりも古典的で長命なワインを造るモンティ村は、トスカーナ(いや、事実上イタリア)の中でも最高のワイナリーがいくつか存在する」とM.W.ニコラス・ベルフレージが記する。その標高400m付近に、昔から地元で“ザ・クリュ”と畏敬される畑を所有する生産者。オーナー、ズデルチ家は入念なグリーン・ハーヴェストによる収量制限と、収穫時の徹底した選果を行い、最上の樽のワインのみを自社瓶詰めする。それによりワインはフィネス、温和な優しさ、芳醇、豊かなスミレとラズベリーのブケを湛える。
    2013年以降、モンテヴェルティーネなどの栽培を手掛ける、ルジェーロ・マッツィーリのコンサルティングのもと、さらに一段とワインの優雅さと味わいのエネルギー感が向上。歴史あるワイナリーは父アレッサンドロに息子エドアルドが加わった新体制下で、近年劇的な向上を見せつつある。

    キアンティについて

    15世紀以来「キアンティ」という地名は北はフィレンツェから南はシエナまでの広大な地域を指す。標高800mまでの丘陵があるが、ワイン造りは250~500m前後の高度が中心。最初にキアンティの境界を定めたのは、1716年トスカーナ大公・コジモ3世。1932年に、広がり続けるキアンティの呼称に対抗し、9村・計7万haが“伝統的”区域としてクラッシコの呼称を得、その際の境界は現在も不動。キアンティ・クラッシコは長らく白ブドウのブレンドが必須だったが、サンジョヴェーゼ100%の認可は1996年以降。2000年には国際品種のブレンド率を20%まで引き上げた(DOCG初年の1984年は10%)。現在、生産者は約350社。この「キアンティ・クラッシコ」の周辺に広がる形でDOCGキアンティとして、ルフィナ、コッリ・セネージなど7つの地域が認定されている。この地域でも生産者の力量しだいで、高名なクラッシコに勝るとも劣らないワインも生まれている。

    トスカーナについて

    サンジョヴェーゼ品種の最重要生産地であり、その王国。20世紀末の短期間、主に伝統産地外の沿岸部などで、ボルドー品種とバリック新樽を用いた濃厚なワインが“スーパー・タスカン”と称され、世界を席巻したが、近年はよりピュアにサンジョヴェーゼの美点を追求する生産者に再び注目が集まっている。ただし区分したいのは“スーパー・タスカン”の中でもかつては主にキアンティ・クラッシコDOCG法外だった100%サンジョヴェーゼを敢行したゆえのワインたち。それらの生産者の中には、サンジョヴェーゼ100%がDOCG法認可された後も、IGTにとどまり偉大な深みを持つワインを生み続ける生産者が少なくなく、同じ“スーパー・タスカン”の中でもボルドー品種主体のものとは区別して把握・評価するべきだろう。また、この州の人々は歴史的に進取の気性に富み、常に探求と挑戦と共にワイン造りも変化する。その様子を、ヒュー・ジョンソンは「旧世界の中の新世界」とさえ評している。

    IGT Toscana – Rosso del Palazzino 
    トスカーナ ロッソ・デル・パラッツィーノ

    品種:サンジョヴェーゼ主体
    植樹:1972年
    位置:南西向き斜面
    土壌:ガレストロ、砂利が豊富
    醸造:ステンレスタンクで10日間のマセレーション。ステンレスタンクとセメント槽の併用で14ヵ月間熟成。

    ワイナリーのエントリーレベルのワインで、シンプルなサンジョヴェーゼ主体の赤ワイン。
    ¥4290 (2022)
    ¥3300 (2021)
    ¥3190 (2020)

    Chianti Classico Gran Selezione – Argenina
    キアンティ・クラッシコ・グラン・セレツィオーネ アルジェニーナ

    品種:サンジョヴェーゼ主体
    植樹:1999年、2003年(サンジョヴェーゼ)、1999年、2003年(カナイオーロ)
    位置:南、南東、南西向き斜面
    土壌:石灰質土壌
    醸造:ステンレスタンクで10~15日間のマセレーション。ステンレスタンクとオーク樽
    (15HL)の併用で30ヵ月間熟成。

    アタックのやわらかいミディアム・ボディ、丸みがあり果実味を伴ったフィニッシュへ続く。やわらかい飲み口が特徴の優美なワイン。2018VTより、樽熟成期間を30ヵ月間に伸ばし、『グラン・セレツィオーネ』(自社畑ブドウ、30ヵ月間熟成などが規定されている)の格付けとしてリリースしている。

  • Fattoria San Giusto a Rentennano

    Fattoria San Giusto a Rentennano

    ファットリア・サン・ジュースト・ア・レンテンナーノ

    イタリア / トスカーナ

    イタリアワインの熱狂的なファンにとって、間違いなく最高峰の一つ、サン・ジュースト・ア・レンテンナーノ。中世の要塞は、1914年からマルティーニ・ディ・チガーラ家の所有となり、1992年から、現在に至るまでアナ、ルチア、エリザベッタ、フランチェスコ、アレッサンドロとルーカの兄弟が農園の運営にあたっている。所有する160haの敷地の内、31haはブドウ畑だが、残りはオリーブ畑、森、農地や牧草地として、残している。ブドウ畑は全てビオロジック栽培で管理されていて、生産ワインのほとんどを占めるサンジョヴェーゼ、キュヴェ・リコルマ用のメルロー、そして、甘口のヴィン・サン・ジュースト用のマルヴァジーアと少量のトレッビアーノと、ブレンド用にカナイオーロを栽培している。醸造と熟成には一部フレンチオークもつかわれ、ミネラル成分を豊富に含んだ土壌由来の骨格がしっかりとしているが、味わいは極めて端正に仕上がっている。

    キアンティ

    15世紀以来「キアンティ」という地名は北はフィレンツェから南はシエナまでの広大な地域を指す。標高800mまでの丘陵があるが、ワイン造りは250~500m前後の高度が中心。最初にキアンティの境界を定めたのは、1716年トスカーナ大公・コジモ3世。1932年に、広がり続けるキアンティの呼称に対抗し、9村・計7万haが“伝統的”区域としてクラッシコの呼称を得、その際の境界は現在も不動。キアンティ・クラッシコは長らく白ブドウのブレンドが必須だったが、サンジョヴェーゼ100%の認可は1996年以降。2000年には国際品種のブレンド率を20%まで引き上げた(DOCG初年の1984年は10%)。現在、生産者は約350社。この「キアンティ・クラッシコ」の周辺に広がる形でDOCGキアンティとして、ルフィナ、コッリ・セネージなど7つの地域が認定されている。この地域でも生産者の力量しだいで、高名なクラッシコに勝るとも劣らないワインも生まれている。

    トスカーナ

    サンジョヴェーゼ品種の最重要生産地であり、その王国。20世紀末の短期間、主に伝統産地外の沿岸部などで、ボルドー品種とバリック新樽を用いた濃厚なワインが“スーパー・タスカン”と称され、世界を席巻したが、近年はよりピュアにサンジョヴェーゼの美点を追求する生産者に再び注目が集まっている。ただし区分したいのは“スーパー・タスカン”の中でもかつては主にキアンティ・クラッシコDOCG法外だった100%サンジョヴェーゼを敢行したゆえのワインたち。それらの生産者の中には、サンジョヴェーゼ100%がDOCG法認可された後も、IGTにとどまり偉大な深みを持つワインを生み続ける生産者が少なくなく、同じ“スーパー・タスカン”の中でもボルドー品種主体のものとは区別して把握・評価するべきだろう。また、この州の人々は歴史的に進取の気性に富み、常に探求と挑戦と共にワイン造りも変化する。その様子を、ヒュー・ジョンソンは「旧世界の中の新世界」とさえ評している。

    IGT Rosato Toscana – Fuori Misura ロザート・トスカーナ フオーリ・ミズーラ 2023

    品種:サンジョヴェーゼ主体、カナイオーロ、メルロ
    位置:標高270m
    土壌:粘度石灰質
    醸造:各赤ワインのマセレーション開始から2日後に、各発酵槽から10%ほど果汁を抜き取り(サラッソ)、除梗したブドウを果汁に対して約10%加えて10日間マセレーション。ステンレスタンクで半年間熟成。
    備考:イタリア中部で広く使われる、サラッソ(セニエと同義)と呼ばれる醸造テクニックによる、ロザート。しっかりと色が出ており、Rosato(ピンク色の)というよりはRossato(赤みがかった)というほうが近い、とルーカは言う。香りと果実味をしっかりと感じるロゼ。
    ¥3,630

    Chianti Classico 2019
    キアンティ・クラッシコ

    品種:サンジョヴェーゼ主体、カナイオーロ
    位置:標高270m
    土壌:粘度石灰質
    醸造:セメントタンクかステンレスタンクで14日間マセレーション。大樽、トノー、バリックで12ヵ月間熟成。

    瓶詰後、半年間経ってからリリース。スタンダードなキアンティ・クラッシコだが、トスカーナらしい果実味と、優雅な酸味を併せ持つ逸品。
    ¥4950

  • Boscarelli

    Boscarelli

    イタリア / トスカーナ

    ワイナリー創設は1962年のこと、現当主のルーカとニコロ兄弟の祖父に当たるエジディオ・コッラーディが元詰めを始めた。年産2000本の小さなワイナリーから、現在は100000本ほどのワインを造るワイナリーへと成長したが、祖父の代からの精神を忘れずエントリーレベルのワインでも手摘みを行うなど、品質管理へは余念がない。2000年代以前はメルロなどのインターナショナル品種の存在感も強かったが、近年2010年以降は、コロリーノやカナイオーロなどの地品種のポテンシャルへと改めて目を向けている。セラーはブドウ畑の中央にあり、古い牛舎の一部を改装したところから少しずつ増築している。手狭ながら管理の行き届いた醸造を行うための設備は整っており、目指すワインのスタイルはどの時代も優雅さと飲み心地の良さを目指してきた。

    モンテプルチアーノについて

    イタリア全土でも屈指の銘醸地としての歴史と栄誉を誇る町。9世紀のブドウ畑の権利譲渡に関する書類、16世紀ローマ教皇食料番による「教皇が偏愛する完璧なワイン」との記述も今に残る。町はモンタルチーノから東北東に25kmほどの内陸部。一般的には土壌はより粘土がちで固く、平均気温もモンタルチーノよりやや低い。かつてM・クレイマーは「トスカーナの名のあるワインの中でも、ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノほど品質の落ちぶれたワインはない」とまで書いた。しかし、2010年前後からの品質指向の徹底と、国際品種ブレンド率の低減で、今やこの地域は“高貴な(=ノービレ)”サンジョヴェーゼの産地として、最も注目すべき産地の一つに生まれ変わったと言っても過言ではない。ゆえM.W.ニコラス・ベルフレージの「モンタルチーノのワインはモンテプルチアーノのそれより値段が2倍高い。だが美味しさも2倍だろうか?」という問題提起は、年ごとに重みを増している。

    トスカーナについて

    サンジョヴェーゼ品種の最重要生産地であり、その王国。20世紀末の短期間、主に伝統産地外の沿岸部などで、ボルドー品種とバリック新樽を用いた濃厚なワインが“スーパー・タスカン”と称され、世界を席巻したが、近年はよりピュアにサンジョヴェーゼの美点を追求する生産者に再び注目が集まっている。ただし区分したいのは“スーパー・タスカン”の中でもかつては主にキアンティ・クラッシコDOCG法外だった100%サンジョヴェーゼを敢行したゆえのワインたち。それらの生産者の中には、サンジョヴェーゼ100%がDOCG法認可された後も、IGTにとどまり偉大な深みを持つワインを生み続ける生産者が少なくなく、同じ“スーパー・タスカン”の中でもボルドー品種主体のものとは区別して把握・評価するべきだろう。また、この州の人々は歴史的に進取の気性に富み、常に探求と挑戦と共にワイン造りも変化する。その様子を、ヒュー・ジョンソンは「旧世界の中の新世界」とさえ評している。

    Vino Nobile di Montepulciano
    ヴィーノ・ノービレ・ディ・モンテプルチアーノ

    品種:プルニョーロ・ジェンティーレ85%、コロリーノ、マンモーロ、カナイオーロ
    土壌:砂を含んだ石灰質土壌
    醸造:小さな木製の発酵槽およびステンレスタンクで醗酵。1~2週間のマセレーション。フレンチオーク樽もしくはスラヴォニアンオーク樽で18~24ヵ月間熟成。

    清涼感、優雅さ、複雑さ、そして熟成能力をバランスよく備えた、ワイナリーの生産量の約半分を占める名刺代わりのワイン。

    複雑味と果実の厚みがあり、赤系果実と少しだけ森の下草のようなアーシ―なニュアンス。ジューシーで開いた味わいで且つしっとりとした落ち着きのあるワインで、寒い時期により一層魅力を増すワイン。

    ややガーネットがかったルビー色、中程度の濃さ。開いた果実味の香り、赤系果実、熟成感よりもフレッシュで瑞々しさがよく表れている。タンニンは細かく、しなやかで、果実味は優しくジューシーなテクスチュア。後味にやや腐葉系の風味が残る。ミディアムボディで内容が充実していながら、飲みやすさもある。
    ¥5280 (2022)
    ¥5170 (2021)

    Rosso di Montepulciano “Prugnolo”
    ロッソ・ディ・モンテプルチアーノ “プルニョーロ”

    品種:プルニョーロ・ジェンティーレ主体、マンモーロ
    土壌:石灰質土壌
    醸造:ステンレスタンクで醗酵。セメントタンクで数ヵ月間熟成

    収穫年の翌年3月にはリリースされる、気軽な飲み口の赤ワイン。サンジョヴェーゼ(プルニョーロ・ジェンティーレ)由来の果実味にマンモーロがスパイスのニュアンスを与える。ワイナリーで一番若いブドウが使われるため、骨格よりも明るい香り豊かな、親しみのある味わいに仕上がっている。
    ¥3300 (2023)

  • Le Calcinaie

    Le Calcinaie

    レ・カルチナイエ

    イタリア / トスカーナ

    サン・ジミニャーノに、高品質ワインを復活させた立役者の一人。常に快活でエネルギッシュなオーナー、シモーネ・サンティーニは、1995年から畑に化学肥料、除草剤、殺虫剤などを排したビオロジック栽培を続ける、慧眼の持ち主。加えて栽培で重視するのは、低収穫と、葉を多めに残しブドウの房をしっかり陰にするキャノピー・マネージメント。それにより、ヴェルナッチャの魅力の核心である美しく多層的な酸が得られると語る。酸を重視するため、主要な畑の大半は北向きである。亜硫酸添加は通常、トータルで45mg/L以下に抑制。理想とするヴェルナッチャは「瓶詰め直後は14歳の少女のように純粋でプリティ。その後熟成により、多彩な要素に美しいハーモニーが生まれるが、けしてビッグではなくフェミニンでエレガントなワイン」とのヴィジョンは、困難な年にさえ、見事にワインに現れる。

    サン・ジミニャーノについて

    13世紀には既に世に知られたワインで、ダンテやボッカチョの書物にもこの地のワインが登場する。1966年、イタリアの白ワインとして最も早くDOCを獲得した極少数の産地の一つで、今もヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノはトスカーナ唯一の白のDOCGである。ヴェルナッチャ以外の品種ブレンドは10%まで可能。キアンティ・クラッシコ地区の中西端、ポッジボンシから西へわずか15kmほどにある町は、中世の巨大な石塔が13塔残る、トスカーナ屈指の観光地でもある。それゆえ、ワインは多数の観光客に簡単に売ることができるため、「極一部の例外を除けば、依然として味覚の驚きというよりも、観光の小道具のまま。ゆえ、厳しく(生産者を)選別しなければならない」(M・クレイマー)。優れたヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノは肉厚で濃度のある口当たりと、ほのかなアーモンドの香り、わずかな苦みのある爽快な後味を持っている。

    トスカーナについて

    サンジョヴェーゼ品種の最重要生産地であり、その王国。20世紀末の短期間、主に伝統産地外の沿岸部などで、ボルドー品種とバリック新樽を用いた濃厚なワインが“スーパー・タスカン”と称され、世界を席巻したが、近年はよりピュアにサンジョヴェーゼの美点を追求する生産者に再び注目が集まっている。ただし区分したいのは“スーパー・タスカン”の中でもかつては主にキアンティ・クラッシコDOCG法外だった100%サンジョヴェーゼを敢行したゆえのワインたち。それらの生産者の中には、サンジョヴェーゼ100%がDOCG法認可された後も、IGTにとどまり偉大な深みを持つワインを生み続ける生産者が少なくなく、同じ“スーパー・タスカン”の中でもボルドー品種主体のものとは区別して把握・評価するべきだろう。また、この州の人々は歴史的に進取の気性に富み、常に探求と挑戦と共にワイン造りも変化する。その様子を、ヒュー・ジョンソンは「旧世界の中の新世界」とさえ評している。

    Vernaccia di S.Gimignano 2024
    ヴェルナッチャ・ディ・サンジミニャーノ 2024

    品種:ヴェルナッチャ100%
    植樹:1987年、1999年、2009年
    位置:標高220~250m、東南向き
    土壌:石灰・粘土質土壌
    醸造:ステンレスタンクで醗酵。ステンレスタンクで6ヵ月間熟成。

    シンプルな造りながら、複雑味を備えており、暑い年でもヴェルナッチャの魅力の核となる多層的な酸が生き生きとしている。
    ¥4180