ボルゴ・デル・ティリオ(ニコラ・マンフェッラーリ)
イタリア / フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア

ボルゴ・デル・ティリオは、フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州コッリオで独自の白ワイン様式を築いた造り手である。薬学を学んだニコラ・マンフェッラーリが1981年、父の急逝を機に家業を継ぎ、科学的思考と実験精神をもとに自らの手で技術を磨いた。完熟果を穏やかに圧搾し、酸の低いフリウラーノに緊張感を与える手法を確立し、1982年に代表作「ロンコ・デッラ・キエーザ」を誕生させた。現在は息子マッティアが加わり、約10haの畑を管理。フリッシュと呼ばれる泥灰・砂岩層の土壌で、7,000本/haの高密植と独自のヴェンタリオ仕立てにより、果実の均整と樹勢の調和を図る。収穫は全て手作業で小箱輸送。セラーは重力移送を原則とし、区画ごとに仕込み、澱と9〜10か月接触させて質感と奥行きを与える。厳密な樽選抜とアッサンブラージュによって一貫した精度を保ち、コッリオの地に知性と静謐を湛えた白ワインの美を追求している。
フリウリ=ヴェネツィア・ジュリアについて
イタリア北東部の州で、東はスロベニア、北はオーストリアに国境を接する。特にその東端部の丘陵地帯となるコッリオとコッリ・オリエンターリ地区は、「イタリアの現代白ワインの聖地」とさえ呼ばれる。コッリオ周辺の土壌は古代の海底に由来し、ポンカとよばれる泥灰土と砂岩が混じる柔らかな石灰質。この州は個性ある土着品種の宝庫でもあり、白はフリウラーノ、リボッラ・ジャッラ、ピコリット、ヴィトフスカ、赤はレフォスコ、スキオペッティーノなどが中でも重要。フリウラーノはかつてトカイ・フリウラーノと呼ばれたが、DNA上はトカイとは全く無関係で、南仏のソーヴィニヨン・ヴェールがヴェネト経由で19世紀中期に持ち込まれた、という説が現在は有力。ちなみにコッリオの人々は、1891年に「世界葡萄生産者会議・第1回」がゴリツィアで開かれた史実を誇る(第2回はブルゴーニュ)。「当時からここは偉大なワイン産地としてヨーロッパ中に認識されていたのだ」と彼らは主張する。
Collio – Friulano
コッリオ フリウラーノ
品種:フリウラーノ100%植樹:1960年頃
位置:南西向き、標高150m
土壌:泥灰土質
醸造木樽で醗酵木樽で10ヵ月間熟成
フリウラーノは、彼が白ワインの造りを学んだと感じている、思い入れの深い品種。たっぷりとしたヴォリュームと、美しい後味を併せ持つ。
シャルドネと比べるとよりスレンダーで、果実味の印象が少し後退し、ミネラリティ―が増すような感じ。飲み手に、より一層の集中力を要するような印象。それでも肌理が細かくなめらかなテクスチュアは健在で、木樽由来のニュアンスと、しっかりと芯のある果実味が成す一体感も4(シャルドネ)と共通。酸は粒が細かく、垂直的というよりは口中に広がって弾けるような質の心地よい酸。慎ましく品のあるワイン。
¥8800 (2023)
Collio – Chardonnay
コッリオ シャルドネ
品種:シャルドネ100%
植樹:1985年頃
位置:南東向き、標高150m
土壌:泥灰土質
醸造:木樽で醗酵木樽で10ヵ月間熟成
カ・デッレ・ヴァッラーデの丘にある畑で、赤みがかった泥灰土が特徴。この地方の一般的な気候と比べて冷涼な畑は、北東から吹く風(ボーラBora)にさらされている。1987年から始まった二コラのテロワール研究によって、この土壌と冷涼な気候はシャルドネ特有のアロマと塩味を際立てるとの考えに至った。
肌理が細かくなめらかで、形としても美しい佇まいのワイン。香りの系統としては、よく熟した黄色&白色果実で、果実由来のしっかりした厚みも感じられる。木樽醗酵、木樽熟成のニュアンスが味わいの中によく溶け込み、綺麗な輪郭を成している。ヴィンテッジは23年とまだ若いが、今開けても充分に楽しめるしなやかさとまとまりがある。年末年始のお祝いごとや、特別な場に相応しい、確かな品を備えるワイン。
¥8800
コメントを残す